【第64回 気象予報士試験 一般知識】問9 ガストフロントをわかりやすく解説
こんにちは!今回は第64回 気象予報士試験 一般知識 問9を解説します!
この問題は、積乱雲によって形成されるガストフロントについて問う問題です。
ガストフロントは一般知識だけでなく、実技試験でも重要な現象です。
この問題で重要なポイント
- ガストフロントは積乱雲の下降流によって発生する
- 発生しやすいのは成長期ではなく、成熟期〜衰弱期
- ガストフロントは3km程度よりも遠くまで広がる
- 通過時は気温が下がる
- 通過時は気圧が上がる
- 通過時は相対湿度が上がる
■ 問題文
積乱雲により形成されるガストフロントについて述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) ガストフロントは、積乱雲内の上昇流が強まる成長期に発生する場合が多い。
(b) 積乱雲直下からのガストフロントの到達距離は、最大で3km程度である。
(c) ガストフロントが通過すると、地上の気温と気圧はともに下降し、相対湿度は上昇する。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 正 |
| ③ | 誤 | 正 | 誤 |
| ④ | 誤 | 誤 | 正 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 誤 |
■ 解答
⑤
■ 解き方の方針
この問題は、ガストフロントの基本的な特徴を整理すれば解けます。
ポイントは次の3つです。
- ガストフロントはいつ発生するのか
- どのくらい遠くまで広がるのか
- 通過時に気温・気圧・湿度がどう変化するのか
特に(c)は、気温と気圧の変化を混同しやすいので注意しましょう。
■ ガストフロントとは?
ガストフロントとは、積乱雲から吹き出した冷たい下降気流が地面にぶつかり、地表付近を水平方向に広がる現象です。
積乱雲
↓
冷たい下降気流
↓
地面に衝突
↓
冷気が周囲へ広がる
この冷気の先端部分がガストフロントです。
■ (a) ガストフロントは成長期に発生する場合が多い?
(a)は誤りです。
問題文では、ガストフロントが「積乱雲内の上昇流が強まる成長期」に発生する場合が多いとしています。
しかし、ガストフロントは下降流によって発生します。
成長期の積乱雲では、主に上昇流が卓越しています。
一方、成熟期になると、降水粒子の落下や蒸発冷却などにより下降流が発達します。
この下降流が地面にぶつかって周囲へ広がることで、ガストフロントが形成されます。
したがって、ガストフロントが発生しやすいのは、
成長期ではなく
成熟期〜衰弱期
です。
受験生がつまずきやすいポイント
「積乱雲が発達する時期=ガストフロントが発生する時期」と考えてしまうと間違えます。
ガストフロントの主役は上昇流ではなく下降流です。
ガストフロント
= 冷たい下降流の吹き出し
と押さえましょう。
■ (b) 到達距離は最大で3km程度?
(b)は誤りです。
ガストフロントは、積乱雲直下から地表面付近を広がっていきます。
その到達距離は積乱雲の規模や下降流の強さによって変わりますが、最大で3km程度というのは短すぎます。
実際には、10〜20km程度、場合によってはさらに遠方まで広がることがあります。
したがって「最大で3km程度」は誤りです。
ここがポイント!
ガストフロントは、積乱雲のすぐ下だけで起こる現象ではありません。
冷たい空気が地表に沿って外側へ広がるため、積乱雲から離れた場所でも突風や風向変化が起こることがあります。
■ (c) 通過時に気温と気圧はともに下降する?
(c)は誤りです。
ガストフロントが通過すると、冷たい下降気流が流れ込むため、地上の気温は低下します。
気温 ↓
また、冷たい空気は密度が大きく重いため、地表付近では気圧が上昇しやすくなります。
気圧 ↑
さらに、冷たい空気の流入により相対湿度は上昇しやすくなります。
相対湿度 ↑
したがって、問題文の「気温と気圧はともに下降」は誤りです。
ここが最大の引っかけ!
ガストフロント通過時の変化は、次のように覚えましょう。
| 気象要素 | 変化 | 理由 |
|---|---|---|
| 気温 | 低下 | 冷たい空気が流入するため |
| 気圧 | 上昇 | 冷気は密度が大きく重いため |
| 相対湿度 | 上昇 | 冷却により相対湿度が上がりやすいため |
気温↓・気圧↑・湿度↑
このセットで覚えましょう。
■ 選択肢ごとの解説
① 誤り
(a)(b)(c)すべて正としていますが、実際にはすべて誤りです。
② 誤り
(a)と(c)が誤りです。
③ 誤り
(b)が誤りです。
④ 誤り
(c)が誤りです。
⑤ 正しい
(a)誤、(b)誤、(c)誤の組み合わせなので正解です。
■ 選択肢の確認表
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 誤 | 成長期ではなく、成熟期〜衰弱期に発生しやすい |
| (b) | 誤 | 最大3km程度では短すぎる |
| (c) | 誤 | 気温は低下するが、気圧は上昇する |
■ まとめ
- ガストフロントは積乱雲の下降流によって形成される
- 成長期ではなく、成熟期〜衰弱期に発生しやすい
- 到達距離は最大3km程度よりも長い
- 通過時は気温が低下する
- 通過時は気圧が上昇する
- 通過時は相対湿度が上昇する
正解は⑤
この問題で必ず押さえたいこと
ガストフロントは、
冷たい下降流が地表を広がる現象
です。
通過時の変化は、
気温 ↓
気圧 ↑
相対湿度 ↑
で覚えましょう。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第64回 一般知識 問9の解説でした!
訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
