【第63回 気象予報士試験 専門知識】問13 予報精度評価をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第63回気象予報士試験 専門知識 問13を解説します!

この問題は、雷の有無に関する予報と実況の分割表から、適中率スレットスコアを計算する問題です。

この問題で重要なポイント

  • 適中率は、全体のうち予報が当たった割合
  • 適中率 = 適中数 ÷ 全予報数
  • スレットスコアは、現象ありの予報精度を見る指標
  • スレットスコアでは「現象なしを正しく予報した数」は使わない
  • 雷のような発生頻度が低い現象では、適中率よりスレットスコアが有効

■ 問題文

下の表は、ある地域における30日間の、翌日の雷の有無に関する予報と、それに対応する実況の分割表である。

この表に基づく予報精度の評価について述べた文章の空欄(a)〜(c)に入る語句または数値の組み合わせとして最も適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

実況 予報
雷あり 雷なし
実況 雷あり 2 2
雷なし 4 22

雷の有無に関する予報の適中率をこの分割表に基づいて評価すると、その値は(a)である。

一方、この分割表に基づく雷ありの予報を(b)で評価すると、その値は0.25である。

予報精度の評価には、対象とする現象の特性に適合した指標を使うことが重要であり、雷のような(c)現象の評価方法には、適中率よりも(b)が適している。

(a) (b) (c)
0.50空振り率継続時間が短い
0.50バイアススコア継続時間が短い
0.80バイアススコア発生頻度が低い
0.80スレットスコア継続時間が短い
0.80スレットスコア発生頻度が低い

■ 解答

(a)0.80
(b)スレットスコア
(c)発生頻度が低い

■ 解き方の方針

この問題は、分割表を次の4つに分けると解きやすいです。

雷ありを予報して雷あり:2
雷なしを予報して雷あり:2
雷ありを予報して雷なし:4
雷なしを予報して雷なし:22

このうち、適中率では「雷ありの的中」と「雷なしの的中」の両方を使います。

一方、スレットスコアでは雷なしの的中は使いません。

■ (a)適中率は0.80

適中率は、全予報数のうち、予報が当たった割合です。

この表で予報が当たっているのは、次の2つです。

  • 雷ありを予報して、実況も雷あり:2回
  • 雷なしを予報して、実況も雷なし:22回

したがって、適中数は 2 + 22 = 24 回です。

適中率の計算

適中率 =(2 + 22)÷ 30
= 24 ÷ 30
= 0.80

したがって、(a)は0.80です。

■ (b)値が0.25になるのはスレットスコア

雷ありの予報を評価する指標として、値が0.25になるものを考えます。

スレットスコアは、現象ありの予報に対して、どれだけ的中したかを見る指標です。

計算では、次の3つを使います。

  • 現象ありを予報して、実況も現象あり:2
  • 現象ありを予報したが、実況は現象なし:4
  • 現象なしを予報したが、実況は現象あり:2

スレットスコアの計算

スレットスコア = 2 ÷(2 + 4 + 2)
= 2 ÷ 8
= 0.25

したがって、(b)はスレットスコアです。

ここが重要!

スレットスコアでは、実況も予報も「雷なし」だった22回は計算に入れません。

現象なしの的中を入れないことで、雷ありの予報がどれくらい当たったかを評価しやすくなります。

■ (c)雷は発生頻度が低い現象

雷のような現象は、毎日必ず発生するものではありません。

この表でも、30日のうち実況で雷があった日は、2 + 2 = 4日だけです。

つまり、雷は発生頻度が低い現象です。

発生頻度が低い現象では、「雷なし」を正しく予報した回数が多くなりやすく、適中率だけを見ると予報精度が高く見えてしまうことがあります。

適中率の落とし穴

この表では、雷なしを正しく予報した回数が22回もあります。

そのため、適中率は0.80と高く見えます。

しかし、雷ありに注目すると、雷あり予報6回のうち当たったのは2回です。

つまり、雷ありの予報精度を見るには、適中率だけでは不十分です。

したがって、(c)は発生頻度が低いです。

■ 選択肢の確認表

空欄 入る語句・数値 判断ポイント
(a) 0.80 適中率 =(2 + 22)÷ 30 = 0.80
(b) スレットスコア 2 ÷(2 + 4 + 2)= 0.25
(c) 発生頻度が低い 雷は発生しない日の方が多く、適中率だけでは評価しにくい

■ 受験生がつまずくポイント

1. 適中率に「雷なしの的中」が含まれることを忘れる

適中率では、雷ありの的中だけでなく、雷なしの的中も含めます。

適中率
= 雷あり的中 + 雷なし的中
÷ 全予報数

2. スレットスコアに「現象なしの的中」を入れてしまう

スレットスコアでは、雷なしを正しく予報した22回は使いません。

スレットスコア
= 現象あり的中
÷(現象あり的中 + 空振り + 見逃し)

発生頻度が低い現象では、この考え方がとても重要です。

3. バイアススコアと混同する

バイアススコアは、現象ありを予報した回数と、実際に現象があった回数の比です。

この表では、雷あり予報は 2 + 4 = 6 回、実況雷ありは 2 + 2 = 4 回です。

バイアススコア = 6 ÷ 4 = 1.5

0.25にはならないので、(b)はバイアススコアではありません。

4. 「継続時間が短い」に引っ張られる

雷は継続時間が短い現象でもあります。

しかし、この問題でスレットスコアが適している理由として問われているのは、表からも分かるように発生頻度が低いことです。

「雷なし」が多い現象では、適中率が高く見えやすい点に注意しましょう。

■ まとめ

  • 適中率は、雷あり的中2回と雷なし的中22回を使い、24 ÷ 30 = 0.80
  • 雷ありの評価で0.25になる指標は、2 ÷(2 + 4 + 2)で求めるスレットスコア
  • スレットスコアでは、雷なしを正しく予報した22回は計算に入れない
  • 雷のような発生頻度が低い現象では、適中率よりスレットスコアが適している

正解は⑤

(a)0.80・(b)スレットスコア・(c)発生頻度が低い

この問題で必ず押さえたいこと

適中率
= 現象あり的中 + 現象なし的中

スレットスコア
= 現象あり的中 ÷(的中 + 空振り + 見逃し)

発生頻度が低い現象
= 適中率だけでは評価しにくい

雷・大雨・突風のような発生頻度が低い現象では、適中率だけでなく、スレットスコアを使って現象ありの予報精度を見ることが大切です。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第63回 専門知識 問13の解説でした!

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