こんにちは!今回は気象予報士試験 第65回 専門知識 問9を解説します!
解答&解説
解答:⑤
この問題の本質
この問題は、単に風向風速の図だけを見るのではなく、
- 地上天気図で、各地点が低気圧・前線のどこにあるかを見る
- 水蒸気画像で、上層の湿潤域・乾燥域・トラフや強風軸の位置をみる
- その場所なら、時間とともにどんな鉛直風変化が出るはずかを考える
という3段階で解きます。
つまり、「その地点に、どんな空気の場が流れ込んでくるか」を、地上と上空の両方から対応させる問題です。
解き方の順番
① まず地上天気図で「場所の性格」を決める
最初にやるべきことは、各地点を
- 低気圧の前面か
- 低気圧の後面か
- 暖域か
- 寒気側か
- 前線の近傍か
で分類することです。
この分類ができると、だいたい次のような傾向が見えます。
- 低気圧前面・暖域側
→ 下層で暖湿な風が入りやすい
→ 前線接近・通過に伴って風向が変わりやすい
→ 上空では強風帯の影響も受けやすい - 低気圧後面・寒気側
→ 下層は寒気流入型
→ 風向は比較的一方向にまとまりやすい
→ 上層だけ強い、という構造が出やすい - 前線の近傍
→ 下層の風向変化が目立ちやすい
→ 鉛直シアが大きくなりやすい
→ 時間変化も大きい
ここを先に押さえないと、図ア〜エがただの「矢羽根の集まり」に見えてしまいます。
② 次に水蒸気画像で「上空の場」を重ねる
水蒸気画像では、ざっくり
- 明るい帯 → 上層湿潤域・雲域
- 暗い帯 → 上層乾燥域
- 明暗の境界や食い込み → トラフ・強風軸周辺
を見ます。
ここで重要なのは、
地上で同じ低気圧の周辺でも、上空では全然違う場になっている
ということです。
たとえば、
- 地上では低気圧の近くでも、
- 上空では乾燥域に入っていて、
- 強風軸の直下にある
ということがあり得ます。
だから問9は、「地上だけ見てもダメ」「衛星だけ見てもダメ」で、両方合わせて考える必要があります。
③ 最後にウィンドプロファイラで「その場らしさ」を判定する
ウィンドプロファイラでは次の4点を見ます。
A. 下層風
- 暖域なら南寄り・東寄り成分が入りやすい
- 寒気側なら西〜北西寄りが優勢になりやすい
B. 中層での風向変化
- 前線付近では、下層から中層にかけての風向変化が大きくなりやすい
C. 上層強風の有無
- 低気圧やトラフ前面では、上層強風帯が重なりやすい
D. 時間変化
- 7〜11時の間に風向や強風域がどう変わるか
→ 前線接近か、通過後か、単に上層場の通過かを判定する材料になる
この4点で、図ア〜エに「性格」を付けていきます。
図ア〜エの性格を先に整理
以下は、受験用にかなり大事な整理です。
図イ
いちばん“上層強風帯っぽい”図です。
上に行くほど風がかなり強く、鉛直シアも大きい。
つまり、上層ジェットやトラフ前面の影響が強い場所に対応しやすいです。
→ したがって、図イは
低気圧や前線系の中でも、上空の力学場の影響が強い地点に割り当てるのが自然です。
図ウ
図イほど極端ではないけれど、上層で風が強い。
一方で、下層はそこまで激しく乱れていない。
これは、寒気側・後面側で、下層は比較的落ち着きつつ、上空に強風が乗っている形に合いやすいです。
→ 低気圧後面や寒気側の地点に置きやすい図です。
図ア
図アは、前線近傍の“下層〜中層の変化が目立つ”タイプとして見ると分かりやすいです。
下層の風向変化や層構造の切り替わりが比較的読み取りやすく、
「今まさに前線の近く」「場が変化している途中」の地点に対応しやすいです。
→ 前線近傍・低気圧近傍に置くのが自然です。
図エ
図エは、図イほど上層強風が鋭くなく、図アほど急な切り替わり感も弱い。
全体としては、比較的まとまった風の場の中にいる地点という印象です。
→ 暖域や前面側のうち、
前線ド真上ほど急変はないが、ある程度一様な流れに乗っている地点に対応しやすいです。
各地点をどう対応させるか
ここからが本題です。
(a) → ウ になる理由
(a) は低気圧の後面・寒気側として考えると最もしっくりきます。
後面側では、
- 下層は寒気流入で比較的まとまりやすい
- ただし上層は依然として強風場に入っていることがある
- 前線直近ほどの急激な下層風変化は出にくい
という特徴が出ます。
これは、下層は比較的おとなしく、上層で強風が効いてくる図ウと合います。
逆に図アだと前線近傍っぽさが強すぎ、図イだと上層強風の効き方が強すぎます。
(b) → ア になる理由
(b) は低気圧や前線のかなり近くで、
下層・中層の風の変化が目立ちやすい地点として読むのが自然です。
この位置では、
- 前線接近または前線近傍のため
- 下層の風向が変化しやすく
- 層ごとの風の違いも大きくなりやすい
ので、図アのような
「変化している場」「前線近傍の風の切り替わり」を感じる図が対応しやすいです。
図ウにすると後面寒気側っぽくなりすぎ、図イにすると上層ジェット優勢すぎます。
(c) → エ になる理由
(c) は低気圧の前面〜暖域側に置くと理解しやすいです。
この領域では、
- 下層に暖湿気が入りやすい
- ただし前線直上ほど急変しない地点もある
- 中層〜上層では系全体の流れに乗る
ため、風はある程度まとまりつつ、必要な高度では強まる、という形になりやすいです。
この特徴に最も合うのが図エです。
図アほど「変化の途中」感が強くなく、図イほど「上層強風コア直下」でもない。
だから (c) はエがいちばん自然です。
(d) → イ になる理由
(d) は4地点の中で、上空の強風帯・力学場の影響を最も強く受ける場所と考えると整理できます。
水蒸気画像でも、湿潤域・乾燥域の境界や上層場の強い場所に対応しやすい側です。
その場合に期待されるのは、
- 上層ほどかなり強い風
- 鉛直シアが大きい
- 前線帯やトラフ前面の上空らしい風構造
です。
これはまさに図イの特徴です。
図エだと少し穏やかすぎ、図ウだと後面寒気側の印象が強すぎます。
だから ⑤ になる
ここまでをまとめると、
- (a) 後面・寒気側 → ウ
- (b) 前線近傍・変化が大きい → ア
- (c) 前面・暖域寄りで比較的一様 → エ
- (d) 上層強風帯の影響が最も強い → イ
となり、
⑤〔ウ・ア・エ・イ〕 が正解になります。
以上です!独自解説とAIを組み合わせ解答・解説を作成しています。訂正・ご意見あればコメントやご連絡いただけると幸いです。皆で最高の独学環境を作り上げていきましょう!
