【第64回 気象予報士試験 一般知識】問6 温度風と暖気移流をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第64回 気象予報士試験 一般知識 問6を解説します!
この問題は温度風と暖気移流の理解を問う典型問題です。
特に受験生が苦手なのは、
- なぜ低緯度の方が温度風が強くなるのか
- 暖気移流と寒気移流の判断
- なぜ暖気移流の強さが両地点で同じになるのか
という点です。
この問題で重要なポイント
- 温度風の大きさはコリオリパラメータfに反比例する
- 低緯度ほど温度風は強くなる
- 南風+北ほど低温なら暖気移流
- 暖気移流は単純な風速ではなく、温度勾配方向の風成分で決まる
- 風速が大きくても暖気移流が強いとは限らない
■ 問題文
北半球の緯度30°の地点Aと緯度45°の地点Bにおいて、1000hPa等圧面上で風速5m/sの南風が吹いている。 また、A・B両地点では1000hPaから700hPaの層内の平均温度は、いずれも東西方向に一様で南から北に向かって低くなっており、その水平温度勾配は両地点で等しい。 このとき700hPa等圧面における風速は(a)。また、地点Aと地点Bの1000hPaから700hPaの層内ではともに(b)となっており、その大きさは(c)。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | 地点Aの方が大きい | 暖気移流 | 地点Aと地点Bで同じである |
| ② | 地点Aの方が大きい | 暖気移流 | 地点Aの方が大きい |
| ③ | 地点Aの方が大きい | 寒気移流 | 地点Aと地点Bで同じである |
| ④ | 地点Bの方が大きい | 暖気移流 | 地点Aと地点Bで同じである |
| ⑤ | 地点Bの方が大きい | 寒気移流 | 地点Bの方が大きい |
■ 解答
①
■ 解き方の方針
この問題は次の順番で考えると解きやすくなります。
- (a) 温度風から700hPaの風速を比較する
- (b) 暖気移流か寒気移流か判断する
- (c) 暖気移流の強さを比較する
(c)が最も難しいため、まず(a)(b)を確実に判断しましょう。
■ (a) 700hPa面の風速比較
(a)は地点Aの方が大きいです。
温度風の大きさはコリオリパラメータfに反比例します。
コリオリパラメータfは高緯度ほど大きくなるため、
- 地点A(30°) → fが小さい
- 地点B(45°) → fが大きい
となります。
同じ温度勾配なら、fが小さい地点Aの方が温度風は強くなります。
したがって700hPaでは地点Aの方が風速が大きくなります。
受験生がつまずきやすいポイント
「高緯度ほどコリオリ力が強いから風も強い」と考えてしまう人がいます。
実際には逆です。
同じ温度勾配なら、コリオリ力が弱い低緯度の方が温度風は強くなります。
■ (b) 暖気移流か寒気移流か
(b)は暖気移流です。
問題文では、南ほど暖かく北ほど冷たい状態です。
さらに風は南風です。
つまり暖かい空気が南から北へ運ばれています。
暖かい空気を運ぶ → 暖気移流
したがって両地点とも暖気移流になります。
覚え方
風向きがどちらの空気を運んでいるかを考えましょう。
- 南風 → 暖気移流
- 北風 → 寒気移流
■ (c) 暖気移流の強さの比較
(c)は地点Aと地点Bで同じです。
ここがこの問題最大の難所です。
多くの受験生は、
地点Aの方が風速が大きいのだから
暖気移流も強いのでは?
と考えてしまいます。
しかし暖気移流は単純な風速では決まりません。
暖気移流を決めるのは、
温度勾配方向の風成分
です。
地点Aは風速が大きい代わりに、温度勾配方向の成分が小さくなります。
一方、地点Bは風速が小さい代わりに、温度勾配方向の成分が大きくなります。
結果として暖気を運ぶ量は同じになります。
ここが最重要ポイント!
実際に学習者が最も疑問に感じるのが、
「風速が大きいのになぜ暖気移流も大きくならないの?」
という点です。
暖気移流は風速そのものではなく、
温度勾配方向の風成分
で決まることを押さえておきましょう。
■ 選択肢ごとの解説
① 正しい
- (a) 地点Aの方が大きい
- (b) 暖気移流
- (c) 地点Aと地点Bで同じ
正しい組み合わせです。
② 誤り
(c)が誤りです。 暖気移流の強さは地点Aの方が大きいわけではありません。
③ 誤り
(b)が誤りです。 寒気移流ではなく暖気移流です。
④ 誤り
(a)が誤りです。 700hPaでは地点Aの方が風速は大きくなります。
⑤ 誤り
(a)(b)(c)すべて誤りです。
■ 選択肢の確認表
| 空欄 | 答え | 判断根拠 |
|---|---|---|
| (a) | 地点Aの方が大きい | 温度風はfに反比例 |
| (b) | 暖気移流 | 南風が暖気を運ぶ |
| (c) | 地点Aと地点Bで同じ | 暖気移流量は等しい |
■ まとめ
- 温度風は低緯度ほど強くなる
- 700hPaの風速は地点Aの方が大きい
- 両地点とも暖気移流である
- 暖気移流は風速ではなく温度勾配方向の風成分で決まる
- 暖気移流の強さは地点Aと地点Bで同じ
正解は①
この問題で必ず押さえたいこと
温度風の問題では、
風速比較
↓
暖気移流・寒気移流判定
↓
移流の強さ比較
の順番で考えると整理しやすくなります。
特に、
風速が大きい
≠
暖気移流が大きい
という点は頻出です。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第64回 一般知識 問6の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
