【第65回 気象予報士試験 専門知識】問11 台風の発生条件・暖気核・高潮をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第65回気象予報士試験 専門知識 問11を解説します!
この問題は、台風の発生場所、台風中心部の気温構造、高潮の発生タイミングについて問う問題です。
台風分野では、発生条件だけでなく、台風の立体構造や高潮との関係もよく出題されます。
この問題で重要なポイント
- 台風は赤道付近では発生しにくい
- 台風の発生にはコリオリ力が必要
- 発達した台風の中心部は暖気核を持つ
- 台風中心付近の気温は、対流圏下層から上層まで周囲より高い
- 高潮は台風最接近時に必ず最大になるとは限らない
- 浅い湾では、台風通過後に潮位偏差が最大となることがある
■ 問題文
一般的な台風について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) 台風は、ほとんどが北緯5°以上で発生し、北緯5°以内の発生数は少ない。
(b) 発達した台風の中心付近の気温は、対流圏の下層から中層で周囲より高く、上層から対流圏界面にかけて逆に周囲より低くなっている。
(c) 猛烈な台風が、西に開いた水深が浅い湾を暴風域に巻き込みながら、気圧や風の分布などの勢力を変えずに湾の西側を北へ進む時、湾奥での潮位の偏差が最大となるのは台風の最接近時よりも後である。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 正 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 |
| ⑤ | 誤 | 正 | 誤 |
■ 解答
②
■ 台風を考えるときの基本
台風は、熱帯の海上で発生・発達する熱帯低気圧です。
発達には、暖かい海面から供給される水蒸気と、地球の自転によるコリオリ力が重要です。
また、発達した台風の中心付近には暖気核が形成されます。
暖かい海面
+
水蒸気供給
+
コリオリ力
↓
台風の発生・発達
■ (a) 台風は北緯5°以内では発生しにくい
(a)は正しいです。
台風の発生には、地球の自転によるコリオリ力が必要です。
赤道付近ではコリオリ力が非常に小さいため、台風のような回転を持つ渦が発達しにくくなります。
そのため、台風の多くは北緯5°以上で発生し、北緯5°以内での発生数は少なくなります。
ここがポイント!
赤道付近
= コリオリ力が小さい
= 台風が発生しにくい
■ (b) 台風中心部の気温構造
(b)は誤りです。
発達した台風の中心部には、周囲より気温が高い暖気核が存在します。
この暖気核は、対流圏の下層から中層だけでなく、上層にも及びます。
問題文では、上層から対流圏界面にかけて周囲より低温になるとしていますが、これは不適切です。
発達した台風の中心付近は、基本的に対流圏内で周囲より暖かい構造を持つと考えます。
独学者がよく間違えるポイント
「台風は背の高い積乱雲の集まりだから、上空は冷たいのでは?」と考えてしまうことがあります。
しかし、台風全体の中心付近の構造としては、潜熱の放出などにより暖気核が形成されます。
発達した台風
= 暖気核を持つ
と覚えましょう。
■ (c) 高潮の最大は最接近後になることがある
(c)は正しいです。
高潮は、主に気圧低下による吸い上げ効果と、強風による吹き寄せ効果によって発生します。
特に水深が浅い湾では、風によって海水が湾奥へ吹き寄せられやすくなります。
また、湾内の海水の応答には時間差があるため、台風が最接近した時刻よりも後に、湾奥で潮位偏差が最大となることがあります。
問題文のように、西に開いた浅い湾を台風が暴風域に巻き込みながら湾の西側を北上する場合、湾奥へ向かう吹き寄せが続き、最接近後に潮位偏差が最大となることがあります。
ここがポイント!
高潮は、
台風の最接近時に必ず最大
とは限りません。
湾の形、水深、風向、台風の進路によって、最大潮位偏差の時刻はずれることがあります。
■ 台風と高潮の関係
この問題のつまずきポイント
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 吸い上げ効果 | 気圧が低いことで海面が上昇する |
| 吹き寄せ効果 | 強風により海水が湾奥へ押し寄せる |
| 湾の形状 | 湾奥で海水がたまりやすくなる |
| 時間差 | 海水の応答に遅れがあり、最接近後に最大となることがある |
高潮は、台風の中心位置だけでなく、風向と湾の形によって大きく変わります。
■ 選択肢の確認
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 赤道付近ではコリオリ力が小さく、台風は発生しにくい |
| (b) | 誤 | 発達した台風の中心部は暖気核を持ち、上層も周囲より暖かい |
| (c) | 正 | 浅い湾では吹き寄せや海水応答の遅れにより、最接近後に潮位偏差が最大となることがある |
■ まとめ
- 台風は赤道付近では発生しにくい
- 台風の発生にはコリオリ力が必要
- 発達した台風は暖気核を持つ
- 台風中心付近は上層まで周囲より暖かい構造を持つ
- 高潮は吸い上げ効果と吹き寄せ効果で発生する
- 浅い湾では台風最接近後に潮位偏差が最大になることがある
正解は②
この問題で必ず押さえたいこと
台風問題では、
発生にはコリオリ力
構造は暖気核
高潮は最接近時が最大とは限らない
という3点をセットで押さえましょう。
特に高潮は、台風の中心位置だけでなく、風向・湾の向き・水深によって最大時刻がずれる点に注意が必要です。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第65回 専門知識 問11の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
