【第59回 気象予報士試験 一般知識】問14 気象庁の予報・警報と伝達義務をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第59回気象予報士試験 一般知識 問14を解説します!
法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規
この問題は、気象業務法に基づく気象庁の予報・警報と、警報事項の伝達について問う法規問題です。
ポイントは、「しなければならない」なのか「することができる」なのかを正確に読むことです。 法規問題では、この表現の違いがそのまま正誤を分けます。
この問題で重要なポイント
- 気象庁は、一般の利用に適合する予報・警報をしなければならない
- 対象には、気象・地象・津波・高潮・波浪・洪水が含まれる
- 航空機・船舶の利用に適合する予報・警報も「しなければならない」
- 「することができる」は任意表現なので注意
- 都道府県の機関は、警報事項を関係市町村長に通知するよう努めなければならない
- NHKは、通知された警報事項を直ちに放送しなければならない
■ 問題文
気象業務法に基づき気象庁が行う予報および警報(ただし、特別警報を除く)について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)気象庁は、気象、地象(地震にあっては地震動に限る)、津波、高潮、波浪及び洪水についての一般の利用に適合する予報及び警報をしなければならない。
(b)気象庁は、気象、地象(地震にあっては地震動に限る)、津波、高潮及び波浪についての航空機及び船舶の利用に適合する予報及び警報をすることができる。
(c)都道府県の機関は、気象庁から通知された警報事項を、直ちに関係市町村長に通知するように努めなければならない。
(d)日本放送協会の機関は、気象庁から通知された警報事項を、直ちに放送しなければならない。
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) | (d) |
|---|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 正 | 正 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
■ 解答
②
(a)正
(b)誤
(c)正
(d)正
■ 解き方の方針
この問題は、内容そのものよりも、法規特有の表現に注意します。
しなければならない
↓
義務
することができる
↓
任意
法規問題では
↓
この違いが正誤を分ける
特に(b)は、内容としては気象庁が航空機・船舶向けの予報・警報を行うこと自体は正しそうに見えます。 しかし、問題文は「することができる」としており、義務規定ではないように書かれているため誤りです。
■ (a)一般の利用に適合する予報・警報をしなければならないか
(a)は、気象庁が、気象・地象・津波・高潮・波浪・洪水について、一般の利用に適合する予報及び警報をしなければならないと述べています。
これは正しいです。
気象庁は、国民一般の利用に適合する予報や警報を行う役割を担っています。 対象には、気象だけでなく、地象、津波、高潮、波浪、洪水も含まれます。
一般の利用に適合する予報・警報
気象
地象
津波
高潮
波浪
洪水
↓
一般の利用に適合する予報・警報を行う
したがって、(a)は正しいです。
■ (b)航空機・船舶向けの予報・警報は「することができる」か
(b)は、気象庁が、航空機及び船舶の利用に適合する予報及び警報をすることができると述べています。
これは誤りです。
航空機や船舶の安全な運航には、気象・津波・高潮・波浪などの情報が非常に重要です。 そのため、気象庁は航空機及び船舶の利用に適合する予報及び警報を行います。
ただし、ここでの法規上の表現は「することができる」ではなく、しなければならないです。
ここがこの問題のひっかけです
することができる
↓
やってもよい
任意のニュアンス
しなければならない
↓
必ず行う義務
法規問題では、内容がそれっぽくても、義務表現が任意表現に変えられていると誤りになります。
したがって、(b)は誤りです。
■ (c)都道府県は警報事項を市町村長に通知するよう努めるか
(c)は、都道府県の機関は、気象庁から通知された警報事項を、直ちに関係市町村長に通知するように努めなければならないと述べています。
これは正しいです。
気象庁から通知された警報事項は、防災対応に関係する重要な情報です。 そのため、都道府県の機関は、関係市町村長に通知するよう努めなければなりません。
警報事項の流れ
気象庁
↓
都道府県の機関
↓
関係市町村長
ここでは「通知しなければならない」ではなく、通知するように努めなければならないという表現です。 法規問題では、この「努めなければならない」もそのまま押さえておきたいポイントです。
したがって、(c)は正しいです。
■ (d)NHKは警報事項を直ちに放送しなければならないか
(d)は、日本放送協会の機関は、気象庁から通知された警報事項を、直ちに放送しなければならないと述べています。
これは正しいです。
警報事項は、生命や財産を守るために迅速に広く伝えられる必要があります。 そのため、日本放送協会、つまりNHKの機関は、通知された警報事項を直ちに放送しなければなりません。
NHKの役割
気象庁から警報事項の通知
↓
NHKの機関
↓
直ちに放送
したがって、(d)は正しいです。
■ 選択肢確認表
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 気象庁は、気象・地象・津波・高潮・波浪・洪水について、一般の利用に適合する予報・警報をしなければならない |
| (b) | 誤 | 航空機・船舶向けの予報・警報は「することができる」ではなく「しなければならない」 |
| (c) | 正 | 都道府県の機関は、警報事項を関係市町村長に通知するよう努めなければならない |
| (d) | 正 | NHKの機関は、通知された警報事項を直ちに放送しなければならない |
以上より、正しい組み合わせは②です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. (b)を内容だけ見て正しいと判断してしまう
航空機・船舶向けの予報・警報を気象庁が行うこと自体は正しそうに見えます。
しかし、この問題では「することができる」という表現が誤りです。 正しくは義務規定として「しなければならない」です。
2. 「できる」と「しなければならない」の違いを軽く見る
法規問題では、語尾がとても重要です。
できる
↓
任意
しなければならない
↓
義務
この違いだけで正誤が変わります。
3. 地象の範囲を読み飛ばす
問題文では、地象について「地震にあっては地震動に限る」と書かれています。
法規問題では、このようなかっこ書きも含めて条文に近い表現になっていることがあります。 読み飛ばさないようにしましょう。
4. 都道府県の機関の表現を間違える
(c)は「通知するように努めなければならない」という努力義務の表現です。
「必ず通知しなければならない」とは表現が異なるため、法規ではそのまま覚えておくと安心です。
5. NHKの放送義務を忘れる
日本放送協会の機関は、気象庁から通知された警報事項を直ちに放送しなければなりません。
警報事項の伝達ルートとして、気象庁、都道府県、市町村、NHKの役割を整理しておきましょう。
■ まとめ
- 気象庁は、一般の利用に適合する予報・警報をしなければならない
- 航空機・船舶向けの予報・警報も「することができる」ではなく「しなければならない」
- 都道府県の機関は、警報事項を関係市町村長に通知するよう努めなければならない
- NHKの機関は、警報事項を直ちに放送しなければならない
- したがって、(a)(c)(d)は正、(b)は誤
正解は②
(a)正
(b)誤
(c)正
(d)正
この問題で必ず押さえたいこと
一般向け予報・警報
↓
気象庁はしなければならない
航空機・船舶向け予報・警報
↓
できる、ではなく
しなければならない
警報事項
↓
都道府県は市町村長へ通知するよう努める
NHK
↓
直ちに放送しなければならない
この問題では、 「できる」と「しなければならない」の違い を見抜くことが最重要です。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第59回 一般知識 問14の解説でした!
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