【第64回 気象予報士試験 一般知識】問7 地表摩擦と風の力のつり合いをわかりやすく解説

こんにちは!今回は第64回 気象予報士試験 一般知識 問7を解説します!

この問題は、地表面付近の風に働く

  • 気圧傾度力
  • コリオリ力
  • 摩擦力

の3つの力のつり合いについて問う問題です。

受験生が最も苦手なのは、

  • sinとcosの使い分け
  • Pと風向の角度の考え方
  • 力の分解

です。

この問題で重要なポイント

  • 地表面付近では摩擦力が働く
  • 風は等圧線を横切って低圧部へ吹く
  • 風向方向と風向直角方向に分解して考える
  • 風向方向では摩擦力と気圧傾度力がつり合う
  • 風向直角方向ではコリオリ力と気圧傾度力がつり合う
  • 摩擦力が大きいほど風は大きな角度で等圧線を横切る

■ 問題文

第64回一般知識問7

北半球のある地点の水平な地表面付近で、図のように矢印で示す風速Vの定常な風が等圧線と角度αをなす方向に吹いている。

気圧傾度力の大きさをP、コリオリ力の大きさをC、摩擦力の大きさをFとし、摩擦力が風向きと逆方向に働いているとする。

3つの力のつり合いから

F = (a)

C = (b) = fV

したがって、摩擦力の大きさFは

F = (c)

これは、風速が同じであれば地表面の摩擦力が(d)ほど地表面付近の風が大きな角度で等圧線を横切って低圧部に向かって吹くことを示している。

(a) (b) (c) (d)
Pcosα P fVcosα 小さい
Psinα Pcosα fVtanα 大きい
Psinα Pcosα fVsinα 大きい
Pcosα Psinα fVtanα 大きい
Pcosα Psinα fV/tanα 小さい

■ 解答

■ 解き方の方針

この問題は公式を覚える必要はありません。

まず力を

  • 風向方向
  • 風向直角方向

の2方向に分解します。

その後、それぞれの方向で力のつり合いを考えるだけです。

■ 力の向きを整理する

図では、

  • 気圧傾度力P → 高圧部から低圧部へ
  • コリオリ力C → 風向の右向き
  • 摩擦力F → 風向と逆向き

に働いています。

この3つの力がつり合っている状態を考えます。

■ (a)を求める

(a)はPsinαです。

風向方向では、摩擦力Fと気圧傾度力の風向方向成分がつり合います。

ここで重要なのは角度です。

αは「風と等圧線の角度」です。

気圧傾度力Pは等圧線に垂直なので、

Pと風の角度 = 90°−α

となります。

したがって風向方向成分は

Pcos(90°−α)
=Psinα

です。

よって

F=Psinα

となります。

■ (b)を求める

(b)はPcosαです。

風向直角方向には摩擦力は働きません。

そのため、

気圧傾度力の直角方向成分
=コリオリ力

となります。

気圧傾度力の直角方向成分は

Pcosα

なので、

C=Pcosα

となります。

またコリオリ力は

C=fV

です。

■ (c)を求める

(b)より

P=fV/cosα

です。

これを(a)へ代入すると、

F=Psinα
=(fV/cosα)sinα
=fVtanα

となります。

したがって(c)は

fVtanα

です。

■ (d)を求める

(c)より

F=fVtanα

です。

風速Vと緯度が同じなら、

摩擦力Fが大きいほどtanαも大きくなります。

つまり、

摩擦力が大きいほど
風は大きな角度で等圧線を横切る

ことになります。

したがって(d)は大きいです。

受験生が最もつまずくポイント

多くの受験生は、

「PsinαとPcosαのどちらだったか覚えていない」

という状態になります。

その場合は暗記ではなく、

  • 風向方向
  • 風向直角方向

に分解して考えましょう。

そうすれば自然に導けます。

もう一つの重要ポイント

αは

風と等圧線の角度

です。

Pと風の角度ではありません。

気圧傾度力Pは等圧線に垂直なので、

Pと風の角度は90°−α

になります。

ここを間違えると全て逆になります。

■ 選択肢の確認

空欄 答え 理由
(a) Psinα 風向方向成分
(b) Pcosα 風向直角方向成分
(c) fVtanα (a)(b)を連立
(d) 大きい F∝tanα

■ まとめ

  • 地表面付近では気圧傾度力・コリオリ力・摩擦力がつり合う
  • 風向方向では摩擦力と気圧傾度力がつり合う
  • 風向直角方向ではコリオリ力と気圧傾度力がつり合う
  • Pと風の角度は90°−αになる
  • 摩擦力が大きいほど風は大きな角度で等圧線を横切る

正解は②

この問題で必ず押さえたいこと

地表面付近の風の問題は、

風向方向

風向直角方向

の順番で力を分解すると整理しやすくなります。

sinとcosを暗記するのではなく、力のつり合いから導けるようになりましょう。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第64回 一般知識 問7の解説でした!

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