【第62回 気象予報士試験 一般知識】問6 気温傾度と温度移流をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第62回 気象予報士試験 一般知識 問6を解説します!
この問題は、等温線の間隔から水平気温傾度を求め、さらに風による気温の時間変化率を計算する問題です。
ポイントは、等温線の間隔40kmをそのまま東西方向の距離として使わないことです。
この問題で重要なポイント
- 等温線の間隔40kmは、等温線に直交する方向の距離
- 風は西風なので、東西方向の気温傾度を求める
- 交差角30°を使って、東西方向の距離を求める
- 5m/s = 18km/h に換算する
- 西から東へ進むほど気温が高いので、西風では寒気移流になる
■ 問題文
大気中の点Aにおける気温変化について述べた次の文章の空欄(a)、(b)に入る数値の組み合わせとして適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
ただし、風速と水平方向の気温傾度はどこでも一様とし、sin30°=0.50、cos30°=0.87 とする。
ある高度の水平面上で、図のように10℃と14℃の等温線が40kmの間隔で平行に並び、いずれも東西方向と30°の角度で交差している。 また、この水平面では風速5m/sの西風が吹いている。
このとき、2本の等温線の中間にある点Aにおける東西方向の気温傾度は、1kmあたり (a) ℃である。 また、点Aにおける移流による気温の時間変化率は、1時間あたり (b) ℃である。
| (a) | (b) | |
|---|---|---|
| ① | 0.05 | −0.9 |
| ② | 0.05 | −0.25 |
| ③ | 0.087 | −1.6 |
| ④ | 0.1 | −1.8 |
| ⑤ | 0.1 | −0.5 |
■ 解答
①
(a) 0.05
(b) −0.9
■ 解き方の方針
この問題は、次の順番で解くと整理しやすいです。
① 等温線の間隔40kmを確認
↓
② 東西方向の距離に直す
↓
③ 気温差4℃を距離で割る
↓
④ 風速5m/sを18km/hに直す
↓
⑤ 気温傾度×風速で時間変化率を求める
■ (a) 東西方向の気温傾度を求める
10℃と14℃の等温線の気温差は、
14℃ − 10℃ = 4℃
です。
ただし、問題文の40kmは、等温線どうしの最短距離です。
つまり、等温線に直交する方向の距離です。
今回求めるのは東西方向の気温傾度なので、東西方向に見たときの等温線間の距離を求める必要があります。
等温線は東西方向と30°で交差しています。
図の関係から、
40km = 東西方向の距離 × sin30°
東西方向の距離 = 40 ÷ 0.50 = 80km
したがって、東西方向に80km進むと、気温は4℃変化します。
よって、東西方向の気温傾度は、
4℃ ÷ 80km = 0.05℃/km
したがって、(a)は0.05です。
ここがひっかけ!
40kmをそのまま使って、
4℃ ÷ 40km = 0.1℃/km
としてしまうと誤りです。
40kmは等温線に直交する方向の距離であり、東西方向の距離ではありません。
■ (b) 移流による気温の時間変化率を求める
次に、風速5m/sをkm/hに換算します。
5m/s
= 5 × 3.6km/h
= 18km/h
東西方向の気温傾度は、1kmあたり0.05℃です。
風は1時間に18km進むので、1時間あたりの気温変化の大きさは、
0.05℃/km × 18km/h
= 0.9℃/h
あとは符号を考えます。
図では、西側に10℃、東側に14℃の等温線があります。
つまり、東へ行くほど気温が高くなります。
風は西風なので、西から東へ空気が流れています。
点Aには、西側の低温側の空気が流れ込むことになります。
そのため、点Aの気温は下がります。
符号の考え方
西側:10℃で低温
東側:14℃で高温
西風:西から東へ吹く
↓
低温側の空気が流入
↓
気温は低下
↓
符号はマイナス
したがって、(b)は−0.9℃/hです。
■ 選択肢の確認表
| 選択肢 | (a) | (b) | 判定 | 理由 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 0.05 | −0.9 | 正 | 東西方向の距離80km、寒気移流で符号はマイナス |
| ② | 0.05 | −0.25 | 誤 | 気温傾度は正しいが、風速換算と移流量が合わない |
| ③ | 0.087 | −1.6 | 誤 | cos30°を不適切に使った値になっている |
| ④ | 0.1 | −1.8 | 誤 | 40kmをそのまま東西距離として使っている |
| ⑤ | 0.1 | −0.5 | 誤 | 気温傾度も時間変化率も不適切 |
■ 受験生がつまずくポイント
1. 40kmをそのまま使ってしまう
問題で与えられた40kmは、等温線の間隔です。
東西方向の距離ではないため、sin30°を使って80kmに直す必要があります。
2. sin30°とcos30°を迷う
等温線が東西方向と30°で交差しているため、等温線間の直交距離40kmは、東西方向の距離の sin30° 倍になります。
そのため、40 ÷ sin30° = 80km です。
3. 5m/sをkm/hに換算し忘れる
1m/s = 3.6km/h なので、
5m/s = 18km/h
です。
4. 符号を逆にする
西風は「西から東へ吹く風」です。
西側が低温なので、点Aには低温側の空気が流れ込みます。
したがって、気温変化率はマイナスです。
■ まとめ
- 等温線の間隔40kmは、東西方向の距離ではない
- 東西方向の等温線間隔は 40÷sin30° = 80km
- 気温差4℃なので、東西方向の気温傾度は 4÷80 = 0.05℃/km
- 風速5m/sは18km/h
- 移流による気温変化率は 0.05×18 = 0.9℃/h
- 西風により低温側の空気が流入するため、符号はマイナス
正解は①
(a) 0.05
(b) −0.9
この問題で必ず押さえたいこと
等温線間隔40km
↓
東西方向ではない
↓
40 ÷ sin30° = 80km
4℃ ÷ 80km
= 0.05℃/km
0.05 × 18
= 0.9℃/h
寒気移流なので
−0.9℃/h
気温傾度の問題では、距離の向きと風向を必ず確認しましょう。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第62回 一般知識 問6の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
