【第65回 気象予報士試験 一般知識】問7 低気圧性傾度風と地衡風速をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第65回 気象予報士試験 一般知識 問7を解説します!

この問題は、低気圧性の傾度風が地衡風より弱くなる理由を理解しているかがポイントです。

この問題で重要なポイント

  • 低気圧性傾度風は地衡風速 Vg より小さい
  • 中心に近いほど曲率が大きい
  • 曲率が大きいほど遠心力の影響が大きい
  • 外側へ行くほど風速は地衡風速 Vg に近づく

■ 問題文

北半球の水平面上に、等圧線が同心円で、半径方向の気圧傾度が中心からの距離によらず一定の低気圧がある。

風は中心に対して反時計回りの方向に吹いており、傾度風平衡が成立している。

このとき、図に示す円の半径上の2つの地点A、Bを結ぶ線に沿った風速の分布として適切なものを、①〜⑤の中から1つ選べ。

ただし、図中の Vg は各径方向の気圧傾度から計算される地衡風速を示している。

図

■ 解答

■ まず結論

低気圧性の傾度風では、

傾度風速 < 地衡風速 Vg

となります。

さらに、中心に近いほど曲率が大きくなるため、風速はより小さくなります。

外側へ行くほど曲率の影響が弱くなり、風速は地衡風速 Vg に近づきます。

■ なぜ低気圧性傾度風は地衡風より弱いのか?

地衡風では、基本的に

気圧傾度力 = コリオリ力

がつり合っています。

しかし、低気圧まわりの曲がった流れでは、これに遠心力が加わります。

低気圧では、気圧傾度力は中心向き、コリオリ力と遠心力は外向きに働きます。

超重要つまずきポイント!

もし風速が地衡風速 Vg のままだと、外向きのコリオリ力に加えて遠心力まで働くため、外向きの力が大きくなりすぎます。

そこで、つり合いを保つために風速を小さくし、コリオリ力を弱める必要があります。

その結果、

低気圧性傾度風は地衡風より弱い

となります。

■ この図で確認するポイント

  • 地衡風では「気圧傾度力=コリオリ力」
  • 低気圧性傾度風では遠心力も外向きに加わる
  • つり合うには風速を小さくしてコリオリ力を弱める必要がある
  • 中心に近いほど曲率が大きく、風速はさらに小さくなる
低気圧性傾度風が地衡風より小さくなる理由の解説図

■ AからBへ向かう風速変化

Aは低気圧中心に近い地点です。

中心に近いほど半径 r が小さく、曲率が大きくなります。

曲率が大きいほど遠心力の影響が大きくなるため、つり合いを保つには風速をより小さくする必要があります。

したがって、A付近では風速は小さくなります。

一方、Bは外側にあるため、半径 r が大きくなります。

半径が大きいほど曲率の影響は弱くなり、傾度風速は地衡風速 Vg に近づいていきます。

つまり、風速分布はこうなる!

Aで小さい → Bへ向かって大きくなる → Vgに近づく

この形に合うのが⑤です。

■ 選択肢の確認

選択肢 判定 理由
中心付近で地衡風より強くなっており不適切
半径による曲率の影響が反映されていない
外側で地衡風より大きくなるのは不適切
外側へ向かってさらに弱くなるのは逆
Aで小さく、Bへ向かってVgに近づく

■ まとめ

  • 低気圧性傾度風は地衡風より弱い
  • 理由は、低気圧まわりでは遠心力も外向きに働くため
  • 中心に近いほど曲率が大きく、風速は小さくなる
  • 外側へ行くほど曲率効果が弱まり、Vgに近づく

正解は⑤

この問題で必ず押さえたいこと

「低気圧だから風が強い」と考えると間違えやすいです。

この問題で問われているのは、地衡風速 Vg と比べたときの低気圧性傾度風の風速です。

低気圧性傾度風 = 亜地衡風

つまり、地衡風より弱い

と覚えておきましょう。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第65回 一般知識 問7の解説でした!

訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!