【第60回 気象予報士試験 専門知識】問12 特別警報・警報・注意報をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第60回気象予報士試験 専門知識 問12を解説します!

この問題は、気象庁が発表する特別警報・警報・注意報についての問題です。

特に、大雪特別警報地震後の暫定基準融雪による災害の扱いが問われています。

警報・注意報の問題は、言葉の印象だけで判断すると間違えやすいです。 「何の災害に対して、どの情報が出るのか」を丁寧に分けて考えましょう。

この問題で重要なポイント

  • 大雪特別警報は、降雪量だけでなく積雪深も関係する
  • 「50年に1度程度」の値が判断指標として用いられる
  • 大きな地震後は、災害リスクが高まるため基準を暫定的に引き下げることがある
  • 堤防損壊などがあると、通常より少ない雨でも洪水害が発生しやすい
  • 融雪による土砂災害・浸水害は融雪注意報の対象
  • 融雪による洪水のおそれがある場合は、洪水注意報の対象になる
  • 「融雪注意報だけで、大雨注意報や洪水注意報は出ない」と考えない

■ 問題文

気象庁が発表する特別警報、警報、注意報について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 大雪特別警報の発表を判断するための指標には、24時間降雪量が用いられており、府県程度の広がりをもって50年に1度程度の降雪量が予想される場合に大雪特別警報が発表され、積雪深は考慮されていない。

(b) 大きな地震が発生して堤防の損壊などの被害があった場合、普段なら災害が発生しない程度の雨でも洪水害が発生する可能性がある。このような場合は、洪水警報や洪水注意報の発表基準を暫定的に下げて運用する。

(c) 積雪が多い地域では、春先に気温が上昇し降雨があると雪融けが進み、普段なら災害が発生しない程度の雨でも土砂災害や浸水害、洪水害が発生することがある。このような災害は融雪注意報の対象であり、大雨注意報や洪水注意報は発表されない。

選択肢 (a) (b) (c)

■ 解答

(a) 誤
(b) 正
(c) 誤

■ 解き方の方針

この問題は、次の3つを分けて考えると整理しやすいです。

(a)
大雪特別警報の判断指標

(b)
地震後などの暫定基準

(c)
融雪による災害と注意報の種類

受験生がつまずきやすいのは、「融雪による災害だから融雪注意報だけ」と考えてしまうことです。

実際には、融雪によって洪水のおそれがある場合には、洪水注意報なども関係します。

■ (a) 大雪特別警報では積雪深は考慮されないか

(a)は誤りです。

大雪特別警報は、重大な災害が発生するおそれが著しく大きい場合に発表されます。

大雪特別警報の判断には、降雪量だけでなく、積雪深も関係します。

ここがひっかけです。

大雪特別警報

降雪量だけで判断
ではない

積雪深も考慮される

問題文では「積雪深は考慮されていない」としているため、この部分が誤りです。

したがって、(a)は誤りです。

■ (b) 地震後に洪水警報・注意報の基準を暫定的に下げるか

(b)は正しいです。

大きな地震が発生すると、堤防や地盤などに被害が出ることがあります。

このような状態では、普段なら災害が発生しない程度の雨でも、洪水害が発生する可能性があります。

地震後の暫定基準のイメージ

大きな地震

堤防・地盤などが弱くなる

少ない雨でも災害リスクが高まる

警報・注意報の基準を暫定的に下げる

そのため、洪水警報や洪水注意報の発表基準を暫定的に下げて運用することがあります。

したがって、(b)は正しいです。

■ (c) 融雪による災害では大雨注意報や洪水注意報は発表されないか

(c)は誤りです。

積雪が多い地域では、春先に気温が上がったり雨が降ったりすると、雪融けが進みます。

融雪によって、土砂災害、浸水害、洪水害が発生することがあります。

融雪による災害は融雪注意報の対象になりますが、問題文のように大雨注意報や洪水注意報が発表されないとするのは不適切です。

ここで止まりやすいポイント

融雪が原因

融雪注意報だけ
ではない

洪水のおそれ

洪水注意報の対象になる

特に、融雪によって河川が増水し、洪水のおそれがある場合は、洪水注意報が発表されることがあります。

したがって、(c)は誤りです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 大雪特別警報の判断では、降雪量だけでなく積雪深も考慮されるため。
(b) 大きな地震後など災害リスクが高い場合、洪水警報・注意報の基準を暫定的に下げることがあるため。
(c) 融雪による洪水のおそれがある場合は、洪水注意報の対象となるため。

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 大雪特別警報を降雪量だけで判断すると考えてしまう

大雪という言葉から、24時間降雪量だけを見ればよいと思いやすいです。

しかし、実際には積雪深も重要です。 「どれだけ新しく降るか」と「すでにどれだけ積もっているか」の両方が災害リスクに関係します。

2. 地震後の暫定基準の意味がイメージしにくい

地震で堤防や地盤が弱っていると、通常より少ない雨でも災害が起きやすくなります。

そのため、警報や注意報を早めに出せるよう、基準を暫定的に下げることがあります。

3. 融雪注意報だけで完結すると考えてしまう

融雪が関係する災害だからといって、必ず融雪注意報だけで対応するわけではありません。

融雪によって洪水のおそれがある場合は、洪水注意報も関係します。

4. 「原因」と「発生する災害」を混同する

原因が融雪であっても、起こる災害が洪水なら洪水注意報の対象になります。

警報・注意報では、「何が原因か」だけでなく「どの災害のおそれがあるか」を確認しましょう。

5. 文末の断定表現を見落とす

(c)は前半だけ読むと正しそうです。

しかし、最後の「大雨注意報や洪水注意報は発表されない」が誤りです。 正誤問題では、最後まで読んで判断することが大切です。

■ まとめ

  • 大雪特別警報では、降雪量だけでなく積雪深も考慮される
  • 大きな地震後などは、普段より少ない雨でも災害が発生しやすい
  • そのため、洪水警報・注意報などの基準を暫定的に下げることがある
  • 融雪による災害は融雪注意報の対象になる
  • 融雪による洪水のおそれがある場合は、洪水注意報の対象にもなる

正解は④

(a) 誤
(b) 正
(c) 誤

この問題で必ず押さえたいこと

大雪特別警報

降雪量だけではない

積雪深も考慮

大きな地震後

堤防・地盤などが弱る

少ない雨でも災害リスク

基準を暫定的に下げる

融雪

土砂災害・浸水害・洪水害

融雪注意報だけでなく
洪水注意報も関係する

警報・注意報の問題では、原因ではなく、どの災害のおそれがあるかを意識して判断しましょう。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第60回 専門知識 問12の解説でした!

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