【第65回 気象予報士試験 実技1】問6を徹底解説|台風通過位置・台風の眼・突風率・最低気圧のずれ
こんにちは!今回は第65回 気象予報士試験 実技1 問6を解説します!
今回の問6では、
- 風向の時間変化から台風の通過位置を判定する力
- 台風の眼の通過に伴う気象要素の変化
- 眼の直径の推定
- 突風率の計算
- 降水量の読み取り
- 最低気圧が最接近時刻より早く現れた理由
など、台風接近時の地上観測データを総合的に読む力が問われています。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の ◇◇hPa で気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問6(1) 台風中心は潮岬の東側・西側どちらを通過したか
問題文
潮岬における風向の時間変化から、台風の中心が潮岬の東側・西側のどちらを通過したかを判定する問題です。
模範解答
台風中心は潮岬の東側を通過した。
理由:風向が反時計回りに変化したため。
記述式解答のポイント:メカニズム型・時間変化型
どこで・いつ:潮岬の観測点で、台風接近前から通過後にかけて
なぜ:風向が時間とともに反時計回りに変化したため
何が起きている:台風中心が潮岬の東側を北上したと判断できる
◇ 解説
この問題では、ある一時刻の風向だけを見るのではなく、 風向が時間とともにどう変化したか を追うことが大切です。
潮岬では、
- 接近前:北寄りの風
- 最接近前後:西寄りの風
- 通過後:南寄りの風
へ変化しています。
つまり、 風向が
北 → 西 → 南
と変化しています。
これは、 反時計回りの風向変化 です。
台風中心の通過位置の考え方
北半球の台風では、 風は中心に向かって反時計回りに吹き込みます。
観測点の東側を台風中心が北上すると、 観測点では風向が反時計回りに変化します。
したがって、台風中心は潮岬の東側を通過したと判断できます。
つまずきポイント
一時刻だけの風向で判断しないことが重要です。
接近前 → 最接近前後 → 通過後 の風向変化をセットで見ましょう。
■ 問6(2) 台風の眼・眼の直径・突風率
問題文
潮岬の時系列データから、台風通過時の気象要素の変化や突風率を求める問題です。
模範解答
| ① 低い | ② 台風の眼 | ③ 200 |
| ④ 70 | ⑤ 34 | ⑥ 2.3 |
◇ 解説
台風が通過するとき、最も特徴的なのが 台風の眼 です。
台風の眼では、周囲の壁雲の暴風雨とは違い、 一時的に天気が落ち着くことがあります。
台風の眼では何が起こる?
時系列図では、 台風の眼に入った時間帯に、
- 湿度が低下する
- 気温が上昇する
- 降水が弱まる
- 風が一時的に弱まる
といった変化が同時に現れます。
したがって、 ①は湿度が 低い ことを示し、 ②は 台風の眼 です。
なぜ眼では湿度が下がる?
台風の眼では、 上空から空気が下降します。
下降流では断熱昇温が起こり、 相対湿度が低下しやすくなります。
眼の通過時間と直径
時系列図から、 眼の通過継続時間は 200分 と読めます。
200分は、
200 ÷ 60 ≒ 3.33時間
です。
問5で求めた台風の移動速度は約20km/hなので、
20 × 3.33 ≒ 66.7km
となります。
四捨五入して、 眼の直径は 70km です。
計算でつまずきやすいポイント
- 200分を時間に直し忘れる
- 半径ではなく直径を答える
- 問5の移動速度を使うことに気づかない
最大風速と突風率
⑤は時系列図から、 平均風速の最大値を読み取ります。
最大値は 34m/s です。
突風率は、
最大瞬間風速 ÷ 平均風速
で求めます。
問題の値を用いると、
34 ÷ 15 ≒ 2.3
となります。
したがって、 ⑥は 2.3 です。
突風率とは?
平均風速に対して、 最大瞬間風速がどれくらい大きいかを表す値です。
台風時には突風率が大きくなりやすく、 瞬間的な強風への警戒が必要です。
■ 問6(3) 降水量最大期間と最低気圧の時刻差
問題文
時系列図から前1時間降水量が最大となった期間を読み取り、 最低気圧が台風最接近時刻より早く現れた理由を説明する問題です。
模範解答
前1時間降水量の最大は30.5mm、期間は14日23時40分〜15日0時30分(起時0時30分)。
最低気圧が最接近より2時間早いのは、台風の勢力が急速に弱まったため。
記述式解答のポイント:時間変化型・メカニズム型
どこで・いつ:潮岬の気圧観測で、台風最接近前に
なぜ:台風が陸地に接近して急速に衰弱したため
何が起きている:最接近時刻より前に最低気圧を記録した
◇ 解説
降水量の最大期間
降水量の極大は、 台風中心を取り巻く壁雲が通過するタイミングで現れやすくなります。
時系列図では、 前1時間降水量の最大は 30.5mm です。
その期間は、
14日23時40分〜15日0時30分
です。
なぜ最低気圧が最接近より早いのか?
通常は、 台風中心が最も近づいた時刻に、 気圧が最も低くなりやすいです。
しかし今回は、 最低気圧の時刻が最接近より約2時間早くなっています。
これは、 次の2つの効果が競合したためです。
- 台風が近づくことで気圧が下がる効果
- 台風自体が急速に弱まり、中心気圧が上がる効果
今回は、 台風が陸地へ接近して急速に衰弱したため、 中心気圧の上昇が早く進みました。
その結果、 台風が最接近する前に気圧の底を打ったと考えられます。
受験生がつまずきやすいポイント
「最接近=必ず最低気圧」と考えると間違えます。
台風自体が急速に弱まる場合、 最低気圧が最接近より早く現れることがあります。
■ 問6 全体まとめ
- 風向の時間変化から台風中心の通過位置を判断する
- 潮岬で反時計回りに風向が変化したため、中心は東側を通過
- 台風の眼では湿度低下・気温上昇・風雨の一時弱化が起こる
- 眼の直径は「移動速度 × 通過時間」で求める
- 突風率は最大瞬間風速 ÷ 平均風速
- 最低気圧は必ずしも最接近時刻と一致しない
- 台風が急速に弱まると、最接近前に最低気圧を記録することがある
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第65回 気象予報士試験 実技1 問6の解説でした!
独学資格塾では、単なる模範解答だけでなく、「受験生がどこでつまずくのか?」を重視して解説しています。
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