【第61回 気象予報士試験 一般知識】問11 二酸化炭素と温室効果気体をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第61回 気象予報士試験 一般知識 問11を解説します!

この問題は、温室効果気体である二酸化炭素についての基本知識を問う問題です。

ポイントは、人為的に排出された二酸化炭素がすべて大気中に残るわけではないこと、そして南極のような人間活動の少ない地域でも二酸化炭素濃度は増加していることです。

この問題で重要なポイント

  • 人為的に排出された二酸化炭素のすべてが大気中に蓄積するわけではない
  • 二酸化炭素は大気中に混合され、南極などでも濃度上昇が観測される
  • 温室効果気体には、二酸化炭素のほか、水蒸気、メタン、一酸化二窒素などがある
  • 水蒸気も重要な温室効果気体である
  • 海洋は二酸化炭素を吸収するが、酸性化が進むと吸収能力に影響する

■ 問題文

温室効果気体である二酸化炭素について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 化石燃料の消費などで人為的に排出された二酸化炭素の約90%が大気中に蓄積されている。

(b) 大気中の二酸化炭素濃度の年増加率は、場所によって大きく異なり、人間活動がほとんどない南極域では増加は認められない。

(c) 大気の成分で主要な温室効果を持つのは二酸化炭素であり、その他の温室効果気体であるメタン、一酸化二窒素、水蒸気などは相対的に小さな効果しか持たない。

(d) 大気中の二酸化炭素は一部が海洋に吸収されるが、海洋の酸性化が進み海水のpHが小さくなると海洋の二酸化炭素吸収量は減少する。

選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a) 誤、(b) 誤、(c) 誤、(d) 正です。

■ 解き方の方針

この問題は、二酸化炭素について次の4点を確認する問題です。

排出されたCO2は
どれくらい大気に残るか

CO2濃度は
南極でも増えているか

温室効果気体は
CO2だけでよいか

海洋酸性化は
CO2吸収にどう影響するか

特に、「90%」「南極では増加しない」「水蒸気などは小さい効果しか持たない」のような断定表現に注意します。

■ (a) 人為的に排出された二酸化炭素の約90%が大気中に蓄積するか

(a)は誤りです。

化石燃料の消費などで人為的に排出された二酸化炭素の一部は大気中に残ります。

しかし、すべてが大気中に蓄積されるわけではありません。

海洋や陸上生態系にも吸収されます。

人為起源CO2

一部は大気中に残る

一部は海洋・陸域に吸収される

したがって、「約90%が大気中に蓄積されている」という記述は大きすぎます。

よって、(a)は誤です。

■ (b) 南極では二酸化炭素濃度の増加が認められないか

(b)は誤りです。

二酸化炭素は大気中で混合されるため、人間活動が少ない南極域でも濃度の増加は観測されます。

たしかに、観測地点によって季節変化や細かな差はあります。

しかし、長期的な増加傾向は全球的に見られます。

ここがひっかけポイントです。

「南極は人間活動が少ないから、二酸化炭素濃度は増えない」と考えると誤ります。

二酸化炭素は発生源の近くだけにとどまるのではなく、大気中で広く混合されます。

したがって、(b)は誤です。

■ (c) 温室効果気体は二酸化炭素だけが主要なのか

(c)は誤りです。

二酸化炭素は重要な温室効果気体です。

しかし、温室効果気体は二酸化炭素だけではありません。

水蒸気、メタン、一酸化二窒素なども温室効果に関わります。

特に水蒸気は、大気中の温室効果に大きく関わる気体です。

温室効果気体

二酸化炭素
水蒸気
メタン
一酸化二窒素 など

したがって、「その他の温室効果気体は相対的に小さな効果しか持たない」とまとめるのは不適切です。

よって、(c)は誤です。

■ (d) 海洋酸性化と二酸化炭素吸収

(d)は正しいです。

大気中の二酸化炭素の一部は海洋に吸収されます。

しかし、二酸化炭素が海水に溶けると、海洋の酸性化が進みます。

海水のpHが小さくなると、海洋がさらに二酸化炭素を吸収する能力は低下しやすくなります。

大気中CO2

一部は海洋へ吸収

海洋酸性化

pH低下

CO2吸収能力が低下

したがって、(d)は正です。

■ 選択肢の確認表

選択肢 判定 理由
(a)(b)(c)が誤であるため
(a)は誤であるため
(b)(c)は誤、(d)は正であるため
(c)は誤、(d)は正であるため
(a)誤、(b)誤、(c)誤、(d)正で一致するため

■ 受験生がつまずくポイント

1. 排出されたCO2がほとんど大気に残ると思ってしまう

二酸化炭素は大気中に増加していますが、排出量のほとんどがそのまま大気中に残るわけではありません。

海洋や陸域にも吸収されます。

2. 南極では人間活動が少ないから増えないと思ってしまう

二酸化炭素は大気中で混合されます。

そのため、発生源から遠い南極でも二酸化炭素濃度の増加は観測されます。

3. 温室効果気体=二酸化炭素だけと考えてしまう

二酸化炭素は非常に重要ですが、水蒸気、メタン、一酸化二窒素なども温室効果気体です。

特に水蒸気は大気中の温室効果に大きく関わります。

4. 海洋はいつまでも同じ量のCO2を吸収できると思ってしまう

海洋は二酸化炭素を吸収しますが、酸性化が進むと吸収能力に影響が出ます。

「海が吸収するから大気中には増えない」と単純には考えられません。

■ まとめ

  • (a) 人為的に排出された二酸化炭素の約90%が大気中に蓄積されるわけではないため誤
  • (b) 南極域でも二酸化炭素濃度の増加は認められるため誤
  • (c) 水蒸気、メタン、一酸化二窒素なども重要な温室効果気体であるため誤
  • (d) 海洋酸性化が進むと二酸化炭素吸収量は減少しやすいため正
  • 正しい組み合わせは、誤・誤・誤・正
  • 正解は⑤

正解は⑤

この問題で必ず押さえたいこと

人為起源CO2

全部が大気に残るわけではない

海洋・陸域にも吸収

CO2濃度

南極でも増加する

温室効果気体

CO2だけでなく
水蒸気・メタン・一酸化二窒素も重要

海洋酸性化

pH低下

CO2吸収能力に影響

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第61回 一般知識 問11の解説でした!

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