【第59回 気象予報士試験 一般知識】問12 予報業務許可の要件をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第59回気象予報士試験 一般知識 問12を解説します!

法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規

この問題は、気象庁長官の許可を受けて予報業務を行う場合に、どのような施設や要員が必要とされるかを問う問題です。

ポイントは、予報資料の収集・解析と、気象庁の警報事項を迅速に受ける体制です。 一方で、利用者へ予報を伝達する施設・要員までが許可要件として問われているわけではありません。

この問題で重要なポイント

  • 予報業務には、予報資料を収集する施設・要員が必要
  • 予報業務には、予報資料を解析する施設・要員が必要
  • 気象庁の警報事項を迅速に受ける施設・要員も必要
  • 「警報を自分で発表する」のではなく、気象庁の警報事項を受ける体制が必要
  • 利用者へ予報を迅速に伝達する施設・要員は、許可要件としては問われていない
  • 法規問題では「それっぽい実務上必要そうなもの」に注意する

■ 問題文

気象の予報業務を行おうとする者が気象庁長官の許可を受けようとする際に、要件として求められる項目(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)当該予報業務に必要な予報資料の収集の施設と要員。

(b)当該予報業務に必要な予報資料の解析の施設と要員。

(c)当該予報業務の目的および範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受け取ることができる施設と要員。

(d)当該予報業務における予報を迅速に利用者に伝達する施設と要員。

選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a)正
(b)正
(c)正
(d)誤

■ 解き方の方針

この問題は、「予報業務を行うための許可基準」として、何が必要とされているかを問う問題です。

予報を作るには

資料を集める

資料を解析する

気象庁の警報事項を受ける

ここまでは許可要件

利用者へ予報を伝える施設・要員

実務上は大切
でも
この許可要件としては入っていない

法規問題では、「実務上ありそう」ではなく、法律上の要件として求められているかで判断します。

■ (a)予報資料の収集の施設と要員は必要か

(a)は、当該予報業務に必要な予報資料の収集の施設と要員について述べています。

これは正しいです。

予報業務を行うには、まず予報に必要な資料を集める必要があります。 観測資料や各種予報資料を適切に収集できなければ、予報業務を適確に行うことはできません。

予報業務の最初の段階

予報資料を集める

資料を整理する

予報の土台ができる

したがって、予報資料の収集に必要な施設と要員は、許可を受けるうえで必要です。

よって、(a)は正しいです。

■ (b)予報資料の解析の施設と要員は必要か

(b)は、当該予報業務に必要な予報資料の解析の施設と要員について述べています。

これも正しいです。

予報資料を集めるだけでは、予報は作れません。 集めた資料を解析し、予報を作成するための判断を行う必要があります。

収集と解析はセット

予報資料の収集

材料を集める

予報資料の解析

材料を読み解く

予報を作る

そのため、予報資料の解析に必要な施設と要員も、許可要件として求められます。

よって、(b)は正しいです。

■ (c)気象庁の警報事項を迅速に受け取る施設と要員は必要か

(c)は、当該予報業務の目的および範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受け取ることができる施設と要員について述べています。

これは正しいです。

予報業務を行う者は、対象とする予報業務の目的・範囲に関係する気象庁の警報事項を迅速に受ける体制を備えている必要があります。

ここでの注意点

気象庁の警報事項を

迅速に受け取る

体制が必要

ここで問われているのは、民間事業者が警報を自由に発表するという話ではありません。 気象庁の警報事項を迅速に受ける体制が要件です。

したがって、(c)は正しいです。

■ (d)予報を迅速に利用者へ伝達する施設と要員は必要か

(d)は、当該予報業務における予報を迅速に利用者に伝達する施設と要員について述べています。

これは誤りです。

一見すると、利用者に予報を迅速に伝える体制は必要そうに見えます。 実務上はもちろん重要です。

しかし、気象庁長官の許可を受ける際の要件として問われているのは、予報資料の収集・解析、そして気象庁の警報事項を迅速に受ける体制です。

法規問題でよくあるひっかけ

実務上は大切そう

だから法律上も要件?

とは限らない

法規では、「ありそう」ではなく、条文上の要件かどうかを確認するのが大切です。

利用者へ予報を迅速に伝達する施設と要員は、この許可要件としては求められていません。

したがって、(d)は誤りです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 予報業務に必要な予報資料を収集する施設と要員は許可要件である
(b) 予報業務に必要な予報資料を解析する施設と要員も許可要件である
(c) 予報業務の目的・範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受ける施設と要員は必要である
(d) 利用者へ予報を迅速に伝達する施設と要員は、この許可要件としては求められていない

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 「収集」と「解析」のどちらかだけだと思ってしまう

予報業務では、資料を集めるだけでも、解析するだけでも不十分です。

予報資料の収集解析の両方について、施設と要員が必要です。

2. 警報事項の扱いを誤解する

(c)は、警報を自分で出すという話ではありません。

気象庁の警報事項を迅速に受け取ることができる施設と要員が必要、という意味です。

3. (d)を「実務上必要そう」と考えて正にしてしまう

利用者へ予報を伝える体制は、実務上はもちろん重要です。

しかし、この問題は気象庁長官の許可要件を問うています。 実務上大切かどうかではなく、許可要件に含まれるかで判断します。

4. 「迅速に」という言葉だけで判断してしまう

(c)にも(d)にも「迅速に」という言葉が出てきます。

しかし、(c)は気象庁の警報事項を受け取る話、(d)は利用者へ予報を伝達する話です。 同じ「迅速に」でも、法律上の扱いが違います。

5. 法規問題を常識で解こうとしてしまう

法規問題では、常識的に必要そうかどうかではなく、条文上求められているかが重要です。

「ありそう」「必要そう」と感じる選択肢ほど、ひっかけの可能性があります。

■ まとめ

  • 予報資料の収集の施設と要員は必要
  • 予報資料の解析の施設と要員も必要
  • 気象庁の警報事項を迅速に受ける施設と要員も必要
  • 利用者へ予報を迅速に伝達する施設と要員は、この許可要件としては含まれない
  • したがって、(a)(b)(c)は正、(d)は誤

正解は①

(a)正
(b)正
(c)正
(d)誤

この問題で必ず押さえたいこと

予報業務の許可要件

予報資料の収集

予報資料の解析

気象庁の警報事項を迅速に受ける体制

一方で

利用者へ予報を迅速に伝達する施設・要員

この許可要件としては問われていない

この問題では、 「気象庁から受ける体制」と「利用者へ伝える体制」を区別する ことが大切です。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第59回 一般知識 問12の解説でした!

訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!