【第55回 気象予報士試験 実技1】問3を徹底解説|北海道東部の降水経過・凍雨・みぞれ判定・融雪相当水量
こんにちは!今回は第55回 気象予報士試験 実技1 問3を解説します!
今回の問3では、帯広・釧路の大気現象記事と、阿寒湖畔の気象要素時系列図をもとに、北海道東部で起きた降水の変化を読み取ります。
特に、氷点下で雨が降る仕組み、みぞれ判定、融雪相当水量の計算が重要です。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問3(1) 北海道東部の気象経過
模範解答
① 12時20分
② 16時00分
③ しゅう雨性降水
④ 視程
⑤ 23時20分
⑥ 氷あられ
⑦ 12時50分
⑧ 霧
⑨ 積雪
◇ 解説
問3(1)は、図12の帯広・釧路における大気現象の記事と、図13の阿寒湖畔の時系列図から、北海道東部の気象経過を読み取る問題です。
帯広では、8日12時20分から雪が降り始めました。
一方、釧路では、8日16時00分から雨が降り始めています。
どちらも最初は断続的な降水で、記録上はしゅう雨性降水として扱われています。
帯広の視程低下と氷あられ
帯広では、8日21時30分から視程が1km未満となり、雪が強まりました。
この低視程の状態は、
23時20分
まで続きます。
さらに、9日0時00分からは氷あられが観測されています。
その後、0時50分以降は、地表付近の気温が氷点下にもかかわらず雨に変わりました。
これは、上空に0℃以上の暖気層が存在し、雪がいったん融けて雨滴となり、地表付近の氷点下層を通って降るためです。
雨は、9日12時50分に止みました。
釧路の霧と積雪消失
釧路では、降雨の中で9日5時00分から霧が発生しました。
霧は一時的に途切れながらも夕方まで続きます。
また、15時30分には積雪がなくなりました。
つまずきポイント
大気現象記事は、記号と時刻を正確に読む必要があります。
特に、氷あられ・凍雨・着氷性の雨・みぞれは混同しやすいので、現象名と発生条件を整理しておきましょう。
■ 問3(1)まとめ
- 帯広では8日12時20分から雪
- 釧路では8日16時00分から雨
- どちらも最初はしゅう雨性降水
- 帯広では21時30分から視程1km未満
- 低視程は23時20分まで続く
- 9日0時00分から氷あられを観測
- 釧路では9日5時00分から霧
- 15時30分に積雪がなくなる
■ 問3(2) 指定時刻の天気
模範解答
帯広 9日0時30分:あられ
釧路 9日14時05分:霧
◇ 解説
問3(2)は、指定された時刻における帯広と釧路の天気を答える問題です。
帯広では、9日0時00分から氷あられが観測され、0時50分以降に雨へ変わっています。
したがって、9日0時30分の天気は、
あられ
です。
一方、釧路では9日5時00分から霧が発生し、夕方まで続いています。
したがって、9日14時05分の天気は、
霧
です。
つまずきポイント
指定時刻が現象の開始・終了のどちらの範囲に入っているかを確認します。
0時30分は氷あられの時間帯、14時05分は霧の時間帯です。
■ 問3(3) 氷点下で雨が降る鉛直構造
模範解答
地表付近の気温は氷点下だが、その上空に0℃以上の気層がある。
◇ 解説
問3(3)は、帯広で観測された「地表付近の気温が氷点下にもかかわらず雨が降った」現象について、気温の鉛直プロファイルを説明する問題です。
このような現象では、上空から降ってきた雪が、中層の0℃以上の暖気層を通過することで一度融けます。
その後、地表付近に氷点下の冷たい層があっても、雨滴が完全には凍らず、過冷却の雨滴として地上に達することがあります。
したがって、鉛直構造は、
地表付近は氷点下、その上空に0℃以上の気層
となります。
記述式解答のポイント:メカニズム型
どこで:帯広上空で
なぜ:上空に0℃以上の暖気層があり、雪が融けるため
何が起きている:地表付近が氷点下でも雨が降る
超重要ポイント
氷点下で雨が降る現象では、下層が氷点下、上空に0℃以上の層という逆転構造を考えます。
単に「地表が寒いから雪」と判断しないことが大切です。
■ 問3(4) 阿寒湖畔のみぞれ時間と融雪相当水量
模範解答
① 4時間
② 88mm
◇ 解説
① みぞれの期間
問題文では、みぞれの判定条件が次のように与えられています。
みぞれの判定条件
- 0.5℃ ≦ 気温 < 1.5℃
- 0 ≦ 雪水比 < 1
雪水比とは、
積雪深の増分(cm) ÷ 降水量(mm)
で表されます。
図13から、阿寒湖畔では雪から雨へ変わる途中で、この条件を満たす時間帯が合計4時間と読み取れます。
問題文では、1時間の中に2種類の降水現象が含まれる場合は、発現時間を等分するとされています。
そのため、時間帯を細かく足し合わせ、1時間刻みで丸めて4時間と答えます。
つまずきポイント
みぞれ判定では、気温だけでは不十分です。
気温条件と雪水比条件の両方を満たす必要があります。
② 融雪相当水量
融雪相当水量は、融けた雪を雨量に換算したものです。
問題文では、融雪期の積雪密度が0.4g/cm³と与えられています。
図13から、積雪深の減少量は22cmと読み取れます。
積雪密度0.4なので、水に換算すると、
22cm × 0.4 = 8.8cm
です。
8.8cmをmmに直すと、
88mm
となります。
したがって、融雪相当水量は88mmです。
記述式解答のポイント:計算型
どこで:阿寒湖畔で
なぜ:積雪深が22cm減少し、積雪密度が0.4g/cm³であるため
何が起きている:融雪相当水量は88mmとなる
計算でつまずくポイント
22cm × 0.4 = 8.8cm で終わらせないようにしましょう。
降水量換算はmm単位なので、8.8cm = 88mmに変換します。
■ 問3 全体まとめ
- 帯広では8日12時20分から雪が降り始めた
- 釧路では8日16時00分から雨が降り始めた
- 最初の降水はしゅう雨性降水
- 帯広9日0時30分の天気はあられ
- 釧路9日14時05分の天気は霧
- 氷点下で雨が降るには、地表付近が氷点下で上空に0℃以上の気層が必要
- みぞれ判定は気温条件と雪水比条件の両方を見る
- 阿寒湖畔のみぞれ期間は4時間
- 融雪相当水量は22cm×0.4=8.8cm=88mm
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第55回 気象予報士試験 実技1 問3の解説でした!
訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
