【第56回 気象予報士試験 実技2】問3を徹底解説|シアーライン通過・気象要素の急変・帯状エコーとの位置関係
こんにちは!今回は第56回 気象予報士試験 実技2 問3を解説します!
今回の問3では、近畿地方に見られるシアーラインと、3地点の気象要素の時系列変化がテーマです。
シアーライン通過時には、風向の急変、風速の増加、気温の低下、気圧の上昇、降水の開始などがまとまって現れます。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問3(1) 地点アの気象経過
模範解答
① 南東
② 9時40分
③ 31℃
④ 10時00分
⑤ 999hPa
⑥ 10時20分
⑦ 気温
⑧ 海面気圧
⑨ 降水
◇ 解説
問3(1)は、地点アにおける風・気温・気圧・降水の時系列図を読み取る問題です。
7時までは風が弱く、風向も一定していませんでした。
その後、10時ごろまでは平均風速3〜5m/s程度の風が吹き、風向は、
南東
でほぼ一定となります。
気温と気圧の変化
気温は朝から緩やかに上昇し、
9時40分に31℃
を記録します。
一方、海面気圧は朝から徐々に低下し、
10時00分に999hPa
となります。
シアーライン通過時の急変
その後、
10時20分
に風向が大きく変化し、風速も増加します。
ほぼ同時に、
- 気温の低下
- 海面気圧の上昇
- 降水
が観測されています。
この一連の変化が、シアーライン通過の特徴です。
記述式解答のポイント:時間変化型
どこで:地点アで
いつ:10時20分ごろに
なぜ:シアーラインが通過したため
何が起きている:風向急変・風速増加・気温低下・気圧上昇・降水が起きている
つまずきポイント
シアーライン通過時刻は、気温や気圧だけでなく、風向の急変を最優先で判断します。
設問でも「要素により通過時刻が異なる場合は風向の変化による時刻を答える」とされることが多いので注意しましょう。
■ 問3(1)まとめ
- 地点アでは10時ごろまで南東風が続く
- 9時40分に最高気温31℃
- 10時00分に最低気圧999hPa
- 10時20分に風向が大きく変化
- 同時に気温低下・気圧上昇・降水が見られる
- これがシアーライン通過の特徴
■ 問3(2) 地点イ・地点ウのシアーライン通過時刻
模範解答
地点イ:8時50分
地点ウ:9時20分(9時30分も可)
◇ 解説
問3(2)では、地点イと地点ウでシアーラインが通過した時刻を読み取ります。
シアーライン通過の判断材料は、主に次の3つです。
- 風向の急変
- 風速の増加
- 気温低下・気圧上昇・降水開始
地点イでは、これらの変化が、
8時50分ごろ
に見られます。
地点ウでは、同様の変化が、
9時20分ごろ
に見られます。
地点ウについては読み取りに幅があり、9時30分も許容されます。
つまずきポイント
通過時刻は、すべての気象要素が同じ時刻に変化するとは限りません。
迷った場合は、風向の急変時刻を基準にしましょう。
■ 問3(3) 地点P・Q・Rと時刻の対応
模範解答
⑤、c
◇ 解説
問3(3)は、シアーラインの通過順から、地点P・Q・Rと時系列図ア・イ・ウの対応を判断する問題です。
問題文より、シアーラインは東へ進んでいるとされています。
したがって、西側の地点ほど早く通過し、東側の地点ほど遅く通過します。
問3(1)(2)で求めた通過時刻は、
- 地点イ:8時50分
- 地点ウ:9時20分
- 地点ア:10時20分
です。
つまり通過順は、
イ → ウ → ア
となります。
この順番を、図12の西から東へ並ぶ地点P・Q・Rに対応させると、
- イ=P
- ウ=Q
- ア=R
となります。
よって、正しい組み合わせは⑤、時刻はcです。
記述式解答のポイント:時間変化型
どこで:地点P・Q・Rで
いつ:8時50分、9時20分、10時20分の順に
なぜ:シアーラインが東進しているため
何が起きている:西側から東側へ順に通過している
つまずきポイント
この問題は、時刻だけでなくシアーラインが東へ進んでいるという条件が重要です。
通過時刻の早い順と、地点の西東の並びを対応させましょう。
■ 問3(4) シアーラインの作図と帯状エコーとの位置関係
模範解答
位置:シアーラインは帯状エコーの東縁にある。
◇ 解説
問3(4)は、図12に見られるシアーラインを作図し、帯状エコーとの位置関係を述べる問題です。
シアーラインは、風向や風速が急に変化する境界線です。
今回の図では、西よりの風が吹いている領域と、南東よりの風が吹いている領域の境界にシアーラインがあります。
また、レーダーエコーを見ると、近畿地方には南北にのびる帯状エコーが分布しています。
シアーラインは、この帯状エコーの、
東縁
に位置しています。
これは、シアーライン付近で空気が収束し、上昇流が強まって降水エコーが形成されているためです。
この図で確認するポイント
- 西よりの風と南東よりの風の境界
- 風向が急変している位置
- 帯状エコーの東縁
- シアーラインを解答図の枠線までのばすこと
記述式解答のポイント:分布型
どこで:帯状エコーの東縁で
なぜ:風向の急変と収束が見られるため
何が起きている:シアーラインが位置している
作図で差がつくポイント
シアーラインは、雨の中心ではなく、風向が変化する境界を描きます。
今回は帯状エコーの中心ではなく、東縁にある点が重要です。
■ 問3 全体まとめ
- 地点アでは10時20分ごろにシアーラインが通過
- 通過時には風向急変・風速増加・気温低下・気圧上昇・降水が見られる
- 地点イの通過時刻は8時50分
- 地点ウの通過時刻は9時20分、9時30分も可
- シアーラインは東へ進んでいる
- 通過順はイ→ウ→ア
- 地点対応はイ=P、ウ=Q、ア=R
- 正しい組み合わせは⑤、時刻はc
- シアーラインは帯状エコーの東縁にある
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第56回 気象予報士試験 実技2 問3の解説でした!
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