【第54回 気象予報士試験 一般知識】問12 予報業務の許可が必要な場合をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問12を解説します!

法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規

この問題は、気象庁以外の者が予報業務を行うとき、気象庁長官の許可が必要かどうかを問う法規問題です。

受験生がつまずきやすいのは、「気象に関係する情報を出したら全部許可が必要」と思ってしまうところです。

実際には、ポイントは気象の予報そのものを業務として行っているかです。

この問題で重要なポイント

  • 気象庁以外の者が予報業務を行うには、原則として気象庁長官の許可が必要である。
  • ただし、気象庁の予報を利用して注意喚起情報を出すだけなら、予報業務に当たらない場合がある。
  • 独自の天気予報を不特定多数に公開する場合は、予報業務許可が必要になる。
  • 気象予報士の資格があっても、許可なしに予報業務を行えるわけではない。
  • 自社だけで使用する予報は、原則として予報業務許可の対象外である。
  • 桜の開花予想は、気象業務法上の「気象の予報」には該当しない。
  • 法規問題では、「誰に向けて」「何を」「独自に予報しているか」を見る。

■ 問題文

気象庁以外の者が予報業務を行うときに必要な気象庁長官の許可に関する次の文(a)〜(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。

(a) 気象庁が発表した最高気温の予報を用いて、熱中症に関する注意喚起等の情報を発表するときには、予報業務の許可を受けなければならない。

(b) 気象予報士が、観光地の独自の天気予報を個人のホームページに公開するときには、予報業務の許可を受ける必要はない。

(c) 気象予報士の資格を持つ社員が、屋外作業のために現場周辺のきめ細かな天気予報を行うときには、自社だけの使用であっても予報業務の許可を受けなければならない。

(d) ある町の桜の開花予想を地元観光協会のホームページで公開するときには、予報業務の許可を受ける必要はない。

選択肢 内容
(a)のみ正しい
(b)のみ正しい
(c)のみ正しい
(d)のみ正しい
すべて誤り

■ 解答

(a) 誤
(b) 誤
(c) 誤
(d) 正

■ 解き方の方針

この問題は、次の3つで判断します。

① 気象の予報そのものか?

② 独自に予報しているか?

③ 不特定多数に提供しているか?

この3つを見ると、各選択肢の判断がしやすくなります。

気象庁予報を使った注意喚起

予報そのものではない

許可不要

独自の天気予報をHP公開

不特定多数への予報提供

許可必要

自社だけで使用

一般向け提供ではない

許可不要

桜の開花予想

気象の予報ではない

許可不要

■ 補足講義:予報業務の許可とは

気象業務法では、気象庁以外の者が予報業務を行う場合、気象庁長官の許可を受ける必要があります。

ここでいう予報業務とは、単に気象に関する話をすることではありません。

ポイントは、気象の予報を業務として提供することです。

予報業務許可が問題になる流れ

気象庁以外の者

独自に気象の予報を作る

他者へ提供する

予報業務許可が必要になる

一方で、気象に関係していても、すべてが予報業務になるわけではありません。

行為 予報業務許可 理由
独自の天気予報を一般公開 必要 不特定多数へ気象の予報を提供するため
気象庁予報を使った注意喚起 不要 気象を独自に予報していないため
自社内だけで使う予報 不要 自社利用にとどまるため
桜の開花予想 不要 気象の予報そのものではないため

■ (a) 気象庁の最高気温予報を使った熱中症注意喚起は許可が必要?

(a)は誤りです。

この文では、気象庁が発表した最高気温の予報を用いて、熱中症に関する注意喚起等の情報を発表するとしています。

ここで重要なのは、自分で最高気温を予報しているわけではないという点です。

(a)の判断

気象庁の最高気温予報を利用

熱中症への注意喚起を発表

独自の気象予報ではない

予報業務許可は不要

熱中症への注意喚起は、気象に関連する情報ではあります。

しかし、気象の予報そのものを独自に行っているわけではありません。

したがって、予報業務の許可は必要ありません。

ここがひっかけ

「最高気温」「熱中症」という言葉が出てくるため、気象業務っぽく見えます。

しかし、問題の本質は独自に気象を予報しているかです。

気象庁の予報を利用して注意喚起をするだけなら、予報業務許可は不要です。

したがって、(a)は誤りです。

■ (b) 気象予報士が個人HPで独自の天気予報を公開すれば許可不要?

(b)は誤りです。

この文では、気象予報士が観光地の独自の天気予報を個人のホームページに公開するとしています。

ここで重要なのは、独自の天気予報ホームページで公開していることです。

(b)の判断

独自の天気予報

個人ホームページで公開

不特定多数が見る

予報業務許可が必要

気象予報士の資格を持っていても、それだけで予報業務の許可を受けたことにはなりません。

気象予報士は、予報業務の中で現象の予想を行うための資格です。

一方で、予報業務を行う事業者としての許可は、別に必要です。

区分 意味
気象予報士資格 現象の予想を行う人の資格
予報業務許可 気象庁以外の者が予報業務を行うための許可

ここで間違えやすい理由

「気象予報士なら自由に天気予報を公開できる」と思いやすいですが、これは誤りです。

気象予報士資格予報業務許可は別物です。

したがって、(b)は誤りです。

■ (c) 気象予報士が自社だけで使う現場向け予報を行う場合も許可が必要?

(c)は誤りです。

この文では、気象予報士の資格を持つ社員が、屋外作業のために現場周辺のきめ細かな天気予報を行っています。

しかし、その予報は自社だけで使用するものです。

このような自己利用のための予報は、気象業務法でいう「予報業務」には該当しないため、予報業務許可は不要です。

(c)の判断

自社だけで利用

一般へ提供しない

予報業務ではない

予報業務許可は不要

ここで重要なのは、気象予報士の資格の有無ではなく、予報を誰に提供するかです。

自己利用に限られる場合は、予報業務許可は必要ありません。

ここがひっかけ

「気象予報士」「きめ細かな予報」という言葉に注目してしまうと、許可が必要だと思いやすくなります。

しかし、ポイントは自社だけで使用することです。

一般へ提供していないため、予報業務には該当しません。

したがって、(c)は誤りです。

■ (d) 桜の開花予想は予報業務許可が必要?

(d)は正しいです。

桜の開花予想は、気象条件を利用して作成します。

しかし、気象業務法でいう気象の予報には該当しません。

そのため、地元観光協会のホームページで公開しても、予報業務許可は不要です。

(d)の判断

桜の開花予想

気象そのものの予報ではない

予報業務許可は不要

開花予想は、生物季節現象の予想です。

天気・気温・降水などの気象現象そのものを予報しているわけではないため、予報業務許可の対象にはなりません。

ここで間違えやすい理由

桜の開花は気温と深い関係があるため、「気象予報」と混同しやすいです。

しかし、法律上は生物季節現象であり、気象の予報ではありません。

したがって、(d)は正しいです。

■ 補足講義:試験では「誰に向けた予報か」を見る

法規問題では、「予報をしているか」だけでなく、誰に向けて提供しているかが重要になります。

ケース 予報業務許可 理由
気象庁予報を使った注意喚起 不要 独自の気象予報ではない
独自予報をホームページ公開 必要 不特定多数への予報提供
自社だけで利用する予報 不要 自己利用であり予報業務ではない
桜の開花予想 不要 気象の予報ではない

試験で迷ったらこの順番

気象そのものの予報?

独自に作成?

不特定多数へ提供?

許可が必要か判断

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
(a) 気象庁の予報を利用した注意喚起は、独自の予報業務ではないため。
(b) 独自の天気予報をホームページで公開するには、予報業務許可が必要なため。
(c) 自社だけで利用する予報は、予報業務許可の対象ではないため。
(d) 桜の開花予想は気象業務法上の気象の予報ではないため。

以上より、正しいのは(d)のみです。

したがって、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 気象に関係する情報はすべて予報業務だと思ってしまう

重要なのは、気象そのものを独自に予報しているかどうかです。注意喚起や開花予想は、そのまま予報業務になるわけではありません。

2. 気象予報士資格と予報業務許可を混同する

気象予報士は個人の資格です。一方、予報業務許可は事業として予報を提供するための許可です。全く別の制度です。

3. ホームページ公開なら個人でも自由にできると思ってしまう

個人ホームページであっても、不特定多数へ独自の天気予報を公開すれば予報業務に該当します。

4. 自社利用でも許可が必要だと思ってしまう

自己利用に限られる場合は、予報業務には該当しません。誰に提供しているかを確認しましょう。

5. 桜の開花予想も気象予報だと思ってしまう

開花予想は生物季節現象の予想であり、気象業務法上の気象の予報ではありません。

6. 「予報」という言葉だけで判断してしまう

試験では、「何を予報しているのか」「誰に提供しているのか」の2点を確認すると正しく判断できます。

■ まとめ

  • 気象庁の予報を利用した注意喚起は、予報業務ではない。
  • 独自の天気予報を一般公開するには、予報業務許可が必要である。
  • 自社だけで利用する予報は、予報業務許可の対象外である。
  • 桜の開花予想は、気象業務法上の気象の予報ではない。
  • 法規問題では、「独自の予報か」「誰に提供するか」を確認する。

正解は④

この問題で必ず押さえたいこと

独自の天気予報

不特定多数へ提供

予報業務許可が必要

自社だけで利用

自己利用

許可不要

桜の開花予想

生物季節現象

気象の予報ではない

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 一般知識 問12の解説でした!

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