【気象予報士試験】第11章 気象情報と気象災害の知識|警報・注意報・特別警報・土砂災害警戒情報をゼロから学ぼう!
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【例題】気象警報・注意報・特別警報に関する次の説明のうち、正しいものはどれか。
① 大雨特別警報の発表基準となる中心気圧は、伊勢湾台風級の950hPa以下である
② 土砂災害警戒情報は、大雨警報発表中に都道府県と気象庁が共同で発表する
③ 記録的短時間大雨情報は、どの地域でも1時間100mm以上で発表される
④ 流域雨量指数は、ダムや堰の影響を正確に反映した指標である
目次
- 1. 気象現象と災害の関係
- 2. 大雨・洪水災害(浸水害・土砂災害)
- 3. 強風・暴風・突風(ダウンバースト・竜巻)
- 4. 大雪・高波・高潮・雷・その他の現象と災害
- 5. 警報・注意報の種類と基準
- 6. 特別警報
- 7. 土壌雨量指数・流域雨量指数
- 8. 土砂災害警戒情報・記録的短時間大雨情報
- 9. 気象情報の種類(全般・地方・府県)
- 10. 📋 理解チェックテスト(5問)
- 11. 📋 過去問チャレンジ(5問)
1. 気象現象と災害の関係
気象現象ごとに発生し得る災害を反射的にイメージできることが、気象予報士として重要です。
| 気象現象 | 代表的な災害 |
|---|---|
| 大雨 | 低地の浸水・河川の増水・河川のはん濫・洪水・崖崩れ・土石流(100mm以上/数時間) |
| 短時間強雨 | 低地の浸水・河川の増水・崖崩れ |
| 暴風 | 木造家屋の倒壊・樹木の倒木・送電線の断線・看板の飛散・交通障害 |
| 強風 | 交通障害・転倒によるけが・樹木の枝折れ |
| 大雪 | 交通障害・着雪・雪崩・雪による家屋の倒壊・落雪 |
| 高波 | 船舶の転覆や浸水・防波堤の損壊 |
| 高潮 | 浸水・電気系設備の被害 |
| 低温 | 冬季:凍結による被害(水道管の凍結や破裂)、冬季以外:農作物の生育不良 |
| 雷 | 落雷による人的・物的被害 |
| 突風 | 竜巻・ダウンバースト・ガストフロントによる家屋の損壊・飛散物による被害 |
| 融雪 | 河川の増水・融雪洪水 |
| 霧(濃霧) | 交通障害・航空機の有視界飛行不可 |
| 着雪 | 送電線の断線・着雪による落雪 |
| 着氷 | 船体着氷(過冷却水が船体に凍りつく現象) |
| 霜 | 早霜・晩霜による農作物の被害 |
| 雹(ひょう) | 農作物の被害・物的被害 |
2. 大雨・洪水災害(浸水害・土砂災害)
大雨の定義と発生条件
- 明確な量的定義はないが、24時間降水量が100mm以上に達した場合や予想される場合に「大雨」という語句を使う習慣がある。
- 積乱雲が発生しやすい条件:①条件付不安定を満たす気温減率、②対流不安定層(相当温位が上層ほど低下)、③山岳斜面での地形性上昇、④下層の暖湿空気の収束。
浸水害(水害)の種類
- 内水氾濫:大雨により河川が増水し、側溝や支流から雨水が溢れ出す水害。都市化・コンクリート化が進んだ現代で増加傾向。
- 外水氾濫:河川の増水により堤防が決壊または低い箇所から流水が溢れ出す水害。大規模台風・前線時に起きやすい。
- 猛烈な雨(80mm/h以上)や非常に激しい雨(60mm/h以上)が持続すると平地でも冠水が起きる。
- 非常に強い雨(50mm/h以上)では側溝や水路の排水が追いつかず浸水が起きることがある。
- 24時間雨量が200mm以上になると河川のはん濫のおそれが高くなる(ただし、多雨・少雨地帯で異なる)。
土砂災害の種類
- 崖崩れ:急傾斜地(斜面の傾斜角30度以上)で最も起きやすい。短時間強雨でも発生リスクあり。
- 土石流:雨量が100mm〜200mm以上のときにおそれが高まる。火山灰が堆積している場合は数十mmの雨でも発生することがある。
- 地滑り:急傾斜地でないことが多く、崩壊・移動が緩やか。大雨だけでなく長雨でも発生。予報は困難。
- 震度5以上の強い地震後は地盤が緩んでいるため、注意報・警報の基準を暫定的に引き下げることがある。
💡 積雪地帯の融雪・雪崩
- 積雪地帯では気温が10℃以上になると雪解けが顕著になり、河川の増水・融雪洪水が起きる。
- 表層雪崩(新雪雪崩):初冬に頻度が高い。新しい積雪が古い積雪の上を滑り落ちる。
- 全層雪崩:2〜5月に多い。斜面と積雪底面に雪解け水が流れ込み、大規模な崩壊が起きる。
- 積雪が20〜30cmになると交通障害・家屋倒壊・落雪による被害が生じる。
3. 強風・暴風・突風(ダウンバースト・竜巻)
強風・暴風の定義
- 強風:平均風速15m/s以上20m/s未満(これは注意報・警報の基準ではなく定義)
- 暴風:平均風速20m/s以上
- 暴風は木造家屋の倒壊・樹木の倒木・送電線の断線・交通障害をもたらす。
- 強風・暴風は台風・発達した低気圧・冬型気圧配置のときに起きやすい。
突風の種類
- 突風:数分〜数十分の短時間に一時的に風が強まる現象。気象庁の「激しい突風」はF0以上(17〜32m/s・約15秒平均)。
-
ダウンバースト:積乱雲の下の強い下降気流が地表にぶつかり、水平発散して突風が生じる現象。
- マクロバースト:広がり4km以上、最大瞬間風速50m/s程度
- ミクロバースト:広がり4km未満、最大瞬間風速75m/s程度
- ガストフロント(突風前線):積乱雲の冷気が周辺の高温部に流出するときに形成。積乱雲から数十km以上に達することがある。
- 竜巻:スーパーセル型積乱雲のフックエコー付近で発生することが多い。地表付近での強い収束性を持つ。
【重要】被害形跡による判別
ダウンバースト:被害形跡が発散性の分布(中心から外向き)
竜巻:被害形跡が収束性の帯状(両端が反対方向に向いた帯状)
気象庁の職員が被害を解析し、竜巻またはダウンバースト等の原因を特定する。
4. 大雪・高波・高潮・雷・その他の現象と災害
高波
- 有義波高2.5m以上を高波という。
- 強風時は2.5m以上、暴風時では6m以上になることが一般的。
- 高波は面的スケール(数百km以上)で風が強くないと波高は高くならない。突風自体は高波を発生させない。
高潮
- 台風・発達した低気圧・副振動によって海面潮位が異常上昇する現象。
- 伊勢湾台風(1959年)では高潮により5098人が死亡した歴史的大災害。
- 台風接近時に高潮警報が発表されたときは、特に海岸線付近の住民の避難確認が重要。
気温に関する用語
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 真冬日 | 最高気温が0℃未満の日 |
| 冬日 | 最低気温が0℃未満の日 |
| 夏日 | 最高気温が25℃以上30℃未満の日 |
| 真夏日 | 最高気温が30℃以上の日 |
| 熱帯夜 | 最低気温が25℃以上の日 |
| 猛暑日 | 最高気温が35℃以上の日(2007年から新設) |
▲ 気象現象と代表的災害の対応・突風の種類(竜巻・ダウンバースト・ガストフロント)・土砂災害と水害の種類
5. 警報・注意報の種類と基準
警報の種類(7種類)
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 大雨警報 | 大雨による重大な浸水害・土砂災害のおそれ。雨が止んでも継続する場合あり |
| 洪水警報 | 大雨・長雨・融雪により河川増水→重大な洪水災害のおそれ |
| 大雪警報 | 大雪による重大な災害のおそれ |
| 暴風警報 | 暴風による重大な災害のおそれ |
| 暴風雪警報 | 雪を伴う暴風による重大な災害のおそれ(「大雪+暴風」の意味ではない) |
| 波浪警報 | 高波による重大な災害のおそれ(地震による津波とは別) |
| 高潮警報 | 台風・低気圧等による異常な海面上昇による重大な災害のおそれ |
注意報の種類(16種類)
大雨・洪水・大雪・強風・風雪・波浪・高潮・濃霧・雷・乾燥・なだれ・着氷・着雪・融雪・霜・低温の16種類。
警報・注意報の基準(横浜市の例)
| 種類 | 注意報基準 | 警報基準 |
|---|---|---|
| 強風(暴風) | 平均風速 12m/s | 平均風速 25m/s |
| 風雪(暴風雪) | 15m/s、雪を伴う | 65m/s、雪を伴う |
| 大雨(浸水害) | R1≧30mm、土壌雨量指数63以上 | R1≧45mm、土壌雨量指数91以上 |
| 大雪 | 24時間降雪量 5cm | 24時間降雪量 20cm |
| 波浪 | 有義波高 1.5m | 有義波高 3.0m |
| 高潮 | 潮位 1.4m | 潮位 2.3m |
| 濃霧 | 陸上視程100m、海上500m | ― |
💡 警報・注意報に関する重要な知識
- 注意報・警報の基準は地域によって異なる(多雨地帯と少雨地帯で異なる)。
- 火山噴火・強い地震後には、基準を暫定的に引き下げることがある(必ずではなく「必要ならば」)。
- 基準に達することが半日程度先に予報されている場合も、あらかじめ発表される場合がある。
- 警報・注意報は発表から解除まで継続する。内容に変化が生じた場合は更新して再発表する。
- 大雨警報は「浸水害」「土砂災害」「浸水害・土砂災害」の3種の表記パターンがある。
- 二次細分区域が発表単位(原則として市町村等毎、東京23区は区毎)。
- 海岸線から約37km以内(20海里以内)の海域も注意報・警報の発表対象領域。
- 大雨警報・注意報の欄中の「and」は両方満たす必要あり(かつ)、「,」はいずれか満たせばよい(または)。
6. 特別警報
平成25年(2013年)8月30日から運用開始。警報よりはるかに上の階級で、数十年に一度の非常に危険な状況で発表される。
特別警報の対象となる6現象
| 現象 | 発表基準の概要 |
|---|---|
| 大雨 | 数十年に一度の降雨量(台風・集中豪雨)、または伊勢湾台風級の台風・温帯低気圧による大雨 |
| 暴風 | 数十年に一度の強度の台風・同程度の温帯低気圧による暴風 |
| 高潮 | 数十年に一度の強度の台風・同程度の温帯低気圧による高潮 |
| 波浪 | 数十年に一度の強度の台風・同程度の温帯低気圧による高波 |
| 暴風雪 | 数年に一度の強度の台風・同程度の温帯低気圧による雪を伴う暴風 |
| 大雪 | 数十年に一度の降雪量となる大雪 |
大雨特別警報の指標
以下①または②のいずれかを満たし、かつさらに雨が降り続くと予想される場合:
- ①48時間降水量および土壌雨量指数が50年に一度の値以上となった5km格子が、府県程度の広がり内で50格子以上出現。
- ②3時間降水量が150mm以上かつ土壌雨量指数が50年に一度の値以上となった5km格子が、府県程度の広がり内で10格子以上出現。
台風等を要因とする特別警報の指標
- 伊勢湾台風級:中心気圧930hPa以下または最大風速50m/s以上の台風・同程度の温帯低気圧。
- 沖縄・奄美・小笠原諸島については:中心気圧910hPa以下または最大風速60m/s以上。
【重要】津波・火山・地震の特別警報
大津波警報(3m超)・噴火警報(居住地域)・緊急地震速報(震度6弱以上予想)が特別警報に位置づけられる。
ただし、名称に「特別警報」は使用せず、従来の名称で発表する。
7. 土壌雨量指数・流域雨量指数
土壌雨量指数
- 降雨による土砂災害発生の危険性を示す指標で、土壌中に貯まっている雨水の量を示す。
- 解析雨量・降水短時間予報をもとに、5km四方の格子毎に算出。
-
三つのタンクモデルを使用:
第1タンク(地表面流出量)→第2タンク(表層内の流出量)→第3タンク(地下水の流出量) - 土砂災害の危険性は土地の地質・勾配・気候特性等によって異なるため、隣り合う格子の値で危険性を比較することはできない。
- 歴代順位(1位・2位・3位など)に着目することで、地域ごとの差異を考慮して効率よく危険性を判断できる。
- 崖や山のない地域では基準が存在せず、大雨警報(土砂災害)は発表されない。
- 深層崩壊・地滑り・山体崩壊は技術的に予測が困難なため、土壌雨量指数を用いた発表対象外。
流域雨量指数
- 降雨による洪水(河川増水)危険性を示す指標で、流域の雨水の量を示す。
- 解析雨量・降水短時間予報をもとに、5km四方の格子毎に算出。
- タンクモデルで河川への流出過程を、流下過程モデルで河川内の流れを計算。
- 降水のなかった地域でも、上流の雨水が流れ込むことで値が大きくなることがある。
- ダムや堰・水門の影響、河口付近の海の潮汐の影響は含まれない(実際の水位・流量の把握には別途対応が必要)。
- 15km以上の河川流域を対象とし、地質・土地利用(コンクリート等)を考慮して1段階または3段階タンクモデルを使用。
▲ 特別警報の発表基準・土壌雨量指数(タンクモデル)・気象情報の種類まとめ
8. 土砂災害警戒情報・記録的短時間大雨情報
大雨時の情報発表の流れ
- 大雨の可能性が高まる約1日前 → 「大雨に関する気象情報」を発表
- さらに可能性が高まり、災害のおそれがある半日〜数時間前 → 「大雨注意報」を発表
- 重大な災害のおそれがあるとき → 「大雨警報」を発表
- 大雨警報発表中に数年に一度の猛烈な雨を観測・解析したとき → 「記録的短時間大雨情報」を発表
- 大雨警報発表中に土砂災害の危険性がさらに一層高まったとき → 「土砂災害警戒情報」を発表
土砂災害警戒情報
- 都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報。
- 大雨警報発表中に、土石流・急傾斜地崩壊(崖崩れ・山崩れ)の危険性がさらに高まったときに発表。
- 発表対象外:地滑り・深層崩壊・山体崩壊(技術的に予測が困難)。
- 個別の災害発生場所・時間・規模等の特定はできない。
- 発表基準の判断方式:「AND/OR方式」または「連携案方式」。
- 土砂災害警戒情報は市町村または市町村をいくつかに分割した地域を対象に発表。
記録的短時間大雨情報
- 大雨警報発表中に、数年に一度しか発生しないような激しい短時間の大雨を観測・解析した場合に発表。
- 基準は1時間雨量の歴代1位または2位の記録を参考に府県予報区毎に設定。おおむね80〜110mmの範囲(目安は1時間100mm以上)。
- 北日本など少雨地域では相対的に低い基準が設定されている(全国一律の基準ではない)。
- 府県気象情報の一種として発表する。
9. 気象情報の種類(全般・地方・府県)
- 気象情報は警報や注意報が発表される24時間〜2、3日前に発表され、警報・注意報の内容を補完して現象の経過・予想・防災上の注意点を解説する。
- 対象現象:大雨・大雪・暴風・暴風雪・高波・低気圧・雷・降ひょう・少雨・長雨・潮位・強い冬型の気圧配置・黄砂など。複合して発表することもある。
| 種類 | 対象範囲 |
|---|---|
| 全般気象情報 | 日本全国を対象 |
| 地方気象情報 | 全国を11に分けた地方予報区を対象 |
| 府県気象情報 | 都府県単位(一部は道県をさらに分割)を対象 |
💡 指定河川洪水情報のレベル
| レベル | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 水防団待機水位 | 水防団が待機を開始する水位 |
| 2 | はん濫注意水位 | はん濫注意情報(洪水注意報)を発表 |
| 3 | 避難判断水位 | はん濫警戒情報→市町村が避難勧告等を判断・発令 |
| 4 | はん濫危険水位 | はん濫危険情報(洪水警報)→住民は避難を完了 |
| 5 | はん濫発生 | はん濫発生情報(洪水警報)→浸水区域の住民を避難誘導 |
10. 📋 理解チェックテスト(5問)
【問1】警報・注意報の定義
次の選択肢のうち、正しいものはどれか。
① 注意報は「重大な災害が発生するおそれがある場合」に発表される
② 警報は「災害が発生するおそれがある場合」に発表される
③ 特別警報は「数十年に一度の非常に危険な状況」で発表される
④ 特別警報が発表される事例は年に数回程度ある
💡 解答・解説
正解:③
①誤:注意報は「災害が発生するおそれがある場合」、②誤:警報は「重大な災害が発生するおそれがある場合」です(注意報と警報の定義が逆)。③正:特別警報は数十年に一度の非常に危険な状況で発表されます。④誤:年に数回ではなく、東日本大震災の大津波・伊勢湾台風の高潮など歴史的大災害時に相当するまれな発表です。
【問2】突風の判別
次の選択肢のうち、正しいものはどれか。
① ダウンバーストの被害形跡は収束性の帯状となる
② 竜巻はスーパーセル型積乱雲のフックエコー付近で発生することが多い
③ ガストフロントは積乱雲から1km以内の範囲にしか達しない
④ マクロバーストの広がりは4km未満と定義される
💡 解答・解説
正解:②
①誤:ダウンバーストは「発散性」、竜巻が「収束性の帯状」の被害形跡を示します。②正:竜巻はスーパーセル型積乱雲のフックエコー付近での発生が多いとされています。③誤:ガストフロントは積乱雲から数十km以上に達することがあります。④誤:マクロバーストは4km以上(ミクロバーストが4km未満)です。
【問3】土壌雨量指数
次の選択肢のうち、正しいものはどれか。
① 土壌雨量指数は1km格子毎に算出される
② 隣り合う格子の指数値が高い方が常に土砂災害の危険性が高い
③ 深層崩壊は土壌雨量指数を用いた土砂災害警戒情報の発表対象である
④ 土壌雨量指数はタンクモデルを用いて土壌中の水分量を指数化したものである
💡 解答・解説
正解:④
①誤:5km四方の格子毎に算出されます。②誤:土砂災害の危険性は地質・勾配・気候特性等に依存するため、隣り合う格子値の大小だけでは比較できません。③誤:深層崩壊は技術的に予測が困難なため、発表対象外です。④正:タンクモデルで土壌中の水分量を指数化したものです。
【問4】大雨特別警報
次の選択肢のうち、正しいものはどれか。
① 大雨特別警報の台風基準は中心気圧950hPa以下または最大風速40m/s以上である
② 大雨特別警報には「浸水害」「土砂災害」の種別がある
③ 津波に関する特別警報は名称に「特別警報」を明記して発表される
④ 大雪特別警報は数年に一度の降雪量を基準とする
💡 解答・解説
正解:②
①誤:伊勢湾台風級の930hPa以下または50m/s以上が基準です。②正:大雨特別警報には浸水害・土砂災害の種別があります。③誤:津波・火山・地震の特別警報は「特別警報」の名称は使わず、「大津波警報」など従来の名称で発表します。④誤:大雪特別警報は「数十年に一度」の降雪量が基準です。
【問5】記録的短時間大雨情報と土砂災害警戒情報
次の選択肢のうち、正しいものはどれか。
① 記録的短時間大雨情報は、注意報発表中に発表される
② 記録的短時間大雨情報の基準は全国どこでも1時間100mmである
③ 土砂災害警戒情報は都道府県と気象庁が共同で発表する
④ 土砂災害警戒情報は地滑りも発表対象である
💡 解答・解説
正解:③
①誤:記録的短時間大雨情報は大雨警報発表中に発表されます。②誤:基準は府県予報区毎に設定されており(おおむね80〜110mm)、一律ではありません。北日本など少雨地域では低い基準が設定されます。③正:都道府県と気象庁が共同で発表します。④誤:地滑り・深層崩壊・山体崩壊は技術的予測が困難なため、発表対象外です。
11. 📋 過去問チャレンジ(5問)
【過去問1:土砂災害警戒情報】
気象庁が都道府県と共同で発表する土砂災害警戒情報について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものはどれか。
(a) 土砂災害警戒情報は、土砂災害発生の危険度が非常に高まった市町村を対象として発表される。
(b)
土砂災害警戒情報は、大雨による土石流や急傾斜地崩壊、地滑り、斜面の深層崩壊のおそれが高まった場合に発表される。
(c) 土砂災害警戒情報は、24時間雨量と土壌雨量指数を組み合わせた基準に基づいて発表される。
選択肢:①a正b正c誤 ②a正b誤c正 ③a正b誤c誤 ④a誤b正c正 ⑤a誤b誤c正
💡 解答・解説(平成25年度第2回 専門知識 問14)
正解:③(a正・b誤・c誤)
(a)正:市町村を対象として発表されます。
(b)誤:地滑り・深層崩壊は技術的に予測困難で対象外です。土石流と急傾斜地崩壊が対象です。
(c)誤:24時間雨量ではなく、短期降雨指標(60分積算雨量)と長期降雨指標(土壌雨量指数)を組み合わせた基準です。
【過去問2:防災気象情報】
大雨が予想される場合に気象庁が発表する防災気象情報に関する次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものはどれか。
(a)
大雨に関する気象情報は、全国を対象とする全般気象情報と各都府県を対象とする府県気象情報の二種類に分けられる。
(b)
大雨警報においては、特に警戒を要する災害の種類に応じて、「土砂災害」「浸水害」「土砂災害・浸水害」のいずれかが明示される。
(c)
記録的短時間大雨情報は、どの府県予報区においても、1時間100mm以上の雨量が観測または解析されたときに発表される。
(d)
土砂災害警戒情報は、土砂災害の発生の危険度が高まったときに、市町村または市町村をいくつかに分割した地域を対象として発表される。
選択肢:①a正b正c誤d誤 ②a正b誤c正d誤 ③a誤b正c正d誤 ④a誤b正c誤d正 ⑤a誤b誤c誤d正
💡 解答・解説(平成24年度第2回 専門知識 問13)
正解:④(a誤・b正・c誤・d正)
(a)誤:3種類(全般気象情報・地方気象情報・府県気象情報)です。
(b)正:浸水害・土砂災害の種別が明示されます。
(c)誤:発表基準は地域によって異なり(80〜110mm程度)、全国一律100mmではありません。
(d)正:市町村またはその分割地域を対象に発表されます。
【過去問3:土壌雨量指数・流域雨量指数】
気象庁で作成している土壌雨量指数及び流域雨量指数について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものはどれか。
(a)
土壌雨量指数は、地中に貯えられている降水の量を指数化したものであり、表層付近で発生する土砂崩れ・がけ崩れや、地中深い部分で発生する深層崩壊などの土砂災害の危険性を把握するために用いられる。
(b)
土壌雨量指数は5km格子ごとに計算される。5つの格子で計算された土壌雨量指数の値が異なる場合、値の大きい格子の方が常に土砂災害の危険性が高い。
(c)
流域雨量指数は、降水が河川に流出する過程と河川を流下する過程を計算し、それらによる洪水の危険度の高さを5km格子ごとに指数化したものであり、降水のなかった地域でも値が大きくなることがある。
(d) 流域雨量指数は、ダムや堰、水門等がある河川の下流域の洪水の危険性を正しく表現することができる。
選択肢:①a正b正c誤d誤 ②a正b正c正d正 ③a誤b正c正d誤 ④a誤b誤c正d誤 ⑤a誤b誤c誤d正
💡 解答・解説(平成24年度第1回 専門知識 問13)
正解:④(a誤・b誤・c正・d誤)
(a)誤:土壌雨量指数は深層崩壊の予測には使われません。タンクモデルは地下深層部の水分量を考慮しておらず、深層崩壊は予測対象外です。
(b)誤:隣り合う格子の指数の大小だけで危険性を比較することはできません。地質・勾配・気候特性が異なるからです。
(c)正:流域雨量指数は上流の降水が下流へ流れ込む過程を計算するため、その地点では降水がなくても値が大きくなることがあります。
(d)誤:ダム・堰・水門の影響や潮汐の影響は含まれていないため、これらがある河川での洪水危険性を正確に表現することはできません。
【過去問4:警報・注意報の発表単位と切り替え】
気象庁が発表する気象の警報・注意報に関する次の文(a)〜(d)の下線部の正誤について、正しいものを一つ選べ。
(a) 注意報を発表するときに、その後に警報への切り替えが見込まれる場合には、注意報でその旨を述べる。
(b) 警報・注意報の発表単位である二次細分区域は、原則として市町村毎(東京23区は区毎)に設定されている。
(c)
「市町村等をまとめた地域」は、警報・注意報の発表状況を地域的に概観するために、災害特性や都道府県の防災関係機関等の管轄区域などを考慮して設定されている。
(d)
大きな地震が発生し、地盤が緩んで大雨による災害が発生しやすくなったと判断される場合には、震度5強以上の揺れを観測した地域を対象として土砂災害に関する大雨警報の発表基準を暫定的に引き下げている。
選択肢:①(a)のみ誤り ②(b)のみ誤り ③(c)のみ誤り ④(d)のみ誤り ⑤すべて正しい
💡 解答・解説(平成23年度第2回 専門知識 問13)
正解:⑤(すべて正しい)
(a)正:注意報を発表するときに警報への切り替えが見込まれる場合は注意報内でその旨を述べます。
(b)正:二次細分区域は原則として市町村毎(東京23区は区毎)に設定されています。
(c)正:「市町村等をまとめた地域」は、警報・注意報の発表状況を地域的に概観するために、災害特性や防災関係機関の管轄などを考慮して設定されています。
(d)正:震度5強以上の揺れを観測した地域では、大雨警報(土砂災害)の発表基準を暫定的に引き下げます。
【過去問5:大雨警報の発表基準の読み方】
大雨警報を発表するときの基準が下表のとおりであるとき、大雨警報の発表状況について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものはどれか。
〈基準表〉A市:R1=60(平坦地), R3=70(平坦地以外), 土壌雨量指数199 C市:R1=60,
土壌雨量指数基準なし D村:R1=70, 土壌雨量指数110
(a) A市においては、1時間60mmの雨が一部で予想されても、大雨警報(浸水害)が発表されない場合がある。
(b) C市は土壌雨量指数基準が設定されていないため、大雨警報(土砂災害)が発表されることはない。
(c)
D村で、1時間80mmの雨が予想され、大雨警報(浸水害)が発表されているときに、土壌雨量指数の予想値が110を超えた場合でも、すでに大雨警報が発表中のため、警報は切り替えられない。
(d)
P地域全域で1時間70mmの雨が予想された場合は、A市には大雨警報(浸水害)が発表されるが、B町には大雨警報(浸水害)が発表されることはない。
選択肢:①a正b正c誤d誤 ②a正b誤c誤d正 ③a誤b正c正d誤 ④a誤b誤c正d正 ⑤a誤b誤c正d誤
💡 解答・解説(平成23年度第1回 専門知識 問13)
正解:②(a正・b誤・c誤・d正)
(a)正:A市は平坦地ではR1=60かつR3=70(かつ条件)のため、1時間60mmでも3時間合計が70mmに達しない場合は大雨警報(浸水害)が発表されない場合があります。
(b)誤:C市に土壌雨量指数の基準が設定されていないのは、崖や山などの急傾斜地が存在しないためです。よって大雨警報(土砂災害)は発表されません。これは正しい説明なのでbは正しい。
(c)誤:大雨警報(浸水害)発表中にさらに土壌雨量指数基準を超えた場合は、大雨警報「浸水害・土砂災害」として切り替えを行って再発表します。
(d)正:P地域全域でR1=70mmが予想された場合、A市は平坦地以外の基準R3=70を時間雨量で換算すると基準を満たし発表されますが、B町の基準によっては発表されないことがあります。
まとめ
主要ポイントのリスト:
- 崖崩れは急傾斜地(30度以上)で最優先の土砂災害。土石流は100mm以上で危険度上昇
- 地滑り・深層崩壊は土砂災害警戒情報の対象外(予測困難)
- ダウンバースト:発散性の被害形跡。竜巻:収束性(線状)の被害形跡
- 警報:重大な災害のおそれ(7種類)/ 注意報:災害のおそれ(16種類)
- 暴風雪警報 ≠ 大雪+暴風。「雪を伴う暴風」による視程障害等への警報
- 大雨警報は浸水害・土砂災害の種別が明示される
- 特別警報:数十年に一度の極めて重大な危険。2013年8月30日から運用開始
- 伊勢湾台風級(中心気圧930hPa以下 or 最大風速50m/s以上)で特別警報発表
- 土砂災害警戒情報:大雨警報中に都道府県と気象庁が共同発表
- 土壌雨量指数:5km格子ごと。地域特性があり一律比較不可
- 流域雨量指数:上流降水で値が上昇。ダム・水門の影響は未反映
- 記録的短時間大雨情報:大雨警報中に数年に1度の豪雨(目安1時間100mm以上)
- 気象情報:警報・注意報に先立って24時間〜2〜3日前に発表(全般・地方・府県の3種類)
難易度:★★★★☆
この記事について
第11章の気象情報と気象災害の知識は、気象予報士試験の専門知識で頻出の重要テーマです。特に土砂災害警戒情報の発表対象(地滑り・深層崩壊は対象外)、警報と注意報の違い、特別警報の発表基準(伊勢湾台風級)、大雨警報の種別明示、土壌雨量指数・流域雨量指数の特徴は必ず理解しておきましょう。過去問を繰り返し解いて確実な知識を身につけてください!
