【第58回 気象予報士試験 一般知識】問14 気象業務法の罰則が適用される事例をわかりやすく解説

法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規

こんにちは!今回は第58回気象予報士試験 一般知識 問14を解説します!

この問題は、気象業務法に規定される罰則が適用される事例について問う法規問題です。

ポイントは、違反であること罰則があることを分けて考えることです。

この問題で重要なポイント

  • 気象庁の観測施設を無断で移設すると罰則の対象になる
  • 予報業務に使用する気象測器は、原則として検定済みである必要がある
  • 検定を受けていない気圧計を予報業務に用いると罰則の対象になる
  • 観測成果を一般に公表する場合には届出が必要
  • ただし届出をしない場合でも、罰則が適用されないケースがある
  • 法規問題では「義務違反」と「罰則あり」を区別する
  • すべての違反に罰金・懲役があるわけではない

■ 問題文

気象業務法に規定する罰則が適用される事例について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)気象庁が観測を行っている雨量計を、土地の所有者が無断で別な場所に移設した。

(b)予報業務の許可を受けた事業者が、検定を受けていない気圧計を用いて、当該予報業務のための気象観測を行っていた。

(c)遊園地の運営者が、検定済の気象測器を遊園地内に設置し、気温と風向・風速の観測値を最寄り駅に電光掲示した際に、気象庁長官に届け出ていなかった。

選択肢 (a) (b) (c)

■ 解答

(a)正
(b)正
(c)誤

■ 解き方の方針

この問題では、次のように整理すると判断しやすいです。

気象庁の観測施設を無断で動かす

罰則あり

予報業務に未検定の測器を使う

罰則あり

観測成果公表の届出をしていない

届出義務はある

ただし罰則適用事例ではない

法規問題では、「届出が必要か」と「罰則があるか」を分けることが大切です。

■ (a)気象庁の雨量計を無断で移設した場合

(a)は正しいです。

気象庁が観測を行っている雨量計は、気象観測のための重要な施設です。

土地の所有者であっても、無断で別の場所へ移設してよいわけではありません。

気象庁の観測施設を壊したり、移したり、効用を害したりする行為は、気象業務法上の罰則対象になります。

ここが受験生のつまずきポイントです

土地の所有者

自分の土地にある雨量計

勝手に動かしてよい?

ダメ

気象庁が観測している施設である以上、無断移設は罰則の対象になります。

したがって、(a)は正しいです。

■ (b)未検定の気圧計を予報業務に用いた場合

(b)は正しいです。

予報業務の許可を受けた事業者が、その予報業務のために気象観測を行う場合、使用する気象測器には検定が必要です。

検定を受けていない気圧計を用いて、予報業務のための観測を行うことは、罰則の対象になります。

予報業務と測器検定

予報業務のために観測する

観測値が予報に使われる

測器の信頼性が必要

検定済み測器が必要

したがって、(b)は正しいです。

■ (c)観測値を掲示したが届出をしていなかった場合

(c)は誤りです。

遊園地の運営者が、気温や風向・風速の観測値を一般に公表する場合、気象庁長官への届出が必要です。

この点では、届出をしていないこと自体は問題があります。

しかし、この問題は「罰則が適用される事例」かどうかを問うています。

観測成果の公表に関する届出をしていなかった場合は、罰則が適用される事例ではありません。

ここがこの問題の最大のポイントです

届出が必要

届出していない

違反ではある

でも罰則が適用されるとは限らない

法規問題では、義務違反と罰則の有無を分けて判断しましょう。

したがって、(c)は誤りです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 気象庁の観測施設を無断で移設する行為は、罰則の対象となる
(b) 予報業務のために未検定の気圧計を用いることは、罰則の対象となる
(c) 観測成果の公表には届出が必要だが、届出をしないことは罰則適用事例ではない

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 「届出義務がある=罰則あり」と考えてしまう

届出をしなければならない場合でも、必ず罰則があるとは限りません。

この問題では、(c)がまさにそのひっかけです。

2. 土地所有者なら雨量計を動かせると思ってしまう

土地の所有者であっても、気象庁が観測に使用している施設を無断で移設することはできません。

観測施設の効用を害する行為は罰則対象です。

3. 検定済み測器の必要性を軽く見る

予報業務のための観測では、観測値の信頼性が重要です。

そのため、気圧計などの気象測器には検定が求められます。

4. 「検定済み」と「届出済み」を混同する

(c)では測器は検定済みです。

しかし、観測成果を一般に公表するには届出が必要です。

ただし、その届出漏れが罰則対象かどうかは別に判断します。

5. 問題文のテーマを見落とす

この問題は「気象業務法に規定する罰則が適用される事例」を問うています。

単に「法令上正しいか」ではなく、「罰則があるか」を意識して判断しましょう。

■ まとめ

  • 気象庁の観測施設を無断で移設すると罰則の対象になる
  • 予報業務のために未検定の気象測器を用いると罰則の対象になる
  • 観測成果を一般に公表する場合は届出が必要
  • ただし届出漏れは罰則適用事例ではない
  • したがって、(a)正、(b)正、(c)誤

正解は②

(a)正
(b)正
(c)誤

この問題で必ず押さえたいこと

気象庁の観測施設

無断移設

罰則あり

予報業務の観測

未検定の測器を使用

罰則あり

観測成果の公表

届出が必要

届出漏れ

罰則適用事例ではない

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第58回 一般知識 問14の解説でした!

訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!