【第65回 気象予報士試験 専門知識】問12 平均誤差MEと二乗平均平方根誤差RMSEをわかりやすく解説

こんにちは!今回は第65回気象予報士試験 専門知識 問12を解説します!

この問題は、日最高気温予報の検証として、平均誤差(ME)と二乗平均平方根誤差(RMSE)の意味を問う問題です。

この問題で重要なポイント

  • MEは予報の偏りを見る指標
  • MEが0に近くても、大きな誤差が少ないとは限らない
  • RMSEは誤差の大きさを見る指標
  • RMSEが小さいほど、平均的には精度が高い
  • 正負の誤差はMEでは打ち消し合う

■ 問題文

表は、A地点とB地点における日最高気温について、30日間の予報と実況の比較結果をまとめたものである。日最高気温の予報の検証について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 一般論として、平均誤差(ME)が0に近いほど、予報値が実況と比べて大きく外れた回数は少ないと判断できる。

(b) 系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると、A地点とB地点ともに正の偏りがある。

(c) A地点とB地点の二乗平均平方根誤差(RMSE)によると、期間の平均としては、A地点の予報のほうが精度が高かったと判断できる。

A地点
予報値-実況値(℃) 日数
25
16
012
-13
-24
B地点
予報値-実況値(℃) 日数
23
19
07
-17
-24
(a) (b) (c)

■ 解答

■ MEとRMSEの基本

平均誤差(ME)は、予報値から実況値を引いた誤差の平均です。

ME = 誤差の平均

MEが正なら、全体として予報が実況より高めに出ている傾向があります。

MEが負なら、全体として予報が実況より低めに出ている傾向があります。

一方、RMSEは誤差を二乗して平均し、その平方根を取るため、誤差の大きさを評価しやすい指標です。

RMSE = 誤差の大きさを見る指標

■ (a) MEが0に近いほど大きな外れが少ない?

(a)は誤りです。

MEが0に近いということは、正の誤差と負の誤差が平均すると打ち消し合っているという意味です。

しかし、大きく外れた回数が少ないとは限りません。

たとえば、+5℃の誤差と-5℃の誤差が同じ回数あれば、MEは0に近くなります。

しかし、予報としては大きく外れています。

独学者がよく間違えるポイント

MEが0に近いと「精度がよい」と思いがちです。

しかしMEは偏りを見る指標であり、誤差の大きさを見る指標ではありません。

MEが0に近い
= 大外れが少ない
ではない

■ (b) A地点とB地点のME

(b)は誤りです。

A地点のMEを計算します。

A地点のME
= {2×5 + 1×6 + 0×12 + (-1)×3 + (-2)×4} ÷ 30
= {10 + 6 + 0 - 3 - 8} ÷ 30
= 5 ÷ 30
= 約 +0.17℃

A地点は、わずかに正の偏りがあります。

次にB地点です。

B地点のME
= {2×3 + 1×9 + 0×7 + (-1)×7 + (-2)×4} ÷ 30
= {6 + 9 + 0 - 7 - 8} ÷ 30
= 0 ÷ 30
= 0℃

B地点は正の偏りではなく、MEは0です。

したがって、「A地点とB地点ともに正の偏りがある」という記述は誤りです。

ここがポイント!

A地点:ME 約 +0.17℃
B地点:ME 0℃

A地点だけがわずかに正の偏りです。

■ (c) RMSEで見るとA地点の方が高精度?

(c)は誤りです。

RMSEでは、誤差を二乗してから平均するため、正負の誤差は打ち消し合いません。

A地点のRMSEを計算します。

A地点のRMSE
= √{(2²×5 + 1²×6 + 0²×12 + (-1)²×3 + (-2)²×4) ÷ 30}
= √{(20 + 6 + 0 + 3 + 16) ÷ 30}
= √(45 ÷ 30)
= 約 1.22℃

B地点のRMSEは次のようになります。

B地点のRMSE
= √{(2²×3 + 1²×9 + 0²×7 + (-1)²×7 + (-2)²×4) ÷ 30}
= √{(12 + 9 + 0 + 7 + 16) ÷ 30}
= √(44 ÷ 30)
= 約 1.21℃

RMSEは小さいほど平均的な誤差が小さいことを示します。

今回はB地点のRMSEの方がわずかに小さいため、A地点の方が精度が高いとは判断できません。

ここが引っかけ!

A地点は誤差0の日数が12日あり、B地点の7日より多いです。

そのため、A地点の方がよさそうに見えます。

しかし、A地点は±2℃の誤差も多く、RMSEで見るとB地点の方がわずかに小さくなります。

誤差0の日数だけで
精度を判断しない

■ 選択肢の確認

項目 判定 理由
(a) MEが0に近くても、大きな正負の誤差が打ち消し合っている可能性がある
(b) A地点は正の偏りだが、B地点のMEは0である
(c) RMSEはA地点が約1.22℃、B地点が約1.21℃で、A地点の方が高精度とはいえない

■ まとめ

  • MEは予報の偏りを見る指標
  • MEが0に近くても、大きな誤差が少ないとは限らない
  • A地点のMEは約+0.17℃
  • B地点のMEは0℃
  • RMSEは誤差の大きさを見る指標
  • A地点のRMSEは約1.22℃
  • B地点のRMSEは約1.21℃
  • したがって、(a)(b)(c)はいずれも誤り

正解は⑤

この問題で必ず押さえたいこと

予報精度の検証では、MEとRMSEの役割を分けて考えることが大切です。

ME:偏りを見る
RMSE:誤差の大きさを見る

MEだけで「精度がよい」と判断しないようにしましょう。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第65回 専門知識 問12の解説でした!

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