【第65回 気象予報士試験 一般知識】問6 慣性振動をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第65回 気象予報士試験 一般知識 問6を解説します!
この問題は、北半球における慣性振動について、
- 回転方向
- 周期
- 緯度による周期の違い
を判断する問題です。
この問題で重要なポイント
- 北半球ではコリオリ力は進行方向の右向きに働く
- そのため慣性振動は時計回りになる
- 周期は 2π / f
- 高緯度ほど f が大きくなる
- したがって高緯度ほど周期は短くなる
■ 問題文
北半球における慣性振動について述べた文章の空欄(a)〜(c)に入る語句と数式の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
慣性振動とは、気圧傾度力が働かない水平面上で、コリオリ力と遠心力が釣り合った状態の空気塊の運動である。
慣性振動では空気塊は円を描くように運動し、この円の半径を r、運動の速さを V、コリオリパラメータを f とすると、力の釣り合いから fV = V² / r が成り立つ。
この釣り合いを満たす円運動は北半球においては(a)となる。また、この円運動の周期は(b)である。コリオリパラメータが緯度に依存するために、慣性振動の周期は、高緯度では低緯度に比べ(c)なる。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | 時計回り | 2π / f | 短く |
| ② | 時計回り | f / 2π | 長く |
| ③ | 反時計回り | 2π / f | 短く |
| ④ | 反時計回り | 1 / f | 長く |
| ⑤ | 反時計回り | f / 2π | 長く |
■ 解答
①
■ 慣性振動とは?
慣性振動とは、簡単にいうと、
気圧傾度力がない状態で、空気塊がコリオリ力によって円運動する現象
です。
普段の低気圧や高気圧の風では、気圧傾度力が重要になります。
しかし慣性振動では、気圧傾度力が働かない水平面を考えるため、空気塊はコリオリ力によって曲げられ続け、円を描くように運動します。
■ (a) 北半球では時計回り
(a)は時計回りです。
北半球では、コリオリ力は運動方向の右向きに働きます。
そのため、空気塊が進むたびに右へ右へと曲げられ、結果として時計回りの円運動になります。
受験生がつまずきやすいポイント
「北半球の低気圧は反時計回りだから、慣性振動も反時計回りでは?」と混同しやすいです。
しかし、低気圧の風は気圧傾度力とコリオリ力を考える運動です。
一方、慣性振動は気圧傾度力が働かない場合の運動です。
低気圧の回転と慣性振動の回転は別物として整理しましょう。
■ (b) 周期は 2π / f
(b)は2π / fです。
問題文では、力の釣り合いとして次の式が与えられています。
fV = V² / r
両辺を V で割ると、
f = V / r
つまり、
V = fr
です。
円運動の周期は、
周期 = 円周 ÷ 速さ
なので、
T = 2πr / V
ここに V = fr を代入すると、
T = 2πr / fr = 2π / f
となります。
ここがポイント!
公式だけでなく、
f が大きいほど速く回る → 周期は短くなる
というイメージで理解しておくと、(c)も解きやすくなります。
■ (c) 高緯度ほど周期は短い
(c)は短くです。
コリオリパラメータ f は、
f = 2Ωsinφ
で表されます。
緯度 φ が高くなるほど sinφ は大きくなるため、コリオリパラメータ f も大きくなります。
慣性振動の周期は、
T = 2π / f
なので、f が大きくなると周期 T は小さくなります。
したがって、高緯度では低緯度に比べて慣性振動の周期は短くなります。
ここも頻出の引っかけ!
「高緯度ほどゆっくり回りそう」と感覚的に思ってしまうことがあります。
しかし実際には、高緯度ほどコリオリ力が強く、空気塊が強く曲げられます。
そのため、速く回転し、周期は短くなります。
■ まとめ
| 空欄 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 時計回り | 北半球ではコリオリ力が進行方向右向きに働くため |
| (b) | 2π / f | 円運動の周期 T = 2πr / V に V = fr を代入するため |
| (c) | 短く | 高緯度ほど f が大きく、T = 2π / f が小さくなるため |
正解は①
この問題で必ず押さえたいこと
- 慣性振動は低気圧の回転とは別物
- 北半球の慣性振動は時計回り
- 周期は 2π / f
- 高緯度ほど f が大きく、周期は短い
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第65回 一般知識 問6の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
