【基本情報技術者試験】第5章 システムの構成要素完全解説|RAID・稼働率・クライアントサーバをゼロから学ぼう!

🎯 この記事を読み終わるころには、この問題が解けるようになります!

【例題】令和6年度 基本情報技術者試験 科目A

あるシステムの今年度のMTBFは3,000時間、MTTRは1,000時間である。翌年度はMTBFについて今年度の20%分の改善、MTTRについて今年度の10%分の改善を図ると、翌年度の稼働率は何%になるか。

ア. 69  イ. 73  ウ. 77  エ. 80

※ヒント:稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)

前回はCPU・メモリなどのハードウェアを学びました。今回はそれらのコンピュータを組み合わせた「システム」の構成と信頼性を解説します。RAID・稼働率(MTBF・MTTR)の計算問題は頻出ですので、丁寧に攻略しましょう!

目次

  • 集中処理 vs 分散処理|システム処理の2形態
  • クライアントサーバシステム|3種類の分散処理
  • Webシステム|試験最頻出!
  • システム構成の3分類|シンプレックス・デュプレックス・デュアル
  • ホットスタンバイ vs コールドスタンバイ
  • 信頼性設計|フォールトトレラント・フールプルーフ
  • RAID|ストライピング・ミラーリング・パリティ
  • システム性能指標|スループット・ターンアラウンドタイム
  • スケールアウト vs スケールアップ
  • RASIS・MTBF・MTTR・稼働率
  • 直列・並列・多重化システムの稼働率計算
  • 過去問チャレンジ!
  • この章のまとめ

1. 集中処理 vs 分散処理|システム処理の2形態

  • 集中処理: 1台の大型コンピュータ(ホストコンピュータ)に複数の端末を接続し、すべての命令を1台で処理します。
  • 分散処理: ネットワークでつながれた複数のコンピュータが処理を分担します。大きく分けて「クライアントサーバシステム」「3層クライアントサーバシステム」「Webシステム」の3種類があります。

📝 ポイント

試験では分散処理(特にWebシステム)が頻出です!しっかり特徴を押さえましょう。

2. クライアントサーバシステム|3種類の分散処理

Webシステムの3層構造

▲ Webシステムの3層構造

  • クライアントサーバシステム: クライアント(サービスを利用する側)がサーバ(サービスを提供する側)に処理要求を行います。端末に専用ソフトウェアのインストールが必要です。
  • 3層クライアントサーバシステム: ①クライアント ②アプリケーションサーバ(業務処理) ③データベースサーバ(DB管理)の3層に分けた構成です。
  • Webシステム: 3層クライアントサーバシステムの一種で、クライアントソフトにWebブラウザを使用します。専用ソフトのインストールが不要になります。

3. Webシステム|試験最頻出!

Webシステムは基本情報技術者試験で最もよく出題されるシステム構成です。

  • 処理の流れ: ①クライアントがWebブラウザで処理要求 → ②アプリケーションサーバがDBとやり取り → ③HTML形式で結果をクライアントに返す → ④Webブラウザに表示
  • メリット: 使い慣れたWebブラウザで利用でき、システム変更時にクライアントへの再インストールが不要です。

📌 重要:試験頻出!

「業務処理はサーバ側で実行し、クライアントソフト(Webブラウザ)はHTMLの記述にしたがって、その結果を画面に表示する」が頻出の正解選択肢です!

4. システム構成の3分類|シンプレックス・デュプレックス・デュアル

システム構成の3分類

▲ システム構成の3分類

分類 説明 ポイント
シンプレックスシステム 1台のコンピュータだけの構成。障害が発生するとシステム停止 最もシンプル
デュプレックスシステム 現用系+待機系の2台構成。現用系障害時に待機系が引き継ぐ フェイルオーバー
デュアルシステム 2台が同じ処理を行い、結果を照合して正しさを確認 処理能力はシンプレックスと同じ

📌 重要:試験頻出!

デュプレックスとデュアルを混同しないこと!デュプレックス=待機系が引き継ぐ、デュアル=2台が同時に同じ処理をして照合する構成です。

5. ホットスタンバイ vs コールドスタンバイ

デュプレックスシステムの待機系の状態には以下の2種類があります。

方式 説明 メリット
ホットスタンバイ 待機系にも常時電源を入れ、現用系と同じデータをコピーして保持 現用系障害時に速やかに切り替え可能
コールドスタンバイ 待機系には電源を入れず、停止状態で待機 運用コストが安い

📝 ポイント

ホット=常時起動で速い切替、コールド=停止中でコスト安。「熱い(Hot)」「冷たい(Cold)」のイメージで覚えましょう!

6. 信頼性設計|フォールトトレラント・フールプルーフ

システムを安全に止まらないように運用するための設計思想です。

用語 説明
フォールトトレラント 部分的に故障してもシステム全体の機能を維持する設計 銀行・飛行機・原子力システム
フェールソフト 障害時に性能を落としてもシステム全体を動作させる(縮退運転) エンジン1つが故障しても飛行を継続する飛行機
フェールセーフ 障害時にシステムを止めてでも安全を優先する設計 人が侵入したらロボットアームを強制停止
フールプルーフ 人間が誤った操作をしてもシステムに異常が起こらない設計 ドアを閉めないと加熱できない電子レンジ

📌 重要:試験頻出!

フールプルーフのキーワードは「人間の誤操作でも異常が起こらない」です。試験で頻出する区別ポイントなのでしっかり覚えましょう!

7. RAID|ストライピング・ミラーリング・パリティ

RAIDの種類比較

▲ RAIDの種類比較

RAID (Redundant Arrays of Inexpensive Disks) とは、複数のHDDをあたかも1つのHDDとして扱う技術です。

レベル 別名 説明 信頼性 速度
RAID 0 ストライピング データを複数ディスクに分散書込み ✗ 下がる ○ 速い
RAID 1 ミラーリング 複数ディスクに同じデータを書込み ○ 高い ✗ 遅い・容量半減
RAID 5 パリティ分散 パリティ(誤り訂正符号)を含めてデータを分散書込み ○ 高い ○ バランス良

📌 重要:試験頻出!

ストライピング(RAID0)は高速ですが信頼性が下がります!一方、ミラーリング(RAID1)は信頼性が上がりますが容量が半減します!

8. システム性能指標|スループット・ターンアラウンドタイム

指標 説明
スループット 単位時間当たりに処理される仕事の量(例:プリンターの1分間印刷ページ数)
ターンアラウンドタイム 入力から出力完了までの全工程の時間(入力+処理+出力)
レスポンスタイム(応答時間) 処理にかかる時間のみ(入力・出力の時間は含まない)
ベンチマークテスト 標準的なプログラムを使ってシステムの性能を比較するテスト

📝 ポイント

ターンアラウンドタイム=入力+処理+出力の全体時間。レスポンスタイム=処理時間のみ。この違いが試験頻出です!

9. スケールアウト vs スケールアップ

将来にわたって安定稼働させるため、システムの稼働状況を継続的に評価して処理能力を計画することを「キャパシティプランニング」と呼びます。

方法 説明 イメージ
スケールアウト サーバの台数を増やしてシステム全体の処理能力を向上 人手を増やす
スケールアップ 個々のサーバの処理能力を向上(CPUを高性能なものに交換など) 一人を強化する

📝 ポイント

スケールアウト=台数を増やす(OUT=外に広げる)、スケールアップ=性能を上げる(UP=上に強化)のイメージです!

10. RASIS・MTBF・MTTR・稼働率

MTBF・MTTR・稼働率の計算

▲ MTBF・MTTR・稼働率の計算

システムの評価には、RASIS(Reliability:信頼性, Availability:可用性, Serviceability:保守性, Integrity:完全性, Security:安全性)の5指標が用いられます。

  • MTBF(平均故障間隔): 故障と故障の間の稼働時間の平均。RASISのReliability(信頼性)の指標です。
  • MTTR(平均修復時間): 修理にかかった時間の平均。RASISのServiceability(保守性)の指標です。
MTBF = 稼働時間の合計 ÷ 故障回数
MTTR = 故障時間の合計 ÷ 故障回数
稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)

【例】 稼働100h→故障50h→稼働150h→故障70h→稼働140h→故障60h の場合:
MTBF = (100+150+140)÷3 = 130時間
MTTR = (50+70+60)÷3 = 60時間
稼働率 = 130÷(130+60) ≈ 0.68

📌 重要:試験頻出!

MTBF・MTTRの公式と稼働率の計算は必須暗記!予防保守でMTBFを長くし、遠隔保守でMTTRを短くすると稼働率が向上します。

11. 直列・並列・多重化システムの稼働率計算

直列・並列システムの稼働率

▲ 直列・並列システムの稼働率

【直列システム】稼働率 = 装置Aの稼働率 × 装置Bの稼働率
例: 0.9 × 0.8 = 0.72

【並列システム】稼働率 = 1 – (1 – 装置Aの稼働率) × (1 – 装置Bの稼働率)
例: 1 – (1 – 0.9) × (1 – 0.8) = 1 – 0.1 × 0.2 = 0.98

多重化システム: 小さい部分から順に計算します。まず各サブシステムの稼働率を計算し、次にシステム全体の稼働率を計算します。

📌 重要:試験頻出!

直列はかけ算で稼働率が下がる。並列は「1-(両方故障する確率)」で稼働率が上がる。並列の方が信頼性は高い!

12. 過去問チャレンジ!

🎯 記事冒頭の例題に、もう一度チャレンジ!

【例題・再掲】令和6年度 基本情報技術者試験 科目A

あるシステムの今年度のMTBFは3,000時間、MTTRは1,000時間である。翌年度はMTBFについて今年度の20%分の改善、MTTRについて今年度の10%分の改善を図ると、翌年度の稼働率は何%になるか。

ア. 69  イ. 73  ウ. 77  エ. 80

✅ 解答・完全解説

正解:エ(80%)

解説:

  • MTBF改善後: 3,000 + 3,000×20% = 3,600時間
  • MTTR改善後: 1,000 – 1,000×10% = 900時間
  • 稼働率 = 3,600 ÷ (3,600 + 900) = 3,600 ÷ 4,500 = 0.8(80%)

よって、正解はエの80になります。

【過去問 その2】Webシステム問題(平成28年度)

3層クライアントサーバシステム構成で実現したWebシステムの特徴として適切なものはどれか。

ア. HTMLで記述されたプログラムをサーバ側で動作させ、クライアントソフトはその結果を画面に表示する。
イ. 業務処理の変更のたびに、業務処理用アプリケーションをクライアント端末にインストールする必要がある。
ウ. 業務処理はサーバ側で実行し、クライアントソフトはHTMLの記述に従って、その結果を画面に表示する。
エ. クライアント端末には、サーバ側からのHTTP要求を待ち受けるサービスを常駐させておく必要がある。

💡 解答・解説

正解:ウ

HTMLはサーバ側ではなくクライアント(Webブラウザ)側で処理されます。イは専用ソフト不要なので誤りです。エはHTTP要求をするのはクライアント側なので誤りです。

【過去問 その3】RAID問題(平成28年度)

データを分散して複数の磁気ディスクに書き込むことによって、データ入出力の高速化を図る方式はどれか。

ア. ストライピング
イ. スワッピング
ウ. ディスクキャッシュ
エ. ミラーリング

💡 解答・解説

正解:ア

ストライピング(RAID 0)は高速化が目的の方式です。ミラーリング(RAID 1)は信頼性向上が目的の方式です。

13. この章のまとめ

📌 システム構成要素のまとめ

  • Webシステム = クライアントにWebブラウザを使う、専用ソフト不要、業務処理はサーバ側
  • デュプレックス = 現用系が故障したら待機系が引き継ぐ
  • デュアル = 2台が同じ処理を行い照合(処理能力はシンプレックスと同じ)
  • ホットスタンバイ = 常時起動で速い切替、コールドスタンバイ = 停止中でコスト安
  • フールプルーフ = 人間の誤操作でも異常が起こらない設計
  • RAID 0(ストライピング) = 高速化・信頼性低下、RAID 1(ミラーリング) = 信頼性高・容量半減
  • スループット = 単位時間の処理量、ターンアラウンドタイム = 入力+処理+出力全体
  • スケールアウト = 台数増加、スケールアップ = 性能強化
  • MTBF = 稼働時間合計÷故障回数(長いほど信頼性高)
  • MTTR = 故障時間合計÷故障回数(短いほど保守性高)
  • 稼働率 = MTBF÷(MTBF+MTTR)
  • 直列稼働率 = A×B(下がる)、並列稼働率 = 1-(1-A)(1-B)(上がる)

学習難易度:★★★★☆

稼働率の計算問題は毎年のように出題される最重要テーマです。MTBFや直列・並列の公式をしっかり覚えましょう!

この記事について

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【基本情報技術者試験講義No.5】システムの構成要素|RAID・稼働率・クライアントサーバをゼロから学ぼう!

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