【第65回 気象予報士試験 一般知識】問14 気象観測の届出制度をわかりやすく解説
第65回気象予報士試験 一般知識 問14の解説です。今回は、気象庁長官への届出が必要となる気象観測について整理します。
法規分野では、
- 届出が必要な観測
- 届出が不要な観測
- 観測目的の違い
が頻繁に問われます。
特にこの問題は、
誰のために観測するのか
観測結果を誰に提供するのか
を整理できれば解きやすい問題です。
法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください!
⇒ 【講義】一般科目 気象法規 – 独学資格塾
この問題で重要なのは、次の3点です。
- 自分自身の業務のための観測は届出不要
- 学術研究目的の観測も届出不要
- 観測成果を一般へ提供する場合は届出対象になる
法規問題では、
観測すること
ではなく、
観測成果を一般へ提供すること
がポイントになります。
■ 問題文
気象庁以外の者が行う気象観測の届出について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) 農園で果樹の管理のために農園内の苗木の間に温度計を設置した場合は、その農園の運営者は温度計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。
(b) 学会に発表する論文に掲載するデータを得るために大学が風速計を設置した場合は、その大学は風速計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。
(c) 遊園地を所有する法人が、同園のホームページで観測データを公表するために園内に風速計を設置した場合は、その法人は風速計の設置について気象庁長官に届け出なければならない。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 誤 |
| ② | 正 | 誤 | 正 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 正 |
■ 解答
⑤
■ 解き方の方針
この問題では、
- 農業利用
- 学術研究利用
- 一般向け情報提供
の違いを理解することが重要です。
気象業務法の届出制度は、
観測結果を社会へ提供する観測
を対象としています。
そのため、内部利用や研究利用は基本的に届出対象になりません。
■ (a) 農園の温度計
(a)は誤りです。
農園で果樹管理のために温度計を設置する目的は、自らの農業経営のためです。
観測結果を一般へ提供することを目的としていません。
そのため、気象観測の届出対象にはなりません。
ここがポイント!
農家が霜害対策や果樹管理のために温度を測ることは日常的に行われています。
しかし、
自分で使う観測
なので届出は不要です。
■ (b) 大学の研究用風速計
(b)は誤りです。
大学が学術研究や論文作成のために風速計を設置する場合、その目的は研究活動です。
研究成果は論文として公表されることがありますが、気象業務法の届出制度が想定する一般向け気象情報の提供とは異なります。
したがって、届出は不要です。
受験生がつまずきやすいポイント
「論文で公表するなら一般公開では?」と考えてしまうことがあります。
しかし、ここで重要なのは、
研究目的か
一般向け情報提供目的か
です。
研究目的の観測は届出対象ではありません。
■ (c) 遊園地ホームページでの公開
(c)は正しいです。
遊園地がホームページ上で風速などの観測データを公開する場合、不特定多数の利用者へ情報提供することになります。
このような観測は届出制度の対象です。
したがって、風速計の設置について気象庁長官への届出が必要になります。
ここがポイント!
今回の問題では、
一般公開するかどうか
が最大の判断基準です。
ホームページで公開する場合は、多くの利用者が利用するため届出対象になります。
■ 超重要!届出が必要かどうかの見分け方
試験で頻出の整理方法
| 観測目的 | 届出 |
|---|---|
| 農業・業務内部利用 | 不要 |
| 研究・論文作成 | 不要 |
| 一般向け情報提供 | 必要 |
法規問題では、
観測するかどうかではなく
誰に提供するか
で判断すると解きやすくなります。
■ 選択肢の確認
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 誤 | 農園内部で利用する観測であり届出不要 |
| (b) | 誤 | 研究目的の観測であり届出不要 |
| (c) | 正 | ホームページで一般へ公開するため届出対象 |
■ まとめ
- (a) 誤:農園内で利用する観測は届出不要
- (b) 誤:研究目的の観測は届出不要
- (c) 正:一般向けに観測データを公開する場合は届出対象
したがって、正しい組み合わせは⑤です。
この問題で必ず押さえたいこと
気象観測の届出制度では、
内部利用・研究利用 → 不要
一般向け提供 → 必要
という区別が非常に重要です。
観測機器の種類ではなく、
観測成果を誰が利用するのか
に注目して判断しましょう。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第65回 一般知識 問14の解説でした!
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