【第54回 気象予報士試験 専門知識】問2 気象官署とアメダスの観測をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 専門知識 問2を解説します!

この問題は、気象官署とアメダスで行われている気温・降水量・風速の観測方法について問う問題です。

受験生がつまずきやすいのは、「アメダスは簡易的な観測だから、気象官署よりも観測内容が粗いのでは?」と思い込んでしまうところです。

しかし、気温・降水量・風速については、アメダスでもかなり基本的な観測が行われています。 特にこの問題では、アメダスでも通風している、0.5mm単位で降水量を観測する、瞬間風速も観測するという点を押さえる必要があります。

この問題で重要なポイント

  • アメダスでも気温観測では通風を行う。
  • 気温は直射日光や地面からの熱の影響を避けて測る必要がある。
  • 降水量はアメダスでも0.5mm単位で観測される。
  • アメダスでも風速だけでなく瞬間風速を観測している。
  • 「アメダス=簡易的だから粗い」という思い込みに注意する。
  • 観測方法の問題は、日常感覚ではなく公式な観測仕様で判断する。

■ 問題文

気象庁が気象台等の気象官署とアメダスで行っている気温、降水量、風速の観測について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

ただし、ここでアメダスとは気象官署以外の地域気象観測所をさす。

(a) 気温の観測については、気象官署では電動ファンを用いて強制的に温度計に通風を行っているが、アメダスでは電動ファンを使用せず自然通風としている。

(b) 降水量の観測については、気象官署では0.5mm単位で観測を行っているが、アメダスでは1mm単位で観測を行っている。

(c) 風速の観測については、気象官署では10分間平均風速と瞬間風速の観測を行っているが、アメダスでは瞬間風速の観測は行っていない。

選択肢 (a) (b) (c)

■ 解答

(a) 誤
(b) 誤
(c) 誤

■ 解き方の方針

この問題は、次のように考えると整理しやすいです。

アメダス

気象官署より簡易的?

でも基本観測はしっかり行う

気温

通風して正しく測る

降水量

0.5mm単位

風速

平均風速も瞬間風速も観測

今回の選択肢は、すべて「アメダスでは行っていない」「アメダスでは粗い」という方向に誘導してきます。

しかし実際には、アメダスでも気象観測として必要な基本要素は観測されています。

■ 補足講義:気象官署とアメダスの違い

まず、気象官署とアメダスの違いをざっくり整理しましょう。

項目 気象官署 アメダス
位置づけ 気象台などの観測施設 地域気象観測所
観測の目的 総合的な気象観測 地域ごとの気象状況の把握
観測方法 気象庁の基準に基づく 気象庁の基準に基づく
試験での注意 標準的な観測 簡易だからといって雑ではない

ここで止まりやすいポイント

「アメダス=無人観測所=観測が簡単」と考えると、今回の問題はほぼ全部引っかかります。

アメダスは自動観測ですが、気温・降水量・風速などの基本要素は、予報や防災に使う重要データです。

■ (a) アメダスでは自然通風?

(a)は誤りです。

問題文では、気象官署では電動ファンを用いて強制通風しているが、アメダスでは自然通風としている、と述べています。

しかし、アメダスでも気温観測では通風を行います。

気温は、周囲の空気の温度を測る必要があります。 そのため、温度計のまわりに空気を流し、直射日光や器械自体の熱の影響をできるだけ避けます。

気温観測のイメージ

周囲の空気を取り込む

温度計に通風する

空気そのものの温度を測る

もし自然通風だけだと、風が弱い日には温度計周辺の空気がこもり、正確な気温を測りにくくなります。

ここがひっかけ

「アメダスは無人だから電動ファンを使っていない」と考えると誤りです。

無人観測でも、正確に気温を測るために必要な仕組みは備えられています。

したがって、(a)は誤りです。

■ 補足講義:なぜ気温観測で通風が必要なのか

気温観測で大事なのは、温度計そのものの温度ではなく、空気の温度を測ることです。

太陽光が当たったり、温度計のまわりの空気が停滞したりすると、実際の空気の温度からずれやすくなります。

状態 起こりやすい問題
通風が弱い 温度計の周辺に空気がこもる
日射の影響を受ける 温度計が実際より高くなりやすい
通風する 周囲の空気を常に取り込みやすい

気温観測

空気の温度を測る

空気を流す必要がある

通風が必要

■ (b) アメダスの降水量は1mm単位?

(b)は誤りです。

問題文では、気象官署は0.5mm単位、アメダスは1mm単位と述べています。

しかし、アメダスでも降水量は0.5mm単位で観測されます。

ここも「アメダスの方が粗いだろう」という思い込みを狙った選択肢です。

降水量観測のポイント

気象官署

0.5mm単位

アメダス

0.5mm単位

降水量は、災害判断や警報・注意報の基礎になる重要な観測要素です。

そのため、アメダスでも十分な細かさで観測されています。

ここがひっかけ

「アメダスは1mm単位」という記述は誤りです。

気象官署とアメダスを無理に差別化して覚えようとすると間違えます。

したがって、(b)は誤りです。

■ (c) アメダスでは瞬間風速を観測しない?

(c)は誤りです。

問題文では、気象官署では10分間平均風速と瞬間風速を観測しているが、アメダスでは瞬間風速を観測していない、と述べています。

しかし、アメダスでも瞬間風速は観測されています。

風の観測 意味 試験での注意
10分間平均風速 10分間の平均的な風の強さ 通常の風速として扱う
瞬間風速 一時的に強く吹いた風 突風・強風災害で重要

風による災害では、平均風速だけでなく、一瞬の強い風も重要です。

そのため、アメダスでも瞬間風速の観測が行われています。

風の観測

平均風速

瞬間風速

ここで間違えやすい理由

「瞬間風速は高度な観測だから気象官署だけ」と考えてしまうと誤りです。

防災上、瞬間風速はとても重要なので、アメダスでも観測されます。

したがって、(c)は誤りです。

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
(a) アメダスでも気温観測では通風を行うため。
(b) アメダスでも降水量は0.5mm単位で観測されるため。
(c) アメダスでも瞬間風速を観測しているため。

以上より、組み合わせは(a)誤、(b)誤、(c)誤です。

したがって、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. アメダスを「簡易観測」と思い込みすぎる

アメダスは自動観測ですが、気温・降水量・風速などの基本要素は防災上とても重要です。 「簡易だから観測が粗い」と考えると、この問題ではすべて引っかかります。

2. 気温観測で通風が必要な理由を理解していない

通風は、温度計のまわりに空気を流して、実際の空気の温度を測るために必要です。 自然通風だけでは、風が弱い日に温度計周辺の空気がこもりやすくなります。

3. 降水量の観測単位を「アメダスは1mm」と覚えてしまう

この問題では、アメダスでも0.5mm単位で観測することがポイントです。 気象官署とアメダスを無理に差別化しないようにしましょう。

4. 瞬間風速は気象官署だけだと思ってしまう

瞬間風速は突風や強風災害の把握に重要です。 アメダスでも瞬間風速は観測されています。

5. 「気象官署では〜だが、アメダスでは〜」という文に引っかかる

試験では、このように対比させる文章で誤りを作ることが多いです。 本当に違うのか、それとも同じなのかを冷静に確認しましょう。

6. 観測要素の防災上の意味を見落とす

降水量や瞬間風速は、警報・注意報や災害リスクの判断に関係します。 だからこそ、アメダスでも細かく観測されていると考えると理解しやすいです。

■ まとめ

  • アメダスでも気温観測では通風を行う。
  • アメダスでも降水量は0.5mm単位で観測される。
  • アメダスでも瞬間風速を観測している。
  • 「アメダスだから粗い」という思い込みに注意する。
  • 気象官署とアメダスの違いを、勝手なイメージで判断しない。

正解は⑤

この問題で必ず押さえたいこと

アメダスの気温観測

通風する

アメダスの降水量

0.5mm単位

アメダスの風速

平均風速

瞬間風速

つまり

(a)(b)(c)すべて誤り

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 専門知識 問2の解説でした!

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