【第56回 気象予報士試験 一般知識】問12 予報業務許可事業者に適用される罰則をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第56回 気象予報士試験 一般知識 問12を解説します!
法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規
この問題は、予報業務の許可を受けた者、つまり予報業務許可事業者に対して、どのような場合に罰則が適用されるかを問う問題です。
ポイントは、努力義務なのか、命令違反・無資格者による予想・無認可変更なのかを分けることです。
この問題で重要なポイント
- 予報業務許可事業者には、警報事項を利用者へ迅速に伝達する努力義務がある。
- 努力義務違反は、ただちに罰則対象とは限らない。
- 気象庁長官の改善命令に違反した場合は罰則対象となる。
- 現象の予想は、原則として気象予報士に行わせる必要がある。
- 予報業務の範囲を変更するには、気象庁長官の認可が必要。
- 法規問題では「義務」と「罰則」の対応を丁寧に分ける。
■ 問題文
気象の予報業務の許可を受けている者(「予報業務許可事業者」という)に罰則が適用される事例について述べた次の文(a)〜(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a) 予報業務許可事業者が、当該予報業務の目的および範囲に係る気象庁の警報事項を予報業務の利用者に伝達することを怠った。
(b) 気象庁長官による予報業務の改善命令を受けた予報業務許可事業者が、改善命令に違反して業務を行った。
(c) 予報業務許可事業者が、予報業務のうち現象の予想を気象予報士以外の者に行わせた。
(d) 予報業務許可事業者が、気象庁長官の認可を受けずに予報業務の範囲を変更して業務を行った。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| ① | (a)のみ誤り |
| ② | (b)のみ誤り |
| ③ | (c)のみ誤り |
| ④ | (d)のみ誤り |
| ⑤ | すべて正しい |
■ 解答
①
(a)のみ誤り
■ 解き方の方針
この問題では、各文が「罰則が適用される事例」かどうかを判断します。
努力義務違反
↓
ただちに罰則とは限らない
改善命令違反
↓
罰則対象
気象予報士以外に現象の予想を行わせる
↓
罰則対象
無認可で予報業務の範囲を変更
↓
罰則対象
■ (a) 警報事項の伝達を怠った場合
(a)は誤りです。
予報業務許可事業者には、当該予報業務の目的および範囲に係る気象庁の警報事項を、利用者に迅速に伝達するよう努める義務があります。
ただし、ここで重要なのは「努める」という表現です。
これは努力義務であり、警報事項の伝達を怠ったこと自体が、ただちに罰則適用の事例になるわけではありません。
ここが法規問題のつまずきポイントです
義務がある
↓
すぐ罰則?
とは限らない
法規問題では、「しなければならない」のか、「努めなければならない」のか、さらに罰則規定があるのかを分けて考えます。
したがって、(a)は罰則が適用される事例としては誤りです。
■ (b) 改善命令に違反した場合
(b)は正しいです。
予報業務許可事業者が気象庁長官から予報業務の改善命令を受けたにもかかわらず、その命令に違反して業務を行った場合は、罰則の対象になります。
改善命令違反のイメージ
気象庁長官から改善命令
↓
従わない
↓
罰則対象
したがって、(b)は正しいです。
■ (c) 現象の予想を気象予報士以外に行わせた場合
(c)は正しいです。
予報業務許可事業者は、予報業務のうち現象の予想について、気象予報士に行わせる必要があります。
そのため、気象予報士以外の者に現象の予想を行わせた場合は、罰則の対象になります。
ここもよく狙われます
予報業務
↓
現象の予想
↓
気象予報士が行う必要
単なる事務作業や情報伝達ではなく、予報業務の中心である「現象の予想」を誰が行うかが問われています。
したがって、(c)は正しいです。
■ (d) 無認可で予報業務の範囲を変更した場合
(d)は正しいです。
予報業務許可事業者が、予報業務の範囲を変更する場合には、気象庁長官の認可を受ける必要があります。
認可を受けずに予報業務の範囲を変更して業務を行った場合は、罰則の対象になります。
予報業務の範囲変更
許可された範囲
↓
勝手に変更して業務
認可なし
↓
罰則対象
したがって、(d)は正しいです。
■ 選択肢確認表
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 誤 | 警報事項の伝達は努力義務であり、怠ったこと自体がただちに罰則対象とはならない。 |
| (b) | 正 | 気象庁長官の改善命令に違反した場合は罰則対象。 |
| (c) | 正 | 現象の予想を気象予報士以外に行わせた場合は罰則対象。 |
| (d) | 正 | 認可を受けずに予報業務の範囲を変更した場合は罰則対象。 |
以上より、(a)のみ誤りなので、正解は①です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. 「義務違反=すべて罰則」と考えてしまう
法規問題では、義務があるかどうかだけでなく、罰則規定があるかどうかまで確認する必要があります。
2. 「努める」という表現を見落とす
(a)は努力義務です。
「努めなければならない」は、ただちに罰則に直結する表現とは限りません。
3. 改善命令の重みを軽く見てしまう
気象庁長官の改善命令に違反することは、明確に罰則対象となる重要な違反です。
4. 予報業務の「現象の予想」を誰が行うかを忘れる
予報業務許可事業者であっても、現象の予想は気象予報士に行わせる必要があります。
■ まとめ
- 警報事項の伝達は努力義務であり、怠ったこと自体は罰則対象ではない。
- 改善命令違反は罰則対象。
- 気象予報士以外に現象の予想を行わせることは罰則対象。
- 無認可で予報業務の範囲を変更することは罰則対象。
- したがって、(a)のみ誤り。
正解は①
この問題で必ず押さえたいこと
警報事項の伝達
↓
努力義務
↓
ただちに罰則ではない
改善命令違反
↓
罰則対象
現象の予想
↓
気象予報士に行わせる
業務範囲の変更
↓
認可が必要
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第56回 一般知識 問12の解説でした!
訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
