【過去問解説】第64回 実技2 問1

2025年11月8日

こんにちは!今回は気象予報士試験 第64回 実技2 問1を解説します!

◇模範解答

15 ノット、② 東北東、③ 海上強風(警報)、④ 34 ノット、⑤ 48 ノット、⑥ 弱い(雨)、⑦ 、⑧ 層雲、⑨ 積雲、⑩ 沿海州(※中国東北区および華北にも低気圧あり)、⑪ 不明瞭

◇解説

図1の地上天気図を見ると、東シナ海に東西に延びる停滞前線上の低気圧が描かれています。この低気圧の移動方向と速さは天気図中の白抜き矢印と数字から読み取れ、東北東へ15ノットと示されています。低気圧には「GW」の表示があり、これは海上強風警報を意味します。海上強風警報の基準は風速34ノット以上48ノット未満で、実際にその範囲の強風が吹いているか24時間以内に吹く予想です。停滞前線付近の名瀬(奄美大島)では天気記号が示すように現在天気が「弱い雨」、過去天気が「雨」となっています。また前線北側の鹿児島では、下層の雲として悪天候時に出現しやすい層雲(Stratus)や積雲(Cumulus)が観測されています。十種雲形で書く問題でしたので、漢字で「層雲」「積雲」と記載します。図2の500hPa高度解析図では、極東アジアの沿海州、中国東北区、華北付近にそれぞれ低気圧(トラフ)が存在します。これら地名は全般海上警報で用いる正式表記(漢字地名)で答える必要があります。最後に、図3の気象衛星赤外画像では、東シナ海の低気圧の東~南東側に活発な対流雲(雲塊)が広がっています。一方、この低気圧に伴う上層雲のバルジ(温帯低気圧に見られる鎌状の雲の張り出し部分)は不明瞭であると読み取れます。設問⑪は「明瞭・不明瞭」の二択から選ぶ形式で、雲の形態がはっきりしないため「不明瞭」が正解です。


◇模範解答

負の渦度移流(負渦度移流域)が見られるところ

◇解説

気象衛星の赤外画像で北緯34度・東経146度付近は雲がなく暗い領域となっています。このような晴天域ができている要因を500hPaの解析図から考察すると、その付近は負渦度移流の領域にあたります。負渦度移流(負の渦度傾度移流)は上空の正渦度が減少する方向への移流、すなわち大気を安定化させる作用を持ちます。具体的には上空の負渦度移流域では下向きの流れ(下降流)が発生しやすく、下降気流は下層の空気を乾燥・加温して雲を消散させるため、下層では晴天域が現れます。したがって設問の答えは「負の渦度移流が見られるところ」となり、晴天域=500hPaで負渦度移流の領域であることを指摘します。これは、上層のトラフ後面やリッジ前面でみられる典型的な晴天要因です。


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