【第62回 気象予報士試験 一般知識】問7 温度風と平均気温分布をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第62回 気象予報士試験 一般知識 問7を解説します!

この問題は、多くの受験生が苦手とする温度風の問題です。

850hPa面と500hPa面の風速分布から、その間の平均気温分布を推定します。

「温度風の向き」は分かっても、 なぜ風速差が大きい場所ほど気温傾度が大きいのか で止まってしまう受験生が非常に多い問題です。

この問題で重要なポイント

  • 温度風=上層風−下層風
  • 北半球では温度風に背を向けると左が低温、右が高温
  • 温度風が南風なら西が低温、東が高温
  • 風速差が大きい場所ほど気温傾度も大きい
  • 温度風は「気温傾度そのもの」を表している

■ 問題文

図は、北半球のある緯度に沿った領域において地衡風の南風が吹いているときの850hPa面および500hPa面における風速の分布を示している。

この領域における850hPa面と500hPa面との間の平均気温の分布として適切なものを、下段の図①〜⑤の中から1つ選べ。

ただし、850hPa面と500hPa面の風速分布の図および図①〜⑤の東西方向の目盛線の位置はすべて同じものとする。

図

■ 解答

■ 解き方の方針

まずは温度風を考えます。

温度風

500hPaの風

850hPaの風

850hPaでは南風の強さがほぼ一定です。

一方、500hPaでは中央付近ほど南風が強くなっています。

つまり中央付近ほど、 上層と下層の風速差(温度風)が大きい ことになります。

■ まず温度風の向きを考える

500hPaの南風の方が強いので、 温度風は南向きになります。

北半球では、

温度風に背を向ける

左が低温
右が高温

という関係があります。

温度風は南風なので、背を向けると北を向きます。

すると、

左(西)=低温
右(東)=高温

となります。

この時点で、候補は②か③に絞られます。

■ なぜ風速差が大きい場所ほど気温傾度が大きいのか?

ここがこの問題の最大のポイントです。

実は温度風は、 気温傾度そのものを風で表現したもの です。

平均気温が高い場所では、850hPa〜500hPaの層厚は厚くなります。

逆に平均気温が低い場所では、層厚は薄くなります。

暖気

層厚が厚い

寒気

層厚が薄い

もし東西で気温差が大きければ、 層厚の差も大きくなります。

すると500hPa面の高度傾度が強くなり、 上空の地衡風が強くなります。

つまり、

気温傾度が大きい

層厚差が大きい

上層風と下層風の差が大きい

温度風が強い

という関係になります。

言い換えると、

温度風が強い場所

気温傾度が大きい場所

です。

■ 図②と図③のどちらか?

500hPaの風速分布を見ると、 中央付近で最も風速が大きくなっています。

850hPaの風速はほぼ一定です。

したがって、

中央付近で
温度風が最大

となります。

つまり、

中央付近で
気温傾度も最大

でなければなりません。

図②は中央付近で傾きが大きくなっています。

一方、図③は中央付近で傾きが小さくなっています。

したがって正解はです。

■ 選択肢の確認表

選択肢 判定 理由
山型で西低東高になっていない
西低東高かつ中央付近で傾度最大
中央付近で傾度が小さい
東が低温で温度風の向きと逆
山型で温度風の関係と合わない

■ 受験生がつまずくポイント

1. 温度風の向きだけで解こうとする

向きだけだと②と③で迷います。

最後は風速差の大きさを見る必要があります。

2. 温度風と実際の風を混同する

温度風は実際に吹いている風ではありません。

上層風と下層風の差です。

3. 風速差と気温傾度の関係が分からない

ここが最大の難所です。

温度風は気温傾度を風で表現したものです。

したがって、

風速差が大きい

気温傾度が大きい

と考えます。

■ まとめ

  • 温度風=500hPa風−850hPa風
  • 温度風は南風になる
  • 南風の温度風なら西が低温、東が高温
  • 温度風が強い場所ほど気温傾度も大きい
  • 中央付近で風速差が最大なので中央付近で気温傾度も最大
  • 正解は②

正解は②

この問題で必ず押さえたいこと

温度風

上層風−下層風

温度風が強い

気温傾度が大きい

温度風が南風

西が低温
東が高温

温度風の問題では、 「向き」と「強さ」の両方を見ることが重要です。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第62回 一般知識 問7の解説でした!

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