【第59回 気象予報士試験 一般知識】問15 災害対策基本法の対策本部と異常現象の通報先をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第59回気象予報士試験 一般知識 問15を解説します!
法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規
この問題は、災害対策基本法に定める災害対策本部や、異常現象を発見した場合の通報先について問う問題です。
ポイントは、(a)〜(c)の災害対策本部に関する記述は正しい一方で、(d)の通報先に「気象台長」は含まれないという点です。
この問題で重要なポイント
- 非常災害時には、内閣総理大臣が非常災害対策本部を設置できる
- 都道府県知事は、都道府県災害対策本部を設置できる
- 市町村長は、市町村現地災害対策本部を置くことができる
- 異常現象を発見した者には通報義務がある
- 通報先は、市町村長または警察官・海上保安官
- 気象台長は、直接の通報先としては含まれない
- 法規問題では「ありそうな通報先」に注意する
■ 問題文
災害対策基本法に定める対策について述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。
(a)内閣総理大臣は、非常災害が発生した場合において、当該災害の規模その他の状況により当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、臨時に内閣府に非常災害対策本部を設置することができる。
(b)都道府県知事は、都道府県の地域について災害が発生した場合において、防災の推進を図るため必要があると認めるときは、都道府県地域防災計画の定めるところにより、都道府県災害対策本部を設置することができる。
(c)市町村長は、市町村地域防災計画の定めるところにより、災害地で市町村災害対策本部の事務の一部を行う組織として、市町村現地災害対策本部を置くことができる。
(d)災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、遅滞なく、その旨を市町村長又は気象台長若しくは警察官に通報しなければならない。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| ① | (a)のみ誤り |
| ② | (b)のみ誤り |
| ③ | (c)のみ誤り |
| ④ | (d)のみ誤り |
| ⑤ | すべて正しい |
■ 解答
④
(d)のみ誤り
■ 解き方の方針
この問題は、(a)〜(c)の対策本部の設置主体と、(d)の異常現象の通報先を分けて考えます。
非常災害対策本部
↓
内閣総理大臣
都道府県災害対策本部
↓
都道府県知事
市町村現地災害対策本部
↓
市町村長
異常現象の通報先
↓
市町村長
警察官
海上保安官
気象台長ではない
法規問題では、「気象の試験だから気象台長が入りそう」と思わせる選択肢が出ます。 しかし、災害対策基本法上の通報先を正確に押さえる必要があります。
■ (a)内閣総理大臣は非常災害対策本部を設置できるか
(a)は、内閣総理大臣が、非常災害時に特別の必要があると認めるとき、臨時に内閣府に非常災害対策本部を設置することができる、という内容です。
これは正しいです。
非常災害が発生し、災害応急対策を推進するため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣は非常災害対策本部を設置することができます。
非常災害対策本部
非常災害が発生
↓
特別の必要がある
↓
内閣総理大臣
↓
非常災害対策本部を設置できる
したがって、(a)は正しいです。
■ (b)都道府県知事は都道府県災害対策本部を設置できるか
(b)は、都道府県知事が、都道府県の地域について災害が発生した場合、防災の推進を図るため必要があると認めるとき、都道府県災害対策本部を設置できる、という内容です。
これは正しいです。
都道府県レベルで災害対応を行うため、都道府県知事は、必要があると認めるとき、都道府県地域防災計画の定めるところにより、都道府県災害対策本部を設置することができます。
都道府県災害対策本部
都道府県の地域で災害発生
↓
防災推進のため必要
↓
都道府県知事
↓
都道府県災害対策本部を設置できる
したがって、(b)は正しいです。
■ (c)市町村長は市町村現地災害対策本部を置くことができるか
(c)は、市町村長が、市町村地域防災計画の定めるところにより、災害地で市町村災害対策本部の事務の一部を行う組織として、市町村現地災害対策本部を置くことができる、という内容です。
これは正しいです。
災害現場に近い場所で迅速に対応するため、市町村長は、市町村現地災害対策本部を置くことができます。
市町村現地災害対策本部
災害地で対応が必要
↓
市町村災害対策本部の事務の一部を行う
↓
市町村長
↓
市町村現地災害対策本部を置くことができる
したがって、(c)は正しいです。
■ (d)異常現象の通報先に気象台長は含まれるか
(d)は、災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、遅滞なく、その旨を市町村長又は気象台長若しくは警察官に通報しなければならない、という内容です。
これは誤りです。
異常な現象を発見した者の通報先は、市町村長または警察官もしくは海上保安官です。
問題文では「気象台長」となっていますが、これは通報先として正しくありません。
ここがこの問題のひっかけです
異常現象を発見
↓
通報先は
市町村長
警察官
海上保安官
気象台長ではない
気象に関係する異常現象なので、気象台長に通報するように見えます。 しかし、災害対策基本法上の直接の通報先としては「気象台長」ではありません。
したがって、(d)は誤りです。
■ 選択肢確認表
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 内閣総理大臣は、特別の必要があると認めるとき、非常災害対策本部を設置することができる |
| (b) | 正 | 都道府県知事は、必要があると認めるとき、都道府県災害対策本部を設置することができる |
| (c) | 正 | 市町村長は、市町村現地災害対策本部を置くことができる |
| (d) | 誤 | 異常現象の通報先は、市町村長または警察官・海上保安官であり、気象台長ではない |
以上より、正しい選択肢は④です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. 気象の試験なので「気象台長」を正しいと思ってしまう
異常現象という言葉から、気象台長へ通報するのが自然に見えるかもしれません。
しかし、災害対策基本法の通報先としては、市町村長または警察官・海上保安官です。 ここが最大のひっかけです。
2. 対策本部の設置主体を混同する
非常災害対策本部は内閣総理大臣、都道府県災害対策本部は都道府県知事、市町村現地災害対策本部は市町村長です。
どのレベルの本部なのかを、国・都道府県・市町村で整理しましょう。
3. 「設置することができる」を誤りだと思ってしまう
法規問題では「できる」が誤りになることもありますが、この問題の(a)〜(c)では「設置することができる」が正しい表現です。
前問のように「しなければならない」との違いを見る問題もありますが、今回は条文上「できる」が正しい箇所です。
4. 市町村現地災害対策本部を知らずに迷う
市町村災害対策本部だけでなく、災害地でその事務の一部を行う市町村現地災害対策本部を置くことができます。
「現地」という言葉に引っかからず、災害地で対応する組織として押さえましょう。
5. 「すべて正しい」を選びそうになる
(a)〜(c)がいずれも正しく、(d)も一見もっともらしいため、⑤を選びたくなる問題です。
しかし、(d)の通報先に気象台長が入っている点が誤りです。 最後まで通報先を丁寧に確認しましょう。
■ まとめ
- 内閣総理大臣は、非常災害対策本部を設置することができる
- 都道府県知事は、都道府県災害対策本部を設置することができる
- 市町村長は、市町村現地災害対策本部を置くことができる
- 異常現象を発見した者の通報先は、市町村長または警察官・海上保安官
- 気象台長は、直接の通報先としては含まれない
- したがって、(d)のみ誤り
正解は④
(d)のみ誤り
この問題で必ず押さえたいこと
非常災害対策本部
↓
内閣総理大臣
都道府県災害対策本部
↓
都道府県知事
市町村現地災害対策本部
↓
市町村長
異常現象の通報先
↓
市町村長
警察官
海上保安官
気象台長ではない
この問題では、 対策本部の設置主体と 異常現象の通報先 を分けて覚えることが大切です。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第59回 一般知識 問15の解説でした!
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