【第59回 気象予報士試験 実技2】問3を徹底解説|対流不安定・雲頂高度・地形性降水・防災気象情報
こんにちは!今回は第59回 気象予報士試験 実技2 問3を解説します!
今回の問3では、日本海側の降水雲・大気の安定度・地形性降水・警報注意報がテーマです。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問3(1) 日本海側の帯状雲と大気の鉛直構造
模範解答
1000hPa:相当温位 285K、湿数 4℃(5℃)
750hPa:相当温位 283K、湿数 1℃(2℃)
安定性:対流不安定
鉛直流:850hPa付近で上昇流が最大となり、700hPa付近で弱い下降流となる。
温度移流:北側では上方に向かって風向が西北西から西南西へ反時計回りに変化しており、寒気移流がある。
◇ 解説
1000hPaと750hPaを比べると、上層の750hPaの方が相当温位が低くなっています。
下層より上層の相当温位が低い
これは、空気を持ち上げると対流が起こりやすい状態、つまり対流不安定です。
つまずきポイント
「相当温位が高い=不安定」ではありません。大切なのは上下の比較です。
記述式解答のポイント:構造型
どこで:北緯38.4°付近の1000〜750hPaで
なぜ:上層ほど相当温位が低いため
何が起きている:対流不安定となっている
■ 問3(2) 輪島の状態曲線と雲頂高度
模範解答
浮力がなくなる高度:660hPa(640hPa)
雲頂の気温:-19℃(-18〜-20℃)
690〜430hPaの安定性:安定
理由:気温減率が湿潤断熱減率より小さいため。
◇ 解説
地上の空気塊を加熱して7℃にした状態で持ち上げると、空気塊はある高度まで上昇します。
その空気塊の温度が周囲の気温と等しくなり、浮力がなくなる高度が660hPa付近です。
この高度を対流雲の雲頂とみなすと、雲頂気温は-19℃となります。
また、690〜430hPaでは気温減率が湿潤断熱減率より小さいため、空気塊を持ち上げても周囲より冷たくなりやすく、成層は安定と判断します。
超重要
「気温減率が湿潤断熱減率より小さい」場合は安定です。
■ 問3(3) 地形性降水と山の安定度
模範解答
領域A:山bより標高の高い山aの西側で降水量が多く、山aより東側は降水がない。
領域B:山cのすぐ西側から山頂付近にかけて降水量が多いが、山cよりも高い山dにかけても弱い降水がある。
山a:ほぼ中立
山b:対流不安定
山c:安定
山d:ほぼ中立
◇ 解説
領域Aでは、標高の高い山aの西側で降水量が多く、山を越えた東側では降水がほとんどありません。
これは、湿った空気が山の西側斜面で強制上昇し、風上側で降水が強まったためです。
一方、領域Bでは、山cの西側から山頂付近で降水量が多く、さらに山dにかけても弱い降水が続いています。
これは、地形による強制上昇に加えて、大気の安定度の違いにより、降水域の広がり方が変わっているためです。
記述式解答のポイント:分布型・メカニズム型
どこで:山の西側斜面から山頂付近で
なぜ:湿った空気が地形により強制上昇するため
何が起きている:風上側を中心に降水量が多くなっている
つまずきポイント
地形性降水では、単に「高い山ほど雨が多い」と考えるのは危険です。
風向、風上・風下、大気の安定度をセットで見ましょう。
■ 問3(4) 北日本で発表されるおそれのある警報・注意報
模範解答
波浪、暴風雪(風雪)、雷
※そのほか、着雪(着氷)、低温、なだれ、高潮などから3つでも可。
◇ 解説
24時間後から36時間後にかけて、北日本では冬型の気圧配置が強まり、強い風や雪、発達した対流雲が予想されます。
そのため、海上では波浪、陸上では暴風雪・風雪に注意が必要です。
また、寒気を伴う対流雲が発達するため、雷にも注意が必要です。
■ 問3 全体まとめ
- 1000hPaと750hPaの相当温位差から対流不安定を判断する
- 850hPa付近で上昇流が最大、700hPa付近で弱い下降流
- 輪島の雲頂高度は660hPa付近、雲頂気温は-19℃
- 690〜430hPaは安定
- 地形性降水は風上側・山頂付近で強まりやすい
- 山ごとの安定度の違いも降水分布に影響する
- 北日本では波浪・暴風雪・雷などに注意
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第59回 気象予報士試験 実技2 問3の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
