🌏 この記事を読み終わるころには、この問題が解けるようになります!
【例題】
「静止気象衛星ひまわりの水蒸気画像について。暗域が時間とともにさらに暗さを増すことを暗化というが、暗化域が示していることとして正しいものはどれか。
① ジェット気流の北側に明域が広がっている
② 上層のトラフが深まっている、または高気圧が強まっている
③ 大気中上層の水蒸気量が多く湿潤な状態を示している
④ 低気圧が発達初期であることを示している」
今回は、静止気象衛星(ひまわり)と極軌道衛星の特性、可視・赤外・水蒸気の3種類の画像の解析方法、温帯低気圧のライフサイクル、積乱雲・層状雲・特徴的な雲パターン(テーパリングクラウド・ジェット巻雲・オープンセル等)の見分け方を学びます。実技試験では衛星画像の読み取りが最頻出分野のひとつです。輝度の意味と雲種判定の鉄則を完全マスターしましょう!
目次
- 静止気象衛星(ひまわり)の概要と観測軌道
- 極軌道衛星の特性とマイクロ波観測
- 可視画像の特性と解析法
- 赤外画像の特性と解析法
- 水蒸気画像の特性と解析法
- 輝度判定の早見表(可視・赤外・水蒸気)
- 温帯低気圧のライフサイクルと雲パターン
- 知っておくべき特徴的な雲パターン集
- 対流性・層状性の雲の見分け方
- 理解チェックテスト(5問)
- 過去問チャレンジ(5問)
- まとめ
1. 静止気象衛星(ひまわり)の概要と観測軌道
▲ 静止気象衛星の軌道・観測概要と極軌道衛星との比較
- 静止気象衛星(ひまわり)は赤道上空約36,000kmの静止軌道に位置し、通常30分毎(北半球は30分毎、南半球追加など)に全球観測
- 軌道位置:東経140度(または145度)
- 可視・赤外・水蒸気の3チャンネル観測が主体
- 観測には日食の影響あり(太陽・衛星・地球が一直線になる時期に可視観測不能)
- サングリント(太陽光の海面反射)が可視画像に白く映ることがある
- 空間分解能:赤道上では約1km(日本付近では3〜5倍程度劣化)
- 観測できるのは雲・大気・地表面のみ、地下は観測不能
【静止衛星の観測スケジュール(ひまわり)】
- 通常:北半球 30分毎、南半球 1時間毎
- 机上試験での重要事項:「60分毎」と誤記した選択肢は誤り
2. 極軌道衛星の特性とマイクロ波観測
- 極軌道衛星は高度約400〜1000km(平均約840km)を南北にほぼ周回し、地球自転とともに全球を観測
- 1日で全球観測が可能だが、同一地点への観測は1日2回程度(約12時間毎) → 静止衛星より観測頻度は低い
- 観測幅:2500〜2800km
- 静止衛星より高度が低く、高分解能観測が可能
- マイクロ波観測が可能(波長が長いため雲の透過性が高い):海面付近の風向・風速の推定が可能
- マイクロ波の特性:可視・赤外より波長が長く(cm〜mオーダー)、雲の透過性が高い
3. 可視画像の特性と解析法
▲ 3種類の衛星画像(可視・赤外・水蒸気)の輝度と解析ポイント
- 可視画像は太陽光の反射を観測 → 夜間は観測不可
- 波長:0.55〜0.80μm(可視光線)
- 輝度(明るさ)は雲や地表面の反射率に対応
- 雪・氷域も白く写る(雲との識別に注意)
- 雲の厚みに比例して明るさが増す
-
可視画像でわかること:
- 雲の厚み・範囲
- 雲の質感(滑らか→層状性、凹凸あり→対流性)
- 雲影(積乱雲は雲頂が高く影が見える)
💡 可視画像と赤外画像の使い分け
- 雲頂高度を知りたい → 赤外画像
- 雲の厚み・質感を確認したい → 可視画像
- 夜間の観測 → 赤外・水蒸気画像のみ
4. 赤外画像の特性と解析法
- 赤外画像は物体(雲・地表面)が放射する赤外線を観測 → 昼夜問わず観測可能
- 波長:10〜12μm帯(赤外線窓領域)
-
輝度温度(輝度)は放射体の温度に対応
- 雲頂温度が低い(高い雲)→ 白く(明るく)表示
- 雲頂温度が高い(低い雲、地表面)→ 暗く表示
- 「低温=白く=高い雲」の逆転関係が試験のポイント!
- 薄い上層雲は下層からの赤外線が一部透過するため、本来より輝度が低く(暗く)写る
- 冬季のシベリア大陸:雲がなくても放射冷却で低温のため、やや明るく一様に写ることあり
5. 水蒸気画像の特性と解析法
- 水蒸気画像は赤外線の水蒸気吸収帯(6.5〜6.9μm)を観測
- 大気中上層(中層・上層)の水蒸気量を観測→下層の水蒸気量は判断不可
- 明域:大気中上層の水蒸気が多く湿潤
- 暗域:大気中上層の水蒸気が少なく乾燥
-
バウンダリー(明域・暗域の境界):ジェット気流(強風軸)がおおむね位置する
- より厳密には、バウンダリーの少し暗域側に強風軸が位置
- ジェット気流の極側に暗域(乾燥域)が広がることが多い
- 暗化(ダーケニング):暗域がさらに暗くなること→上層トラフが深まっている、または高気圧が強まっていることを示す
- 発達中の温帯低気圧の進行方向後面側(中心の西側)で暗化が見られやすい
【水蒸気画像解析の鉄則】
- 明域 = 湿潤(水蒸気多)= 上昇流域・暖気
- 暗域 = 乾燥(水蒸気少)= 下降流域・寒気
- バウンダリー付近 = ジェット気流(強風軸)
- 暗化 = トラフ深化 or 高気圧強化
6. 輝度判定の早見表(可視・赤外・水蒸気)
表4-2 可視画像の輝度と判断できること
| 輝度の状態 | 判断できること |
|---|---|
| 特に白い(特に明るい) | 非常に厚い雲(下層〜上層に及ぶ極めて厚い雲域) |
| 白い(明るい) | 厚い雲域 |
| 明灰色(やや明るい) | やや厚い雲域(厚みのある雲域) |
| 暗灰色(暗い) | 薄い雲域・薄い単層の雲 |
備考:可視画像は雲以外の地表面(雪氷域や海水域)も太陽光の反射を受けて白く写ることもあります。
表4-3 赤外画像の輝度と判断できること
| 輝度の状態 | 判断できること |
|---|---|
| 特に白い(特に明るい) | 雲頂高度は上層(圏界面付近に達する) |
| 白い(明るい) | 雲頂高度は上層 |
| 明灰色(やや明るい) | 雲頂高度は中〜上層 |
| 灰色 | 雲頂高度は中層 |
| 暗灰色 | 雲頂高度は下層 |
| 写っていない | 雲頂高度は地表面付近・地表面 |
備考:冬季のシベリア大陸は放射冷却が顕著なために著しく低温となり、雲が存在しない場合にも暗灰色輝度に一様に膜が張ったように写ります。
表4-4 水蒸気画像の輝度と判断できること
| 輝度の状態 | 判断できること |
|---|---|
| 明域 | 大気中上層の水蒸気量は多く、湿っている |
| 暗域 | 大気中上層の水蒸気量は少なく、乾燥している |
備考:水蒸気画像は大気下層の水蒸気量はどのような場合でも判断できません。
7. 温帯低気圧のライフサイクルと雲パターン
▲ 温帯低気圧の発達段階別赤外雲パターンと代表的な雲種の解析法
赤外画像での温帯低気圧のライフサイクル判定(4段階):
発達初期
- 低気圧周辺は雲頂高度の高い上層の雲が比較的多く見られる
- 低気圧の北側にバルジ(高気圧性曲率を持つ上層雲の膨らみ)が見られ始める
発達後期
- バルジがさらに北側に盛り上がり、一層明瞭化
- 上層の強風域を示す明瞭なバルジが低気圧の北西〜北〜北東に見られる
最盛期
- 低気圧後面からの暗域(乾燥空気)が侵入し始め、前線対応の帯状の雲から寒気側に切り離される
- 低気圧後面(西側)で暗化が見られやすい
衰弱期
- 広域的に赤外で明るい雲が大幅減少
- 暗域がらせん状に中心に巻き込む
- 低気圧周辺は下層〜中下層の雲主体となる
【バルジとは】
暖湿な空気が温暖前線面上を滑昇しながら極側へ進入し、上層の風に流されて高気圧性曲率の膨らみを持つ上層雲のこと。発達中の低気圧の北西〜北東方向に見られる。
8. 知っておくべき特徴的な雲パターン集
▲ 特徴的な雲パターン(テーパリングクラウド・ジェット巻雲・オープンセル等)
① 層雲・霧域(赤外で暗く・可視では明るく滑らか)
- 雲頂高度が地表付近に近く、地表面温度とほぼ同じ → 赤外ではほとんど写らない(暗い)
- 可視では比較的白く(明灰色)、質感が滑らか(一様)に写る
- 「赤外で暗く・可視で白く滑らか」が層雲・霧の鉄則
② 積乱雲域(赤外・可視ともに明るく、団塊状・凹凸あり)
- 赤外・可視ともに特に白く(明るく)写る
- 可視画像では雲頂部の凹凸が見られる(鉛直発達の証拠)→ 積乱雲に特有
- 赤外で明るく団塊状に写れば積乱雲域と判断できる
- ただし台風付近など太陽高度が高い場合、凹凸が不明瞭なことあり
③ テーパリングクラウド(赤外画像)
- 雲域の西端付近で対流性の雲が発達しながら東へ流される
- 雲の輪郭が極めて明瞭に写り、発達した対流性の雲の特徴
- 西側に発達した積乱雲を多く含み、東側1/3は衰退期の積乱雲が中心
④ ジェット巻雲(赤外画像)
- 上層の強風軸(ジェット気流)の少し南側に沿って発生する薄い上層雲
- 赤外で白く写るが雨・雪を降らせない
- 2種類:シーラスストリーク(風に沿った流線状)とトランスバースライン(流れに直交する縞模様)
- 付近では晴天乱気流(CAT)が発生しやすく、特にトランスバースラインで顕著
⑤ 地形性巻雲(停滞性巻雲)(赤外画像)
- 朝鮮半島東部の南北山脈への西風による地形性上昇波動が中上層に伝播
- 大気が十分湿潤な場合に山脈走行に直交する縞状雲が発生
- 動画にすると停滞しているように見えるが、実際は西風で東方へ流れて消散
⑥ オープンセルとクローズドセル(冬型気圧配置)
- 冬型の気圧配置で相対的に暖かい海面上に寒気が流入→大気成層が不安定化し筋状の雲が発生
- オープンセル:海面温度と下層寒気の温度差が大きい → 蜂の巣状の雲、積雲・大型積雲・一部積乱雲を含む、シビアな現象(突風・強雪・落雷)に注意
- クローズドセル:温度差が相対的に小さい → 積雲・層積雲の混合、オープンセルより穏やか
9. 対流性・層状性の雲の見分け方
| 特徴 | 対流性の雲(積雲・積乱雲) | 層状性の雲(層雲・巻層雲等) |
|---|---|---|
| 可視画像の質感 | 凹凸が見られる | 滑らか(一様) |
| 赤外画像の形状 | 団塊状・独立した塊 | 広域均一・なめらか |
| 雲域の変化 | 急速に発達・変化 | ゆっくり変化 |
| 雲頂高度 | 上層まで発達(赤外で白い) | 雲種により異なる |
| 雨の強さ | 強く短時間 | 弱く長時間 |
💡 実技試験での衛星画像解析の手順
- まず赤外画像で雲頂高度(明るさ)を確認
- 可視画像で質感(滑らか vs 凹凸)を確認
- 両方明るく・団塊状・凹凸あり → 積乱雲域
- 赤外暗く・可視明るく滑らか → 層雲・霧
- 水蒸気画像でバウンダリー(ジェット気流)と暗化域を確認
10. 📋 理解チェックテスト(5問)
【問1】
赤外画像の解析について、正しいものはどれか。
① 赤外画像は太陽光の反射を観測しているため、夜間は使用できない
② 雲頂温度が高い(低い雲)ほど赤外画像では白く(明るく)写る
③ 薄い上層雲は、下層からの赤外線の一部が透過するため、同じ高さの厚い上層雲より暗く写る
④ 霧や層雲は地表面温度と雲頂温度がほぼ同じため、赤外画像では識別しにくい
💡 解答・解説
正解:④
赤外画像は物体の放射赤外線を観測するため昼夜問わず使用可能(①誤り)。雲頂温度が低い(高い雲)ほど白く写る(②誤り)。薄い上層雲は下層からの赤外線を一部透過するため、輝度温度が本来より高く評価され、やや暗く写る(③正しいが「暗く」の理由が重要)。霧・層雲は地表面温度と雲頂温度の差が小さく赤外画像での識別が困難(④正しい)。問題の核心は④。
【問2】
水蒸気画像について、正しいものはどれか。
① 水蒸気画像は下層の水蒸気量を観測している
② 明域はジェット気流の極側に広がることが多い
③ バウンダリーの少し暗域側に沿って上層の強風軸がおおむね位置する
④ 暗化はジェット気流が弱まっていることを示す
💡 解答・解説
正解:③
水蒸気画像は中〜上層の水蒸気量を観測し、下層の水蒸気量は判断不可(①誤り)。ジェット気流の極側に暗域(乾燥域)が広がることが多い(②誤り、正しくは「暗域」)。バウンダリーの少し暗域側に強風軸が位置する(③正しい)。暗化はトラフ深化または高気圧強化を示す(④誤り)。
【問3】
温帯低気圧の衛星画像解析について正しいものはどれか。
① バルジとは低気圧後面から侵入する暗域のことである
② 発達期後期では低気圧の北側にバルジがさらに明瞭化する
③ 衰弱期では赤外で明るい雲が広域に増加する
④ 最盛期では低気圧後面からの暗域侵入はまだ見られない
💡 解答・解説
正解:②
バルジとは暖湿な空気が温暖前線面上を滑昇して極側へ進入し、高気圧性曲率を持つ上層雲のこと(①誤り)。発達後期にバルジはより明瞭化する(②正しい)。衰弱期では赤外で明るい雲が大幅減少する(③誤り)。最盛期では後面からの暗域が侵入し始める(④誤り)。
【問4】
積乱雲域の衛星画像解析について正しいものはどれか。
① 可視画像で凹凸があれば必ず積乱雲域と判断できる
② 赤外画像で明るく団塊状に写れば積乱雲域と解析できる
③ 積乱雲域は赤外では明るいが可視では必ず暗く写る
④ テーパリングクラウドの東側1/3に最も発達した積乱雲が集中する
💡 解答・解説
正解:②
可視画像の凹凸は積乱雲の有力な根拠だが、台風付近など太陽高度が高い場合は凹凸が不明瞭なこともあり絶対ではない(①誤り)。赤外で明るく団塊状
→
積乱雲域と解析できる(②正しい)。積乱雲は可視でも特に明るく写る(③誤り)。テーパリングクラウドは西端に発達した積乱雲が多く、東側1/3は衰退期の積乱雲(④誤り)。
【問5】
静止衛星と極軌道衛星の比較について正しいものはどれか。
① 極軌道衛星は静止衛星より同一地点の観測頻度が高い
② 静止衛星は地球全体を1日2回程度観測する
③ 極軌道衛星はマイクロ波観測が可能で雲の透過性が高い
④ 静止衛星の日本付近の空間分解能は赤道上と同じく約1kmである
💡 解答・解説
正解:③
極軌道衛星の同一地点観測は1日2回(約12時間毎)で静止衛星の30分毎より低頻度(①誤り)。静止衛星は30分毎に全球観測(②誤り、1日2回は極軌道の同一地点観測頻度)。極軌道衛星は高度が低くマイクロ波観測が可能で雲透過性が高い(③正しい)。日本付近の分解能は赤道上より3〜5倍程度劣化する(④誤り)。
11. 📋 過去問チャレンジ(5問)
【平成24年度第1回 専門知識 問4】
図(a)〜(d)は、温帯低気圧が発生してから消滅するまでのある期間に得られた1時間間隔の気象衛星赤外画像である。これらの画像を観測した順序として最も適切なものを選べ。(各図の1辺の長さは2500〜3000km、方角は概ね北が上)
① (a)→(b)→(c)→(d)
② (a)→(c)→(b)→(d)
③ (c)→(d)→(a)→(b)
④ (c)→(b)→(d)→(a)
⑤ (d)→(c)→(b)→(a)
💡 解答・解説
正解:②((a)→(c)→(b)→(d))
温帯低気圧のライフサイクルにおける赤外雲パターンの推移で判断する。発達初期:低気圧北側に小さなバルジが出現。発達後期:バルジが明瞭化し北側に大きく盛り上がる。最盛期:後面からの暗域が侵入し始める。衰弱期:明るい上層雲が大幅減少し暗域がらせん状に巻き込む。問題の図から(a)が発達初期、(c)が発達後期、(b)が最盛期、(d)が衰弱期と判定する。
【平成22年度第2回 専門知識 問4】
7月上旬の同一日時に観測された可視・赤外・水蒸気画像のA〜D各領域について述べた文(a)〜(d)の正誤について、正しいものを選べ。
(a) 日本の東のA領域には、霧あるいは層雲が存在している。
(b) 日本の南のB領域には、熱帯低気圧が存在している。
(c) 本州から四国にかけてのC領域では、所々で積乱雲が発達している。
(d) 黄海付近のD領域には上空のトラフがあり、その前面の朝鮮半島付近で積乱雲が発達している。
① (a)のみ誤り
② (b)のみ誤り
③ (c)のみ誤り
④ (d)のみ誤り
⑤ すべて正しい
💡 解答・解説
正解:②((b)のみ誤り)
(a)正しい:A領域は可視でやや暗い灰色で写り(低い雲)、赤外ではほとんど写らない→地表面付近の低い雲(霧・層雲)と推定できる。(b)誤り:B領域は赤外・可視ともに暗域が80%以上で積乱雲がごく一部のみ→熱帯低気圧は多量の積乱雲が必要。上層寒冷渦の構造が見られるため誤り。(c)正しい:C領域は所々で赤外・可視ともに特に明るく団塊状に写り、積乱雲域と解析できる。(d)正しい:上層トラフ前面では上層発散→下層収束が生じ、積乱雲の発達に有利。水蒸気画像でバウンダリー付近に強風軸が確認できる。
【平成24年度第2回 専門知識 問4】
3月のある日の可視・赤外画像に見られる雲域等について述べた文(a)〜(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a)
楕円領域Aに見られる細かい縞状の上層雲は、トランスバースラインと呼ばれ、その付近ではしばしば乱気流が存在する。
(b)
楕円領域Bは、可視画像では凹凸がみられ赤外画像では一部が白く輝いていることから、積乱雲を含む対流雲を主体とする領域と判断される。
(c)
楕円領域Cでは、可視画像では明灰色の領域が識別できるが、赤外画像ではその輪郭の識別が困難であることから、層雲、霧または海氷が存在すると判断される。
(d)
矢印Dの先端を連ねた線の南側付近は、可視画像では薄いベール状に見え、赤外画像では白いことから、上層雲が主体の領域と判断される。
① (a)正 (b)正 (c)正 (d)正
② (a)正 (b)誤 (c)正 (d)誤
③ (a)正 (b)誤 (c)誤 (d)正
④ (a)誤 (b)正 (c)正 (d)正
⑤ (a)誤 (b)正 (c)誤 (d)誤
💡 解答・解説
正解:①((a)正 (b)正 (c)正 (d)正)
(a)正しい:上層強風軸(ジェット気流)に直交する縞状の上層雲はトランスバースライン。付近は晴天乱気流が起きやすい。(b)正しい:可視で凹凸、赤外で一部白く明るい→雲頂上層の厚い雲+対流性の特徴→積乱雲を含む対流雲域。(c)正しい:3月のオホーツク海付近は海氷域があり、可視では細かい粒子状の質感でべったりと写り、赤外ではほとんど写らない。層雲・霧または海氷が共存している可能性。(d)正しい:可視で薄いベール状(透け感)かつ赤外で白い(雲頂高度は上層)→薄い上層雲が主体。
【平成25年度第1回 専門知識 問4】
静止気象衛星ひまわりの水蒸気画像について述べた次の文章の空欄(a)〜(e)に入る適切な語句を選べ。
暗域は輝度温度が(a)領域を示し、対流圏の上〜中層が(b)いることを示す。一般に、ジェット気流を境にして、これより極側の空気は低温で乾燥し、赤道側では相対的に高温で湿潤なので、ジェット気流に沿ってその極側に(c)が広がっていることが多い。暗域が時間とともにさらに暗さを増すことを暗化という。暗化域は、上層のトラフの(d)や、高気圧の(e)を示している。
① (a)低い (b)湿って (c)明域 (d)深まり (e)強まり
② (a)高い (b)乾燥して (c)暗域 (d)深まり (e)弱まり
③ (a)低い (b)湿って (c)明域 (d)浅まり (e)弱まり
④ (a)高い (b)乾燥して (c)暗域 (d)深まり (e)強まり
⑤ (a)低い (b)乾燥して (c)暗域 (d)浅まり (e)弱まり
💡 解答・解説
正解:④((a)高い (b)乾燥して (c)暗域 (d)深まり (e)強まり)
暗域は輝度温度が(a)高い(大気下層からの赤外線が衛星に届くため温度が高く評価される)。対流圏の上〜中層が(b)乾燥している(中上層の水蒸気が少ないと下層からの赤外線が透過してくる)。ジェット気流の極側に(c)暗域が広がる(乾燥した寒気が極側に位置するため)。暗化域は上層トラフの(d)深まりや、高気圧の(e)強まりを示す(下降流が強まるため中上層が乾燥し暗化が進む)。
【平成23年度第1回 専門知識 問4】
ひまわりの赤外画像について述べた文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a)
低緯度や中緯度で観測される薄い上層雲は、その下にある地表面・中層雲・下層雲が放射する赤外線を一部透過するため、同じ高さにある厚い上層雲より白く見える。
(b)
霧や層雲は、雲頂の温度が雲域周辺の海面水温や地表面温度とほぼ同じために、その存在を把握しにくいことがある。
(c)
冬季に日本海で発生する積乱雲が夏季に発生する積乱雲ほど明るくないのは、冬季の積乱雲は夏季の積乱雲よりも雲頂高度が低く海面と雲頂との温度差が小さいためである。
(d) 温度が大変に低い地表面は、その上空に雲が無くても白く見える。
① (a)正 (b)正 (c)正 (d)誤
② (a)正 (b)誤 (c)正 (d)正
③ (a)正 (b)誤 (c)誤 (d)正
④ (a)誤 (b)正 (c)正 (d)正
⑤ (a)誤 (b)正 (c)正 (d)誤
💡 解答・解説
正解:④((a)誤 (b)正 (c)正 (d)正)
(a)誤り:薄い上層雲は下層からの赤外線を一部透過するため輝度温度が本来より高く評価され、同じ高さの厚い上層雲より「暗く(白くではなく暗く)」写る。(b)正しい:霧・層雲は地表面温度と雲頂温度がほぼ同じため赤外では識別困難。(c)正しい:冬季の積乱雲は雲頂高度が4〜5km程度で夏季より低く、海面と雲頂の温度差が小さいため輝度コントラストが低い。(d)正しい:冬季のシベリアなどの低温大陸は雲がなくても放射冷却で低温となり、赤外でやや明るく(白っぽく)写る。
12. まとめ
重要項目一覧:
- 静止衛星(ひまわり):東経140度・高度36,000km・30分毎観測・可視/赤外/水蒸気3チャンネル
- 極軌道衛星:高度約840km・1日2回同一地点通過・観測幅2,500〜2,800km・マイクロ波観測可能(雲透過性高)
- 可視画像:太陽反射観測・夜間不可・雲の厚みと反射率に対応・雪氷域も白く写る
- 赤外画像:物体の放射赤外線観測・昼夜可・雲頂高度(温度)に対応・低温=白い=高い雲
- 水蒸気画像:中〜上層水蒸気量を観測・下層水蒸気は不可・明域=湿潤・暗域=乾燥
- バウンダリー:明域・暗域の境界→ジェット気流(強風軸)がおおむね位置
- 暗化:暗域がさらに暗くなる→上層トラフ深化 or 高気圧強化
- 温帯低気圧ライフサイクル:発達初期(小バルジ)→発達後期(明瞭バルジ)→最盛期(暗域侵入)→衰弱期(下層雲主体)
- 積乱雲の特徴:赤外・可視ともに明るく団塊状・可視で凹凸
- 層雲・霧の特徴:赤外で暗く・可視で白く滑らか
- テーパリングクラウド:西端に発達した積乱雲・東方流出
- ジェット巻雲:トランスバースライン・シーラスストリーク・晴天乱気流に注意
- オープンセル:海面と寒気の温度差大・蜂の巣状・シビア現象注意
- クローズドセル:温度差中程度・積雲〜層積雲主体
難易度:★★★★☆(衛星画像の輝度判定と雲種解析は実技試験最頻出!輝度の「三表」を九九レベルで即答できるよう繰り返し練習しましょう!)
この記事について
気象予報士試験の合格を目指す方のために、専門知識を初学者向けにわかりやすく解説しています。第4章の衛星画像解析は実技試験でも最頻出の分野です。特に輝度の三表(可視・赤外・水蒸気)と温帯低気圧のライフサイクルパターンを確実に押さえましょう!
