【第54回 気象予報士試験 一般知識】問11 二酸化炭素の収支・地域差・季節変動をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問11を解説します!

この問題は、主要な温室効果ガスである二酸化炭素について、排出後の行方、大気中への残留割合、南北半球の濃度差、季節変動を問う問題です。

受験生がつまずきやすいのは、「人為起源のCO2のうち大気中に残る割合」と、「北半球の季節変動」です。

特に(b)の「5%程度」はかなり小さすぎる数字です。人為起源の二酸化炭素は、すべてが大気に残るわけではありませんが、5%程度しか残らないわけでもありません。

この問題で重要なポイント

  • 人為起源の二酸化炭素は、化石燃料の燃焼やセメント生産などで排出される。
  • 排出された二酸化炭素の一部は、植物や海洋に吸収される。
  • 人為起源の二酸化炭素のうち、大気中に残留する割合は5%程度ではない。
  • 大気中に残る二酸化炭素が蓄積し、平均濃度は年々増加している。
  • 北半球は南半球より人為的排出源が多く、平均濃度が高くなりやすい。
  • 北半球では、夏に植物の光合成が活発になり、CO2濃度が低くなりやすい。
  • 冬は光合成が弱まり、CO2濃度が高くなりやすい。

■ 問題文

主要な温室効果ガスである二酸化炭素について述べた次の文章の下線部(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

人為起源の二酸化炭素は、化石燃料の燃焼やセメント生産などで大気中に排出され、その一部は (a)植物や海洋に吸収されている。 大気中に残留するのは人為起源の二酸化炭素排出量の (b)5%程度であり、 これが蓄積して大気中の二酸化炭素の濃度は平均的には年々増加している。

大気中の二酸化炭素の濃度には、地域による違いや季節変動があり、各半球の平均でみれば、 (c)北半球のほうが南半球より濃度が高く、 北半球では (d)夏の方が冬より濃度が低くなる

選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a) 正
(b) 誤
(c) 正
(d) 正

■ 解き方の方針

この問題は、二酸化炭素を次の3つの視点で整理すると解きやすいです。

排出されたCO2

一部は植物・海洋に吸収

残りが大気中に蓄積

北半球

陸地・人間活動が多い

南半球よりCO2濃度が高め

北半球の夏

植物の光合成が活発

CO2濃度が低下

(b)の5%程度だけが誤りです。

■ 補足講義:二酸化炭素は排出後どうなるのか

人間活動によって排出された二酸化炭素は、すべてがそのまま大気中に残るわけではありません。

一部は、植物の光合成や海洋への溶け込みによって大気中から取り除かれます。

人為起源CO2の行方

化石燃料の燃焼
セメント生産

CO2排出

一部

植物・海洋に吸収

残り

大気中に蓄積

CO2濃度が年々増加

この「吸収される分」と「大気中に残る分」の両方を押さえることが大切です。

■ (a) 人為起源の二酸化炭素は植物や海洋に吸収されている?

(a)は正しいです。

人為起源の二酸化炭素は、化石燃料の燃焼やセメント生産などによって大気中に排出されます。

その一部は、植物の光合成によって吸収されます。

また、海洋も大気中の二酸化炭素を吸収します。

CO2の吸収源

植物

光合成でCO2を吸収

海洋

大気中のCO2を吸収

したがって、「植物や海洋に吸収されている」は正しいです。

ここで止まりやすいポイント

「CO2は温室効果ガスだから大気中に全部残る」と考えてしまうと間違えます。

実際には、植物や海洋が大きな吸収源として働きます。

■ (b) 大気中に残留するのは5%程度?

(b)は誤りです。

人為起源の二酸化炭素は、植物や海洋に一部吸収されます。

しかし、大気中に残留する割合が5%程度というのは小さすぎます。

実際には、人為起源の二酸化炭素のかなりの割合が大気中に残留し、それが蓄積して大気中の二酸化炭素濃度を年々増加させています。

ここでの判断

一部は植物・海洋に吸収

でも大気中にもかなり残る

5%程度は小さすぎる

誤り

問題文の後半には「これが蓄積して大気中の二酸化炭素濃度は年々増加している」とあります。

この後半の考え方自体は正しいです。

しかし、5%程度という数値が誤りなので、(b)全体としては誤りです。

ここがひっかけ

(b)は、「年々増加している」という後半が正しいため、全体も正しく見えます。

しかし、正誤問題では一部でも誤りなら全体が誤りです。

この文では、5%程度が誤りです。

■ (c) 北半球のほうが南半球より二酸化炭素濃度が高い?

(c)は正しいです。

大気中の二酸化炭素濃度には、地域差があります。

各半球の平均で見ると、北半球のほうが南半球より二酸化炭素濃度が高くなります。

これは、北半球のほうが陸地が多く、人間活動による二酸化炭素排出源も多いためです。

北半球のCO2濃度が高い理由

北半球

陸地が多い

人口・産業活動が多い

人為起源CO2排出が多い

南半球より濃度が高め

ここで間違えやすい理由

大気は地球全体で混ざるので、CO2濃度はどこでも完全に同じだと思ってしまいがちです。

しかし、排出源の偏りがあるため、北半球のほうがやや高くなります。

したがって、(c)は正しいです。

■ (d) 北半球では夏の方が冬よりCO2濃度が低い?

(d)は正しいです。

北半球では、夏に植物の活動が活発になります。

植物は光合成によって二酸化炭素を吸収します。

そのため、北半球では夏の方が冬より二酸化炭素濃度が低くなりやすいです。

北半球の季節変動



植物の光合成が活発

CO2を吸収

CO2濃度が低下



光合成が弱い

CO2吸収が少ない

CO2濃度が高め

北半球は陸地や植生が多いため、この季節変動が比較的大きく現れます。

ここがひっかけ

「夏は暑いからCO2が増える」と気温だけで考えると間違えます。

この問題では、気温ではなく植物の光合成によるCO2吸収で考えます。

したがって、(d)は正しいです。

■ 補足講義:CO2の季節変動は植物で考える

二酸化炭素濃度の季節変動は、特に北半球で大きく現れます。

理由は、北半球には陸地と植物が多いからです。

季節 植物活動 CO2濃度 理由
春〜夏 活発 低下しやすい 光合成でCO2を吸収するため
秋〜冬 弱い 上昇しやすい 光合成による吸収が弱まるため

CO2季節変動

気温そのものではなく
植物の光合成で考える

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
(a) 人為起源のCO2の一部は、植物や海洋に吸収されるため。
(b) 大気中に残留する割合が5%程度というのは小さすぎるため。
(c) 北半球は陸地や人為的排出源が多く、南半球よりCO2濃度が高くなりやすいため。
(d) 北半球では夏に植物の光合成が活発になり、CO2濃度が冬より低くなりやすいため。

以上より、組み合わせは(a)正、(b)誤、(c)正、(d)正です。

したがって、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. CO2は排出されたら全部大気に残ると思ってしまう

人為起源の二酸化炭素の一部は、植物や海洋に吸収されます。ただし、吸収されなかった分が大気中に残り、濃度上昇につながります。

2. 5%程度という数字を正しいと思ってしまう

大気中に残る割合が5%程度というのは小さすぎます。植物や海洋に吸収される一方で、大気にもかなりの割合が残ります。

3. 文の後半だけを見て正しいと判断してしまう

(b)は「CO2濃度が年々増加している」という部分は正しいですが、「5%程度」が誤りです。一部でも誤りなら文全体は誤りです。

4. CO2濃度は地球上で完全に均一だと思ってしまう

大気は混合しますが、排出源は北半球に偏っています。そのため、北半球のほうが南半球よりCO2濃度が高くなります。

5. 夏の方がCO2濃度が高いと考えてしまう

夏は気温が高いのでCO2も増えそうに感じますが、北半球では植物の光合成が活発になり、CO2を吸収するため濃度は低くなりやすいです。

6. 季節変動を気温で判断してしまう

CO2の季節変動は、気温そのものではなく植物活動、特に光合成による吸収で考えると理解しやすくなります。

■ まとめ

  • 人為起源のCO2の一部は、植物や海洋に吸収される。
  • 大気中に残留する割合が5%程度というのは誤り。
  • 大気中に残ったCO2が蓄積し、平均濃度は年々増加している。
  • 北半球は南半球よりCO2濃度が高くなりやすい。
  • 北半球では夏に光合成が活発になり、CO2濃度が冬より低くなる。

正解は②

この問題で必ず押さえたいこと

人為起源CO2

一部は植物・海洋に吸収

残りは大気中に蓄積

北半球

排出源が多い

南半球より濃度が高い

北半球の夏

光合成が活発

CO2濃度が低い

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 一般知識 問11の解説でした!

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