【第60回 気象予報士試験 専門知識】問14 ME・RMSE・見逃し率をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第60回気象予報士試験 専門知識 問14を解説します!
この問題は、最高気温予報の検証について、平均誤差ME、RMSE、真夏日の見逃し率を判断する問題です。
この問題で重要なポイント
- MEは「予報−実況」の平均で、予報の偏りを見る
- MEが正なら、予報は実況より高めに出ている
- RMSEは、予報誤差の標準的な大きさを見る
- RMSEは誤差を2乗するので、大きな外れが強く効く
- 見逃し率は「実況では発生したのに、予報できなかった割合」
- 真夏日は、日最高気温30℃以上の日
- 見逃し率では、まず実況が30℃以上の日だけを数える
■ 問題文
表は、ある期間のA地点とB地点における日最高気温の予報と実況を示したものである。 予報の検証について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。 ただし、見逃し率は全予報数に対する割合とする。
(a) この期間の最高気温の予報について、系統的な偏りを平均誤差(ME)により求めると、どちらの地点も正の偏りがある。
(b) この期間の最高気温の予報について、予報誤差の標準的な大きさを2乗平均平方根誤差(RMSE)により求めると、B地点の方がA地点よりも予報誤差が大きい。
(c) この期間の真夏日の予報の見逃し率は、B地点の方がA地点よりも低い。
A地点
| 日付 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予報(℃) | 27 | 27 | 29 | 34 | 33 | 32 | 30 |
| 実況(℃) | 23 | 29 | 32 | 33 | 28 | 34 | 32 |
B地点
| 日付 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予報(℃) | 30 | 28 | 31 | 34 | 30 | 29 | 30 |
| 実況(℃) | 26 | 30 | 33 | 32 | 30 | 31 | 28 |
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 誤 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 誤 |
| ③ | 誤 | 正 | 正 |
| ④ | 誤 | 正 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 誤 |
■ 解答
②
(a) 正
(b) 誤
(c) 誤
■ 解き方の方針
この問題は、いきなり選択肢を読むのではなく、まず予報誤差=予報−実況を出します。
予報誤差
↓
予報 − 実況
ME
↓
誤差の平均
RMSE
↓
誤差を2乗して平均し、平方根をとる
見逃し率
↓
実況が30℃以上なのに、予報が30℃未満
特に見逃し率は、予報が外れた日全部ではなく、真夏日を予報できなかった日を見るのがポイントです。
■ まず予報誤差を整理する
| 地点 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A地点 予報−実況 | +4 | -2 | -3 | +1 | +5 | -2 | -2 |
| B地点 予報−実況 | +4 | -2 | -2 | +2 | 0 | -2 | +2 |
■ (a) MEで見ると、どちらも正の偏りがあるか
(a)は正しいです。
MEは、予報誤差の平均です。
A地点の誤差の合計は、
4 – 2 – 3 + 1 + 5 – 2 – 2 = +1
なので、MEは正です。
B地点の誤差の合計は、
4 – 2 – 2 + 2 + 0 – 2 + 2 = +2
なので、こちらもMEは正です。
MEの意味
MEが正
↓
予報 − 実況 がプラス
↓
予報が実況より高め
したがって、どちらの地点も正の偏りがあり、(a)は正しいです。
■ (b) RMSEはB地点の方が大きいか
(b)は誤りです。
RMSEは、誤差を2乗して平均し、最後に平方根をとる指標です。
A地点の誤差の2乗和は、
16 + 4 + 9 + 1 + 25 + 4 + 4 = 63
B地点の誤差の2乗和は、
16 + 4 + 4 + 4 + 0 + 4 + 4 = 36
平方根をとる前の段階で、A地点の方が大きいことが分かります。 つまり、RMSEもA地点の方が大きくなります。
ここがひっかけです。
A地点
↓
5℃の大きな外れがある
↓
2乗すると25
↓
RMSEが大きくなりやすい
問題文では「B地点の方がA地点よりも予報誤差が大きい」としているため、(b)は誤りです。
■ (c) 真夏日の見逃し率はB地点の方が低いか
(c)は誤りです。
真夏日は、日最高気温が30℃以上の日です。
見逃しとは、実況では真夏日だったのに、予報では真夏日になっていなかった場合です。
真夏日の見逃し
実況30℃以上
+
予報30℃未満
↓
見逃し
A地点で実況が30℃以上の日は、3日・4日・6日・7日の4回です。
- 3日:実況32℃、予報29℃ → 見逃し
- 4日:実況33℃、予報34℃ → 見逃しではない
- 6日:実況34℃、予報32℃ → 見逃しではない
- 7日:実況32℃、予報30℃ → 見逃しではない
A地点の見逃しは1回です。
B地点で実況が30℃以上の日は、2日・3日・4日・5日・6日の5回です。
- 2日:実況30℃、予報28℃ → 見逃し
- 3日:実況33℃、予報31℃ → 見逃しではない
- 4日:実況32℃、予報34℃ → 見逃しではない
- 5日:実況30℃、予報30℃ → 見逃しではない
- 6日:実況31℃、予報29℃ → 見逃し
B地点の見逃しは2回です。
したがって、B地点の方が見逃しが多く、見逃し率も低いとはいえません。
よって、(c)は誤りです。
■ 選択肢確認表
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | A地点もB地点も、予報誤差の合計が正であり、MEは正になるため。 |
| (b) | 誤 | 誤差の2乗和はA地点63、B地点36であり、RMSEはA地点の方が大きいため。 |
| (c) | 誤 | 真夏日の見逃しはA地点1回、B地点2回であり、B地点の方が低いとはいえないため。 |
以上より、正しい組み合わせは②です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. MEを「誤差の大きさ」と思ってしまう
MEは誤差の平均なので、正負が打ち消し合います。
予報が高めか低めかという系統的な偏りを見る指標です。
2. RMSEで2乗する意味を忘れてしまう
RMSEでは誤差を2乗します。
そのため、大きな外れがあると値が大きくなりやすいです。 A地点の5℃の誤差は、2乗すると25として効いてきます。
3. 真夏日を「30℃より大きい」と考えてしまう
真夏日は日最高気温が30℃以上の日です。
30℃ちょうども真夏日に含まれます。
4. 見逃し率の分母を間違える
見逃し率では、まず実況で真夏日だった日を確認します。
そのうえで、予報が30℃未満だった日を見逃しとして数えます。
5. 表を見て印象で判断してしまう
この問題は、表の数字が多く、感覚で判断すると間違えやすいです。
ME、RMSE、見逃し率の順に、手を動かして整理することが大切です。
■ まとめ
- MEは、予報−実況の平均で、予報の偏りを見る
- A地点もB地点もMEは正で、予報は高めの偏りがある
- RMSEは、誤差を2乗して平均し平方根をとる
- 誤差の2乗和はA地点63、B地点36で、A地点の方がRMSEは大きい
- 真夏日は30℃以上の日
- 真夏日の見逃しは、A地点1回、B地点2回
正解は②
(a) 正
(b) 誤
(c) 誤
この問題で必ず押さえたいこと
ME
↓
予報−実況の平均
↓
正なら高め、負なら低め
RMSE
↓
誤差を2乗
↓
大きな外れが強く効く
見逃し
↓
実況30℃以上
なのに
予報30℃未満
予報検証の問題では、何を評価する指標なのかを分けて考えることが重要です。 MEは偏り、RMSEは誤差の大きさ、見逃し率は現象を予報できなかった割合です。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第60回 専門知識 問14の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
