【講義】前線解析

2025年11月18日

こんにちは!今日は気象予報士試験の前線解析の方法について解説します!

実技試験においては前線解析の設問よりも前の設問、あるいはすでに図に記載してあるなどしていますが、実際の気象予報業務においてはまずはここから始めます。

a.トラフとリッジ

トラフとリッジを解析するには以下の観点から判断する

  • 等高度線が低圧側から高圧側へ張り出している
  • 正渦度域(正渦度極大域)
  • 風のシアー

b.強風軸

強風軸を解析するには以下の観点から判断する

  • 300hPa天気図の等風速線
  • 500hPa天気図の正渦度域と負渦度域の境目
  • 水蒸気画像の明域と暗域の境目

c.サブハイ

  • 5400m ⇒ 冬季の寒帯ジェットの目安
  • 5700m ⇒ 夏季の寒帯ジェットの目安
  • 5880m ⇒ 夏季の太平洋高気圧の目安

前線が閉塞しているかしていないかを判断をします。

例として、第64回 実技2の低気圧をもとに解析します。

Ⅰ.地上天気図上の低気圧中心の南側に500hPaや850hPaの強風軸(ジェット流)が巻き込むように伸びているか。

Ⅱ.850hPaや500hPaで低気圧中心の南側に寒気や乾燥域が流れ込んでいるか。

Ⅲ.850hPaで暖気または高相当温位の空気が低気圧の前方に向かって凸上の突っ込みがあるか。

前線位置の推定を850hPa、700hPaの高層天気図にて行います。下記のような特徴をもとに前線位置を推定します。あえて最終回答の前線位置と各天気図を重ねています。

Ⅰ.等温線または等相当温位線の集中帯の南縁(特に850hPa 1500m)

Ⅱ.風向・風速シアー(特に850hPa 1500m)

Ⅲ.上昇流域が帯状に伸びている(特に700hPa 3000m)

Ⅳ.湿潤域が帯状に伸びている(特に700hPa 3000m)

●閉塞点を決定する

閉塞点とは閉塞前線から温暖前線と寒冷前線に変わる場所のことを言います。閉塞点は以下のような特徴を持ちます。

Ⅰ.強風軸が通る

Ⅱ.上昇流の極値に対応する

●閉塞前線の型の決定

寒冷型か温暖型かの判断を行います

Ⅰ.寒冷型閉塞前線

寒冷前線の進行方向後面の寒気のほうが温度が低く、温暖前線の進行方向前面にある寒気との間で、温度差が大きくなる(”人”の形になる)

Ⅰ.温暖型閉塞前線

温暖前線の進行方向前面の寒気のほうが温度が低く、温暖前線の進行方向前面にある寒気との間で確かに温度差がつくのですが、寒冷型閉塞前線のときと比べると等温線はあまり混み合わず、温度差は大きくならない(”入”の形になる)

前線は地上の天気図に行う。850hPaと地上では、地上の前線は緯度1°ほど南に位置している。

作成した前線が地上の風向・風速シアーと矛盾ないことを必ず確認する。


以上です!独自解説とAIを組み合わせ解答・解説を作成しています。訂正・ご意見あればコメントやご連絡いただけると幸いです。皆で最高の独学環境を作り上げていきましょう!

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