【第62回 気象予報士試験 一般知識】問8 地球大気の大循環をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第62回 気象予報士試験 一般知識 問8を解説します!
この問題はハドレー循環・フェレル循環・極循環という地球規模の大循環について問う問題です。
単なる暗記ではなく、 「どこで上昇し、どこで下降するのか」 「直接循環なのか間接循環なのか」 「傾圧不安定波とプラネタリー波の違い」 まで理解しているかが問われています。
この問題で重要なポイント
- ハドレー循環の下降域は20〜30°付近
- 亜熱帯高圧帯は世界の砂漠帯と対応する
- フェレル循環は間接循環
- 傾圧不安定波は数千km規模
- 10000km以上はプラネタリー波(ロスビー波)
■ 問題文
地球大気の風や温度などの物理量を経度方向に帯状平均した子午面内における大循環の構造について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) ハドレー循環の下降流域は、1年を通じて緯度40度から50度付近にあり、この緯度帯では降水量が少ない。
(b) フェレル循環は、水平スケールが10000kmを超える傾圧不安定波が発達する傾圧性の強い緯度帯にみられる。
(c) フェレル循環は、高温域で下降し低温域で上昇する間接循環となっている。
| (a) | (b) | (c) | |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 誤 |
| ③ | 誤 | 正 | 正 |
| ④ | 誤 | 正 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 正 |
■ 解答
⑤
(a) 誤
(b) 誤
(c) 正
■ 解き方の方針
まずは地球の三圏循環を整理しましょう。
| 循環 | 緯度帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハドレー循環 | 0〜30° | 直接循環 |
| フェレル循環 | 30〜60° | 間接循環 |
| 極循環 | 60〜90° | 直接循環 |
試験では特に ハドレー循環の下降域と フェレル循環は間接循環 が頻出です。
■ (a) ハドレー循環の下降域は20〜30°付近
(a)は誤りです。
ハドレー循環では、 赤道付近で強い日射によって空気が上昇し、 上空で極側へ流れた後、 緯度20〜30°付近で下降します。
赤道付近
↑ 上昇
20〜30°付近
↓ 下降
この下降域は亜熱帯高圧帯と呼ばれ、 雲ができにくく降水量が少なくなります。
世界の大砂漠が20〜30°付近に多いのはこのためです。
| 地域 | 緯度帯 |
|---|---|
| サハラ砂漠 | 20〜30°N |
| アラビア砂漠 | 20〜30°N |
| オーストラリア砂漠 | 20〜30°S |
受験生がつまずくポイント
降水量が少ないという部分は正しいため、 40〜50°という数字を見落としやすいです。
砂漠帯=20〜30°付近 をセットで覚えましょう。
したがって(a)は誤です。
■ (b) 傾圧不安定波とプラネタリー波を区別する
(b)は誤りです。
フェレル循環は傾圧不安定波による熱輸送によって維持されています。
ここでいう傾圧不安定波とは、 温帯低気圧を生み出す波動です。
しかし、その水平スケールは通常、 数千km程度です。
| 波動 | 代表的スケール |
|---|---|
| メソスケール擾乱 | 数十〜数百km |
| 傾圧不安定波 | 数千km |
| プラネタリー波(ロスビー波) | 10000km以上 |
私たちが確認したように、 10000kmを超える規模になると 傾圧不安定波ではなく、 プラネタリー波(ロスビー波) になります。
ここが超重要!
数千km
↓
傾圧不安定波
10000km以上
↓
プラネタリー波
この区別は専門知識でも頻出です。
したがって(b)は誤です。
■ (c) フェレル循環は間接循環
(c)は正しいです。
ハドレー循環や極循環は、 暖かい場所で上昇し、 寒い場所で下降する直接循環です。
しかしフェレル循環は違います。
高温域
↓ 下降
低温域
↑ 上昇
つまり、 暖かい場所で下降し、 寒い場所で上昇するという、 熱力学的には逆向きの循環になっています。
これを間接循環と呼びます。
| 循環 | 種類 |
|---|---|
| ハドレー循環 | 直接循環 |
| フェレル循環 | 間接循環 |
| 極循環 | 直接循環 |
ここは暗記でOK
フェレル循環だけが間接循環です。
試験では何度も出題されています。
したがって(c)は正です。
■ 選択肢の確認表
| 記号 | 正誤 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| (a) | 誤 | 下降域は20〜30°付近 |
| (b) | 誤 | 10000km以上はプラネタリー波 |
| (c) | 正 | フェレル循環は間接循環 |
■ 受験生がつまずくポイント
1. 三圏循環の位置関係が曖昧
ハドレー循環:0〜30°
フェレル循環:30〜60°
極循環:60〜90°
まずはこれを覚えましょう。
2. 傾圧不安定波とロスビー波を混同する
数千km → 傾圧不安定波
10000km以上 → プラネタリー波
と整理しましょう。
3. フェレル循環を直接循環だと思う
フェレル循環だけが間接循環です。
ここは頻出ポイントです。
■ まとめ
- ハドレー循環の下降域は20〜30°付近
- 亜熱帯高圧帯では降水量が少ない
- 傾圧不安定波は数千km規模
- 10000km以上はプラネタリー波(ロスビー波)
- フェレル循環は間接循環
正解は⑤
(a) 誤・(b) 誤・(c) 正
この問題で必ず押さえたいこと
ハドレー循環
↓
20〜30°で下降
傾圧不安定波
↓
数千km規模
プラネタリー波
↓
10000km以上
フェレル循環
↓
間接循環
大循環は「位置」と「直接循環か間接循環か」を整理すると一気に解きやすくなります。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第62回 一般知識 問8の解説でした!
訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
