【第60回 気象予報士試験 実技1】問4を徹底解説|シアーライン・降雪強化・雪水比・大雪警報基準

こんにちは!今回は第60回 気象予報士試験 実技1 問4を解説します!

今回の問4では、

  • シアーラインの解析
  • 気温分布とエコー分布の対応
  • シアーライン通過時刻の判定
  • 風向変化と降雪強化
  • 雪水比の計算
  • 3時間降雪量・6時間降雪量の予想
  • 大雪警報基準に達する時間帯

など、冬季の実技試験で重要な 「シアーラインと大雪予測」 が問われています。

特に、

  • シアーラインに沿ってエコーが分布する
  • 通過時は風向が急変する
  • 雪水比=降雪量÷降水量

は頻出ポイントです。

実技試験記述5型

基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)

  • 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
  • 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
  • メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
  • リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
  • 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」

■ 問4(1) シアーライン周辺の気温分布・エコー分布

問題の要点

図10の気温分布と図11のレーダーエコー分布から、シアーラインを挟んだ気温差と、シアーラインに沿う降水エコーの特徴を読み取る問題です。

模範解答

① 気温分布の特徴:
シアーラインの北西側は相対的に高温、南東側は低温である。

エコー分布の特徴:
シアーラインに沿って降水強度5mm/h以上のエコーが分布している。

第60回実技1問4 シアーライン作図

◇ 解説

シアーラインとは、

風向・風速が急変する線状の境界

です。

シアーライン付近では風が収束しやすく、上昇流が発生し、降水雲が発達しやすくなります。

① 気温分布の特徴

図10を見ると、シアーラインを挟んで気温分布に明瞭な差があります。

具体的には、

  • 北西側:相対的に高温
  • 南東側:相対的に低温

となっています。

したがって、

北西側は高温、南東側は低温

と整理します。

② エコー分布の特徴

図11のレーダーエコーを見ると、シアーラインに沿って降水エコーが分布しています。

特に、問題では降水強度に触れる必要があるため、

5mm/h以上のエコー

がシアーラインに沿っていることを書きます。

これは、シアーラインに沿った低層収束により、対流性の降水雲が発達していることを示します。

記述式解答のポイント:分布型

どこで:シアーラインの北西側・南東側、シアーラインに沿って

何が起きている:北西側は高温、南東側は低温、シアーラインに沿って5mm/h以上のエコーが分布している

つまずきポイント

シアーラインの記述では、

  • どちら側が高温か
  • どちら側が低温か
  • エコーが何mm/h以上か

を具体的に書くことが重要です。

「降水エコーがある」だけでは弱い答案になります。

■ 問4(1)まとめ

  • シアーライン北西側は高温
  • シアーライン南東側は低温
  • シアーラインに沿って5mm/h以上のエコー
  • シアーラインは低層収束・降水強化と関係する

■ 問4(2) シアーライン通過時刻・気象変化・雪水比

問題の要点

高田の時系列図から、シアーライン通過時刻、通過前後の気象変化、雪水比を読み取る問題です。

模範解答

① シアーライン通過時刻:3時

② 最も適切な文章:

理由:
風向が北西から南よりに変化し、気温が下降、降雪が強まった後も、風は南よりで気温が低く、強めの降雪が続いた。

③ 雪水比:0.8

◇ 解説

① シアーライン通過時刻

図12の高田における気象要素の時系列を見ると、8日3時ごろに風向が大きく変化しています。

具体的には、

北西 → 南より

へ変化しています。

シアーライン通過時には風向が急変するため、この時刻を通過時刻と判断します。

したがって、シアーライン通過時刻は3時です。

② 通過後の気象変化

シアーライン通過後、高田では、

  • 風向が南よりに変化
  • 気温が下降
  • 降雪が強まる
  • その後も南よりの風が継続
  • 気温が低いまま強めの降雪が続く

という経過をたどりました。

したがって、最も適切な文章はです。

記述式解答のポイント:時間変化型

どこで:高田で

いつ:3時ごろのシアーライン通過後

何が起きている:風向が北西から南よりに変化し、気温が低下、降雪が強まった

受験生が混乱しやすいポイント

「南よりの風=暖かい」と単純に考えると間違えます。

今回のケースでは、南よりの風に変化した後も気温は低く、強い降雪が続いています。

時系列問題では、風向だけでなく、

  • 気温
  • 降雪量
  • 風向の持続

をセットで確認しましょう。

③ 雪水比の計算

雪水比とは、

降雪量(cm) ÷ 降水量(mm)

で求めます。

3時〜9時の6時間で、

  • 降水量:21mm
  • 降雪量:17cm

でした。

したがって、

17 ÷ 21 ≒ 0.81

となります。

小数第1位で答えると、

0.8

です。

計算でつまずきやすいポイント

雪水比は、

降雪量 ÷ 降水量

です。

逆にして「降水量÷降雪量」にしないよう注意しましょう。

■ 問4(2)まとめ

  • シアーライン通過は3時
  • 風向が北西から南よりへ変化
  • 気温低下と降雪強化が起きた
  • 雪水比は17÷21≒0.8

■ 問4(3) 3時間降雪量と大雪警報基準

問題の要点

メソモデルの3時間降水量予想と雪水比0.8を用いて、3時間降雪量を求め、大雪警報基準に達する時間帯を判断する問題です。

模範解答

第60回実技1問4 降雪量計算表

昼過ぎ

◇ 解説

この問題では、まずメソモデルの3時間降水量予想を読み取ります。

上越市付近の3時間降水量は、

  • 9時〜12時:20mm
  • 12時〜15時:30mm
  • 15時〜18時:10mm
  • 18時〜21時:10mm

です。

ここに、問4(2)で求めた雪水比0.8をかけます。

すると、3時間降雪量は、

  • 9時〜12時:20 × 0.8 = 16cm
  • 12時〜15時:30 × 0.8 = 24cm
  • 15時〜18時:10 × 0.8 = 8cm
  • 18時〜21時:10 × 0.8 = 8cm

となります。

大雪警報基準の判定

上越市の大雪警報基準は、

6時間降雪量30cm以上

です。

連続する2つの3時間降雪量を合計します。

  • 9時〜15時:16cm + 24cm = 40cm
  • 12時〜18時:24cm + 8cm = 32cm
  • 15時〜21時:8cm + 8cm = 16cm

このうち、最初に30cm以上となるのは、

9時〜15時

です。

気象庁の時間細分では、この時間帯は昼過ぎに該当します。

つまずきポイント

3時間降雪量だけで警報基準を判断しないようにしましょう。

今回の基準は、

6時間降雪量

です。

そのため、3時間値を2区間分足す必要があります。

■ 問4 全体まとめ

  • シアーライン北西側は高温、南東側は低温
  • シアーラインに沿って5mm/h以上のエコーが分布
  • 高田では3時にシアーライン通過
  • 通過後は気温低下・降雪強化
  • 雪水比=降雪量÷降水量
  • 雪水比は17÷21≒0.8
  • 6時間降雪量30cm以上で大雪警報基準
  • 最初に基準に達するのは昼過ぎ

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第60回 気象予報士試験 実技1 問4の解説でした!

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