【第58回 気象予報士試験 一般知識】問8 ブロッキング高気圧とジェット気流の蛇行をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第58回気象予報士試験 一般知識 問8を解説します!
この問題は、ブロッキング高気圧の特徴について問う問題です。
ブロッキング高気圧は、偏西風の流れを大きく蛇行・分流させ、同じような気圧配置を長期間持続させる現象です。
ポイントは、「停滞する大規模な現象」として理解することです。 数百km程度の小さな現象ではなく、数千km規模で大気の流れを変える現象として整理しましょう。
この問題で重要なポイント
- ブロッキング高気圧は、中高緯度の偏西風帯で発生する
- ジェット気流が大きく南北に蛇行・分流する
- 同じような気圧配置が長期間続きやすい
- 長雨・高温・低温などの異常天候につながることがある
- 低緯度側に切離低気圧を伴うことがある
- 北半球の方が地形の影響で発生しやすい
- 水平スケールは数百kmではなく、数千km規模
■ 問題文
中高緯度偏西風帯のジェット気流が大きく南北に蛇行・分流し、その状態が概ね一週間以上の長い期間にわたって続くときに見られるブロッキング高気圧について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)ブロッキング高気圧が発生すると、周辺を含めて同じような気圧配置が長期間続き、長雨や高温などの異常天候が起こりやすい。
(b)ブロッキング高気圧が発生するときには、低緯度側に切離低気圧を伴うことがある。
(c)地形の影響により南半球よりも北半球の方がブロッキング高気圧が発生しやすい。
(d)ブロッキング高気圧は東西方向に数100km〜1000km程度の広がりを持つ停滞性の現象である。
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) | (d) |
|---|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 | 誤 |
| ② | 正 | 正 | 誤 | 正 |
| ③ | 正 | 誤 | 正 | 正 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 誤 | 正 |
■ 解答
①
(a)正
(b)正
(c)正
(d)誤
■ 解き方の方針
ブロッキング高気圧は、名前の通り偏西風の流れをブロックするような高気圧です。
偏西風がまっすぐ流れる
↓
通常は天気が移り変わりやすい
偏西風が大きく蛇行・分流する
↓
高気圧が停滞する
↓
気圧配置が変わりにくい
↓
異常天候につながりやすい
このイメージを持っておくと、(a)〜(d)を判断しやすくなります。
■ (a)同じような気圧配置が長期間続き、異常天候が起こりやすいか
(a)は正しいです。
ブロッキング高気圧が発生すると、偏西風が大きく蛇行し、通常の西から東への天気の移動が妨げられます。
その結果、同じような気圧配置が長期間続きやすくなります。
同じ気圧配置が続くと、同じ地域で雨が続いたり、晴天が続いて高温になったりすることがあります。
ブロッキング高気圧と異常天候
ブロッキング高気圧
↓
偏西風の流れを妨げる
↓
気圧配置が変わりにくい
↓
長雨・高温・低温などが起こりやすい
したがって、(a)は正しいです。
■ (b)低緯度側に切離低気圧を伴うことがあるか
(b)は正しいです。
ブロッキング高気圧が発生するとき、偏西風が大きく蛇行します。
その蛇行の一部が本流から切り離され、低緯度側に切離低気圧、いわゆるカットオフローを伴うことがあります。
ブロッキングと切離低気圧
ジェット気流が大きく蛇行
↓
高緯度側にブロッキング高気圧
↓
低緯度側に切離低気圧を伴うことがある
したがって、(b)は正しいです。
■ (c)北半球の方がブロッキング高気圧が発生しやすいか
(c)は正しいです。
ブロッキング高気圧は、南半球よりも北半球で発生しやすい傾向があります。
その理由の一つが、地形や陸海分布の影響です。
北半球には大陸や大規模な山岳が多く、偏西風が大きく蛇行しやすくなります。
一方、南半球は海洋が広く、地形による大きな影響が相対的に小さいため、偏西風の流れが比較的帯状になりやすいです。
北半球で発生しやすい理由
北半球
↓
大陸・山岳が多い
↓
偏西風が蛇行しやすい
↓
ブロッキングが発生しやすい
したがって、(c)は正しいです。
■ (d)東西方向に数100km〜1000km程度の現象か
(d)は誤りです。
ブロッキング高気圧は、数100km程度の小さな現象ではありません。
ジェット気流の大きな蛇行に関係するため、水平スケールは数千km規模です。
数100km〜1000km程度という表現は、ブロッキング高気圧のスケールとしては小さすぎます。
ここが受験生のつまずきポイントです
ブロッキング高気圧
↓
停滞する高気圧
↓
普通の高気圧くらいの大きさ?
↓
そうではない
ブロッキングは、偏西風全体の流れを大きく変える大規模現象です。
したがって、数千km規模で考える必要があります。
したがって、(d)は誤りです。
■ 選択肢確認表
| 項目 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 同じような気圧配置が長期間続き、長雨や高温などの異常天候が起こりやすい |
| (b) | 正 | 偏西風の蛇行に伴い、低緯度側に切離低気圧を伴うことがある |
| (c) | 正 | 北半球は地形や陸海分布の影響で偏西風が蛇行しやすい |
| (d) | 誤 | ブロッキング高気圧は数100km〜1000kmではなく、数千km規模の大規模現象 |
以上より、正しい組み合わせは①です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. ブロッキング高気圧を普通の高気圧と同じ感覚で考える
ブロッキング高気圧は、単に晴れをもたらす高気圧というより、偏西風の流れを大きく変える大規模現象です。
そのため、スケールも時間も大きくなります。
2. 偏西風の蛇行と異常天候を結びつけられない
偏西風が大きく蛇行・分流すると、天気の移り変わりが遅くなります。
その結果、同じ地域で同じような天候が続き、長雨や高温などにつながることがあります。
3. 切離低気圧を別の現象として切り離して覚える
ブロッキング高気圧と切離低気圧は、偏西風の大きな蛇行の中で同時に現れることがあります。
高緯度側に高気圧、低緯度側に切離低気圧というセットでイメージしましょう。
4. 北半球と南半球の発生しやすさを逆に覚える
北半球は大陸や山岳が多いため、偏西風が乱されやすく、ブロッキングが発生しやすいです。
南半球は海洋が広く、偏西風が比較的帯状に流れやすいと整理しましょう。
5. スケール感を間違える
ブロッキング高気圧は、数100km程度の現象ではありません。
偏西風帯全体に関わるため、数千km規模の大きな現象です。
■ まとめ
- ブロッキング高気圧は、偏西風の大きな蛇行・分流に伴って発生する
- 同じような気圧配置が長期間続きやすい
- 長雨や高温などの異常天候につながることがある
- 低緯度側に切離低気圧を伴うことがある
- 北半球の方が地形の影響で発生しやすい
- 水平スケールは数100km〜1000kmではなく、数千km規模
- したがって、(a)(b)(c)は正しく、(d)は誤り
正解は①
(a)正
(b)正
(c)正
(d)誤
この問題で必ず押さえたいこと
偏西風が大きく蛇行・分流
↓
ブロッキング高気圧
↓
気圧配置が長期間続く
↓
異常天候につながりやすい
ブロッキング高気圧
↓
低緯度側に切離低気圧を伴うことがある
北半球
↓
地形・陸海分布の影響が大きい
↓
ブロッキングが発生しやすい
水平スケール
↓
数100kmではない
↓
数千km規模
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第58回 一般知識 問8の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
