【第58回 気象予報士試験 一般知識】問9 晴れた日の海陸風をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第58回気象予報士試験 一般知識 問9を解説します!

この問題は、晴れた日に発達する海風・陸風の特徴を問う問題です。

ポイントは、海風を「海から陸へ吹く風」とだけ覚えず、陸と海の温度差によって生じる局地循環として理解することです。

この問題で重要なポイント

  • 海風は日中、陸が海より暖まりやすいことで発生する
  • 陸面が乾燥しているほど顕熱加熱が大きくなり、海風は強くなりやすい
  • 海風層の上には、陸から海へ戻る反流がある
  • 海風の最大風速は、一般に陸風より大きい
  • 海風の層の厚さは、一般に陸風より厚い
  • 湿った陸面では蒸発に熱が使われ、陸面の昇温が抑えられる
  • 海陸風は、地表付近だけでなく鉛直循環として考える

■ 問題文

晴れた日の海陸風について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)一般に、陸面が湿っている場合は乾燥している場合よりも海風の風速が大きくなる。

(b)海風が吹いているとき、地表面付近では海上の気圧の方が陸上より高いが、海風層の上では気圧傾度が逆になり、陸から海に向かう反流といわれる風が吹く。

(c)海陸風の最大風速は、一般に、海風より陸風の方が大きい。

(d)一般に、海陸風の層の厚さは、海風より陸風の方が厚い。

選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a)誤
(b)正
(c)誤
(d)誤

■ 解き方の方針

海陸風は、陸と海の暖まりやすさの違いから生じます。

日中

陸が海より暖まりやすい

陸上で気圧が低くなる

地表付近では海から陸へ風が吹く

これが海風

ただし、空気は地表付近で海から陸へ流れ込むだけでは終わりません。 上空では陸から海へ戻る流れがあり、これを反流といいます。

■ (a)陸面が湿っている方が海風は強くなるか

(a)は誤りです。

海風は、日中に陸面が海面より強く暖められることで発生します。

陸面が乾燥していると、太陽から受けたエネルギーが地表や空気を暖める顕熱に使われやすくなります。

そのため、陸と海の温度差が大きくなり、海風は強くなりやすいです。

一方、陸面が湿っていると、エネルギーの一部が水の蒸発に使われます。

その分、地表や空気を暖める効果が弱くなり、陸海の温度差が小さくなります。

ここが受験生のつまずきポイントです

陸面が湿っている

水蒸気が多い

なんとなく風が強そう?

そうではない

海風の強さを決める主役は、陸と海の温度差です。

湿った陸面では蒸発に熱が使われるため、陸面の昇温が抑えられ、海風は弱くなりやすいです。

したがって、(a)は誤りです。

■ (b)海風層の上では陸から海への反流があるか

(b)は正しいです。

海風が吹いているとき、地表付近では陸上の方が暖かく、気圧が低くなります。

そのため、地表付近では海上から陸上へ向かう風が吹きます。

しかし、海風循環は地表付近だけで完結しません。

海風層の上では気圧傾度が逆になり、陸から海に向かう風が吹きます。

これを反流といいます。

海風循環のイメージ

地表付近

海から陸へ

海風

海風層の上

陸から海へ

反流

したがって、(b)は正しいです。

■ (c)最大風速は海風より陸風の方が大きいか

(c)は誤りです。

一般に、海陸風の最大風速は陸風より海風の方が大きくなります。

海風は日中に発達します。 日中は日射によって陸面が強く加熱されるため、陸と海の温度差が大きくなりやすいです。

一方、陸風は夜間に発生しますが、夜間の陸海の温度差は日中ほど大きくなりにくいです。

日中の海風

陸が強く加熱

陸海の温度差が大きい

風速が大きくなりやすい

夜間の陸風

温度差は日中ほど大きくない

海風より弱いことが多い

したがって、「陸風の方が大きい」とする(c)は誤りです。

■ (d)層の厚さは海風より陸風の方が厚いか

(d)は誤りです。

一般に、海風の層は陸風の層より厚くなります。

日中は陸面が加熱され、対流混合が活発になります。

そのため、海風循環は鉛直方向にも発達しやすく、海風層は厚くなりやすいです。

一方、夜間に発生する陸風は、地表付近の安定成層の中で比較的薄い層として現れやすいです。

海風と陸風のスケール感

海風

日中の加熱が強い

対流混合が発達

層が厚い

陸風

夜間に発生

安定成層になりやすい

層は薄め

したがって、「陸風の方が厚い」とする(d)は誤りです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 湿った陸面では蒸発に熱が使われ、陸海の温度差が小さくなり海風は弱くなりやすい
(b) 海風層の上では、陸から海へ戻る反流が吹く
(c) 最大風速は、一般に陸風より海風の方が大きい
(d) 層の厚さは、一般に陸風より海風の方が厚い

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 海風の強さを水蒸気量で考えてしまう

海風を強める主な要因は、陸と海の温度差です。

陸面が湿っていると蒸発に熱が使われるため、陸面の昇温が抑えられ、海風は弱くなりやすいです。

2. 海風を地表付近だけの風として覚えてしまう

海風は、地表付近で海から陸へ吹くだけではありません。

その上空には、陸から海へ戻る反流があります。

3. 陸風の方が強いと勘違いする

一般には、日中の海風の方が夜間の陸風より強くなりやすいです。

日中の方が陸海の温度差が大きくなりやすいためです。

4. 海風層と陸風層の厚さを逆に覚える

海風層は日中の対流混合により厚く発達しやすいです。

陸風層は夜間の安定成層の中で比較的薄くなりやすいです。

5. 「地表の風」と「循環全体」を分けて考えられない

海風・陸風は、単なる地表風ではなく局地循環です。

地表付近の風向と、その上空の戻り流れをセットで理解しましょう。

■ まとめ

  • 海風は、日中に陸が海より暖まることで発生する
  • 陸面が乾燥している方が、陸海の温度差が大きくなり海風は強くなりやすい
  • 海風層の上には、陸から海へ向かう反流がある
  • 最大風速は、一般に陸風より海風の方が大きい
  • 層の厚さも、一般に陸風より海風の方が厚い
  • したがって、(a)誤、(b)正、(c)誤、(d)誤

正解は③

(a)誤
(b)正
(c)誤
(d)誤

この問題で必ず押さえたいこと

海風

日中に陸が強く暖まる

陸上が低圧

地表付近で海から陸へ

海風層の上

気圧傾度が逆

陸から海への反流

乾燥した陸面

顕熱加熱が大きい

海風が強くなりやすい

海風

陸風より強く・厚くなりやすい

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第58回 一般知識 問9の解説でした!

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