【第65回 気象予報士試験 専門知識】問9 ウィンドプロファイラと低気圧・前線の対応をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第65回気象予報士試験 専門知識 問9を解説します!

この問題は、地上天気図・水蒸気画像・ウィンドプロファイラの高層風時系列図を対応させる問題です。

専門知識の中でも、単なる知識暗記ではなく、読図力が問われる実戦的な問題です。

特に、

  • 低気圧の前面・後面
  • 温暖前線や寒冷前線との位置関係
  • 暖域と寒気側の違い
  • 上層トラフや強風帯の影響
  • ウィンドプロファイラの鉛直風分布

を組み合わせて判断する必要があります。

この問題で重要なポイント

  • 地上天気図で、地点(a)〜(d)が低気圧や前線のどこにあるかを読む
  • 水蒸気画像で、上空の乾湿分布やトラフ・強風帯を確認する
  • ウィンドプロファイラでは、下層風・上層風・鉛直シア・時間変化を見る
  • 前線近傍では、下層〜中層の風向変化が大きくなりやすい
  • 低気圧後面では、下層は寒気流入型になりやすい
  • 上層強風帯の影響が強い地点では、上空ほど強風が目立つ

■ 問題文

4月のある日の9時の地上天気図と気象衛星ひまわりの水蒸気画像を図Aと図Bに示す。

図ア〜エは、その日の7時〜11時に図Aの(a)〜(d)の4地点のウィンドプロファイラによって観測された高層風の時系列図のいずれかである。

地点(a)〜(d)に対応する高層風の時系列図の組み合わせとして適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

図
(a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a) ウ
(b) ア
(c) エ
(d) イ

■ 解き方の方針

この問題は、いきなり図ア〜エの矢羽根を見るのではなく、まず地上天気図から各地点の性格を決めることが重要です。

解く順番は次のとおりです。

  1. 図Aで、地点(a)〜(d)が低気圧・前線のどこにあるかを見る
  2. 図Bの水蒸気画像で、上空の乾燥域・湿潤域・強風帯を確認する
  3. 図ア〜エの下層風・上層風・鉛直シア・時間変化を読む
  4. 地点の性格と高層風の特徴を対応させる

この順番で考えると、図の対応関係が見えやすくなります。

■ ウィンドプロファイラで見るべきポイント

ウィンドプロファイラの高層風時系列図では、次の4点に注目します。

見るポイント 判断できること
下層風 暖域側か、寒気側か
中層の風向変化 前線近傍かどうか
上層風の強さ 上層強風帯やトラフの影響
時間変化 前線接近・通過、場の変化

特に、下層だけでなく、上層まで含めた鉛直構造を読むことが重要です。

■ 図ア〜エの特徴を整理

特徴 対応しやすい場
図ア 下層〜中層の風向変化が目立つ 前線近傍・低気圧近傍
図イ 上層まで非常に強い風が続く 上層強風帯・トラフ前面
図ウ 下層は寒気側らしく、上層で風が強い 低気圧後面・寒気側
図エ 比較的一様な風の場で、急激な切り替わりが少ない 低気圧前面・暖域側

■ (a) は図ウに対応する

(a)は、地上天気図では低気圧の西側から北西側に位置し、低気圧後面・寒気側の影響を受けやすい地点です。

低気圧後面では、下層に寒気が流入しやすく、西〜北西寄りの風が入りやすくなります。

一方で、上空では低気圧やトラフに伴う強風場の影響が残ることがあります。

図ウは、下層に比較的まとまった風があり、上層では強い風が見られるため、低気圧後面・寒気側の特徴に合います。

ここがポイント!

(a):低気圧後面・寒気側
→ 図ウ

■ (b) は図アに対応する

(b)は、低気圧や前線の近くに位置しています。

このような場所では、前線の接近や通過に伴って、下層から中層にかけて風向や風速が変化しやすくなります。

図アでは、下層〜中層で風の変化が目立ち、前線近傍らしい鉛直構造が見られます。

そのため、(b)には図アが対応します。

受験生がつまずきやすいポイント

前線近傍では、単に「風が強いか弱いか」ではなく、

高さによって風向がどう変わるか

を見ることが重要です。

図アは、前線近傍の風の切り替わりを示す図として考えると理解しやすいです。

■ (c) は図エに対応する

(c)は、低気圧の南東側に位置し、暖域側の影響を受けやすい地点です。

暖域側では、下層に暖かく湿った空気が流れ込みやすくなります。

ただし、前線の直近ほど急激な風向変化があるとは限りません。

図エは、全体として比較的一様な風の場で、図アほど急な切り替わりは目立ちません。

そのため、暖域側の地点である(c)には図エが対応します。

ここがポイント!

(c):低気圧前面・暖域側
→ 図エ

■ (d) は図イに対応する

(d)は、低気圧の北東側から前面側に位置し、上空の強風帯やトラフ前面の影響を強く受ける地点と考えられます。

水蒸気画像でも、上空の湿潤域や乾燥域の境界、強い流れの影響を受けやすい位置です。

図イでは、上空まで非常に強い風が続いており、上層強風帯の影響がはっきり表れています。

したがって、(d)には図イが対応します。

ここがポイント!

(d):上層強風帯の影響が強い
→ 図イ

■ 対応関係の確認

地点 対応する図 理由
(a) 低気圧後面・寒気側で、下層に寒気流入、上層に強風場
(b) 前線近傍で、下層〜中層の風向変化が大きい
(c) 低気圧前面・暖域側で、比較的一様な風の場
(d) 上層強風帯やトラフ前面の影響が強い

■ まとめ

  • 問9は地上天気図・水蒸気画像・ウィンドプロファイラを総合して判断する問題
  • まず地点(a)〜(d)が低気圧や前線のどこにあるかを読む
  • 低気圧後面・寒気側は図ウに対応
  • 前線近傍は図アに対応
  • 低気圧前面・暖域側は図エに対応
  • 上層強風帯の影響が強い地点は図イに対応

正解は⑤

(a) ウ・(b) ア・(c) エ・(d) イ

この問題で必ず押さえたいこと

ウィンドプロファイラの読図では、矢羽根だけを見て判断しないことが重要です。

必ず、

地上の低気圧・前線

水蒸気画像の上空場

鉛直方向の風の変化

をセットで確認しましょう。

この問題は、「どの地点にどの空気が入っているか」を考える練習として非常に重要です。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第65回 専門知識 問9の解説でした!

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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!