【第62回 気象予報士試験 一般知識】問11 気候変動と地球温暖化をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第62回 気象予報士試験 一般知識 問11を解説します!

この問題は、地球温暖化や気候変動に関する基本知識を問う問題です。

アルベド、永久凍土、火山噴火、フロンガスなど、気候変動の分野でよく出題されるテーマが並んでいます。

この問題で重要なポイント

  • アルベドが大きくなると、太陽放射の反射が増えて気温は下がりやすい
  • 永久凍土の融解によりメタンが放出され、温暖化を加速する可能性がある
  • 火山灰が対流圏に2〜3年残るわけではない
  • 成層圏に入った火山性エーロゾルは数年規模で影響することがある
  • フロンガスはオゾン破壊物質であり、強力な温室効果ガスでもある

■ 問題文

気候変動や地球温暖化について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 地表面状態の変化により地球のアルベドが大きくなると、全球平均気温が上昇する。

(b) 永久凍土が融解すると、永久凍土に閉じ込められている温室効果ガスのひとつであるメタンが大気中に放出され、温暖化が加速される。

(c) 大規模な火山噴火により対流圏に大量に放出された火山灰は2、3年程度対流圏に留まり、その間日射を散乱させて全球平均気温を低下させる。

(d) 成層圏でオゾンを破壊するフロンガスは、単位質量あたりの温室効果が二酸化炭素に比べて極めて高い。

(a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a) 誤
(b) 正
(c) 誤
(d) 正

■ 解き方の方針

この問題は、気候変動に関係する用語の「向き」を正しく押さえることが大切です。

アルベド増加

反射増加

気温低下方向

永久凍土融解

メタン放出

温暖化加速

成層圏エーロゾル

日射散乱

気温低下方向

特に(c)は、「火山灰」と「成層圏エーロゾル」を混同しやすいので注意しましょう。

■ (a) アルベドが大きくなると気温は下がりやすい

(a)は誤りです。

アルベドとは、太陽放射をどれだけ反射するかを表す割合です。

アルベドが大きいほど、地球が太陽放射を多く反射することになります。

そのため、地球が吸収する太陽エネルギーは少なくなります。

アルベド増加

太陽放射の反射が増える

地球が吸収するエネルギーが減る

全球平均気温は低下しやすい

問題文では、アルベドが大きくなると全球平均気温が上昇するとしています。

これは逆です。

したがって(a)はです。

■ (b) 永久凍土の融解でメタンが放出される

(b)は正しいです。

永久凍土には、有機物やメタンなどの温室効果ガスが閉じ込められています。

温暖化により永久凍土が融解すると、閉じ込められていたメタンが大気中に放出されることがあります。

メタンは二酸化炭素よりも単位質量あたりの温室効果が強い温室効果ガスです。

そのため、永久凍土の融解は温暖化をさらに加速させる可能性があります。

ここが重要!

温暖化

永久凍土融解

メタン放出

さらに温暖化

このように、変化がさらに同じ方向へ進む仕組みを正のフィードバックと考えることができます。

したがって(b)はです。

■ (c) 火山灰が対流圏に2〜3年留まるわけではない

(c)は誤りです。

大規模火山噴火では、火山灰や火山ガスが大気中に放出されます。

しかし、対流圏に放出された火山灰は、降水や重力沈降によって比較的短期間で除去されます。

2〜3年程度にわたって気候に影響するのは、主に成層圏に到達した硫酸エーロゾルなどです。

ここがひっかけ!

問題文では「対流圏に大量に放出された火山灰が2、3年程度対流圏に留まる」としています。

しかし、長く残って日射を散乱するのは、対流圏の火山灰ではなく、主に成層圏に達した微粒子・エーロゾルです。

物質・場所 特徴
対流圏の火山灰 比較的短期間で除去されやすい
成層圏エーロゾル 数年規模で残り、日射を散乱することがある

したがって(c)はです。

■ (d) フロンガスは強力な温室効果ガスでもある

(d)は正しいです。

フロンガスは、成層圏でオゾンを破壊する物質としてよく知られています。

しかし、それだけではありません。

フロンガスは赤外線を強く吸収するため、温室効果ガスとしても重要です。

単位質量あたりの温室効果は、二酸化炭素に比べて非常に大きいものがあります。

フロンガス

オゾン破壊物質

強力な温室効果ガス

したがって(d)はです。

■ 選択肢の確認表

記号 正誤 判断ポイント
(a) アルベド増加は気温低下方向に働く
(b) 永久凍土融解でメタンが放出され、温暖化を加速する可能性がある
(c) 長期間残るのは対流圏の火山灰ではなく、主に成層圏エーロゾル
(d) フロンガスは単位質量あたりの温室効果が二酸化炭素より大きい

■ 受験生がつまずくポイント

1. アルベドの向きを逆に覚える

アルベドが大きいほど反射が増えます。

反射が増えると、地球が吸収する太陽エネルギーは減るため、気温は下がりやすくなります。

2. 火山灰と成層圏エーロゾルを混同する

対流圏の火山灰は長期間残りにくいです。

数年規模で影響するのは、主に成層圏に入ったエーロゾルです。

3. フロンガスをオゾン破壊だけで覚える

フロンガスはオゾン破壊物質であると同時に、強力な温室効果ガスでもあります。

■ まとめ

  • (a) アルベドが大きくなると反射が増え、全球平均気温は低下しやすいため誤り
  • (b) 永久凍土の融解でメタンが放出され、温暖化が加速される可能性があるため正しい
  • (c) 対流圏の火山灰が2〜3年留まるわけではないため誤り
  • (d) フロンガスは二酸化炭素より単位質量あたりの温室効果が極めて高いものがあるため正しい

正解は⑤

(a) 誤・(b) 正・(c) 誤・(d) 正

この問題で必ず押さえたいこと

アルベド増加
= 反射増加
= 気温低下方向

永久凍土融解
= メタン放出
= 温暖化加速

フロンガス
= オゾン破壊

強力な温室効果ガス

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第62回 一般知識 問11の解説でした!

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