【第58回 気象予報士試験 専門知識】問3 ウィンドプロファイラから台風経路を読み取る問題をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第58回 気象予報士試験 専門知識 問3を解説します!

この問題は、台風が本州に上陸したときのウィンドプロファイラの時系列図から、台風の経路を判断する問題です。

受験生がつまずきやすいのは、風向・風速の図を見て、すぐに「どの経路か」を選ぼうとしてしまうところです。

この問題では、まず台風の反時計回りの循環を思い出し、各地点が台風中心のどちら側に入ったのかを考える必要があります。

この問題で重要なポイント

  • 北半球の台風は反時計回りの低気圧性循環をもつ。
  • 観測点の風向変化から、台風中心がどちら側を通ったか推定する。
  • 台風中心に近い地点ほど、風向の変化が大きく、風速も強くなりやすい。
  • 太平洋側の仙台・宮古と、日本海側の酒田・高田の違いを見る。
  • 時系列図は、3時から12時にかけての変化を追う。
  • 風向だけでなく、強風域がどの地点で目立つかも経路判断に使う。
  • 4地点すべてを完璧に読もうとせず、特徴がはっきりした地点から絞る。

■ 問題文

図ア〜エは、ある台風が本州に上陸した際に高田、仙台、酒田、宮古のウィンドプロファイラで観測した高層風の3時から12時の時系列図である。

この台風の経路図として適切なものは図(a)〜(e)のうちどれか、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。

なお、経路図の△は3時の位置、■は12時の位置を示す。

図
選択肢 経路図
図(a)
図(b)
図(c)
図(d)
図(e)

■ 解答

図(c)

■ 解き方の方針

この問題は、次の順番で見ると整理しやすいです。

台風の風

北半球では反時計回り

観測点の風向変化

台風中心が
どちら側を通ったかを推定

強風が目立つ地点

台風中心に近い可能性が高い

太平洋側と日本海側の違い

経路候補を絞る

ウィンドプロファイラの問題では、「風向を細かく全部読む」よりも、台風の中心に対して観測点がどちら側にあるかを考える方が解きやすいです。

■ まず台風の風の向きを確認する

台風は低気圧なので、北半球では中心のまわりを反時計回りに風が吹きます。

そのため、観測点が台風中心のどちら側にあるかで、吹きやすい風向が変わります。

台風周辺の風向イメージ

台風中心の東側

南寄りの風が吹きやすい

台風中心の西側

北寄りの風が吹きやすい

台風中心の北側

東寄りの風が吹きやすい

台風中心の南側

西寄りの風が吹きやすい

この基本を使って、各地点で観測された風向変化と経路図を対応させます。

■ 各地点の特徴を見る

図ア〜エは、それぞれ高田、仙台、酒田、宮古の観測です。

この問題では、細かい風向を一つ一つ暗記的に読むより、次のように大まかな特徴をつかむことが重要です。

  • どの地点で強風が目立つか
  • 時間とともに風向が大きく変化しているか
  • 太平洋側の地点と日本海側の地点で風の変化がどう違うか
  • 台風中心が近くを通ったと考えられる地点はどこか

台風中心が近くを通る地点では、下層から上層まで風が強くなったり、時間とともに風向が大きく変わったりします。

逆に、中心から離れている地点では、風向変化が比較的小さくなります。

■ 経路図(c)が合う理由

正解は図(c)です。

図(c)では、台風は3時には太平洋側、仙台の南東側付近にあり、その後、東北地方を北西方向へ進んで、12時には日本海側へ抜けるような経路になっています。

この経路を考えると、仙台や宮古など太平洋側の観測点では、台風の接近・通過に伴って風向や風速が大きく変化します。

一方、酒田や高田など日本海側の観測点では、台風が本州を横切って日本海側へ進むことで、時間の経過とともに台風の影響の現れ方が変わります。

図(c)の経路イメージ

3時

台風中心は太平洋側

その後

東北地方を横切る

12時

日本海側へ進む

結果

太平洋側・日本海側の各地点で
時系列の風向変化が説明できる

観測された高層風の時系列は、台風が太平洋側から東北地方を横断して日本海側へ進んだと考えると最も自然に説明できます。

したがって、正しい経路図は図(c)です。

■ 他の選択肢が合わない理由

この問題では、正解だけでなく、他の経路がなぜ合わないのかも理解しておくと、同じタイプの問題に強くなります。

選択肢 判定 理由
① 図(a) 台風の進路が太平洋側を北上する形で、東北地方を横断して日本海側へ抜ける観測結果と合いにくい。
② 図(b) 中心の進み方が観測地点ごとの風向変化と合わず、特に太平洋側と日本海側の変化を同時に説明しにくい。
③ 図(c) 台風が太平洋側から東北地方を横切って日本海側へ進む経路で、4地点の風向・風速変化と最も整合する。
④ 図(d) 日本海側を東進するような経路で、仙台・宮古など太平洋側の時系列変化を説明しにくい。
⑤ 図(e) 太平洋側を通る経路ではなく、観測された風の変化と位置関係が合いにくい。

■ この問題の読み取りで大切なこと

ここが受験生のつまずきポイントです

ウィンドプロファイラの図は、風向・風速・高度・時刻が同時に出てくるため、情報量が多く見えます。

そのため、最初から細部を全部読もうとすると混乱します。

まずは、台風の反時計回りの循環を使って、観測点と台風中心の位置関係を大きくつかみましょう。

細かい風向を全部読む

混乱しやすい

台風中心との位置関係を見る

経路を絞りやすい

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
① 図(a) 台風が太平洋側を北上する経路で、4地点の風向変化と整合しにくい。
② 図(b) 台風中心の位置変化が、観測された風向・風速の時系列変化と合いにくい。
③ 図(c) 太平洋側から東北地方を横切り日本海側へ進む経路で、各地点の風の変化を最も自然に説明できる。
④ 図(d) 日本海側を進む経路で、仙台や宮古など太平洋側の風の変化と合わない。
⑤ 図(e) 経路の位置関係が、観測された4地点の風向変化と合わない。

以上より、正しい選択肢はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. ウィンドプロファイラの図を細かく読みすぎる

この問題では、すべての矢羽根を細かく読む必要はありません。強風域・風向変化・台風中心との位置関係を大きく見ることが大切です。

2. 時刻の向きを間違える

時系列図は3時から12時までの変化を示しています。横軸の時刻を逆に読んでしまうと、台風の移動方向を誤って判断してしまいます。

3. 台風の反時計回り循環を使えていない

北半球の台風は反時計回りです。観測点が台風中心の東西南北どちら側にあるかを考えることで、風向変化を読み取りやすくなります。

4. 1地点だけで決めようとしてしまう

1地点の風向だけでは経路を誤ることがあります。仙台・宮古の太平洋側と、酒田・高田の日本海側を組み合わせて判断することが重要です。

5. 強風域の位置を見落とす

台風中心に近い地点ほど、風速が強くなりやすく、風向も大きく変化します。風向だけでなく、風速の強まりも経路判断のヒントになります。

■ まとめ

  • 台風は北半球では反時計回りの低気圧性循環をもつ。
  • ウィンドプロファイラでは、時刻ごとの風向・風速の変化を読む。
  • 台風中心が近い地点では、風速が強まり、風向変化も大きくなりやすい。
  • 太平洋側と日本海側の観測地点を組み合わせて、台風経路を推定する。
  • 観測された風の変化は、台風が太平洋側から東北地方を横切り、日本海側へ進む経路と整合する。
  • したがって、正しい経路図は図(c)である。

正解は③

この問題で必ず押さえたいこと

台風

北半球では反時計回り

観測点の風向変化

台風中心がどちら側を通ったかを考える

強風が目立つ地点

台風中心に近い可能性が高い

太平洋側の地点

日本海側の地点

両方の変化が合う経路を選ぶ

今回の経路

太平洋側から東北地方を横断

日本海側へ進む

図(c)

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第58回 専門知識 問3の解説でした!

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