【第61回 気象予報士試験 専門知識】問8 気象衛星画像の雲域判定をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第61回気象予報士試験 専門知識 問8を解説します!

この問題は、赤外画像と可視画像を使って、雲域A〜Dの特徴を判定する問題です。

ポイントは、赤外画像では雲頂高度可視画像では雲の厚さや反射の強さを読むことです。

この問題で重要なポイント

  • 赤外画像で白い雲は雲頂高度が高い
  • 可視画像で白い雲は厚い雲・反射の強い雲
  • 積乱雲は赤外画像・可視画像の両方で白く見えやすい
  • バルジは低気圧の発達期を示す代表的な雲形
  • トランスバースラインは上層風にほぼ直交する筋状雲
  • 霧・層雲は赤外画像では暗く、可視画像では白っぽく見えることがある

■ 問題文

図は、6月のある日の午前9時(日本時間)における気象衛星ひまわりの赤外画像と可視画像である。図にA〜Dで示された領域あるいは雲域について述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)領域Aは、日本の南海上で西南西から東北東に連なり、その多くが対流雲で構成された雲列で、発達した積乱雲が含まれている。

(b)領域Bには、北側が寒気側に凸状に膨らむ「バルジ」がみられ、この雲域に対応する低気圧が、発生期・発達期・最盛期・衰弱期のうちの最盛期にあることを示している。

(c)領域Cの筋状の上層雲は、上層風の流れにほぼ直交して北西から南東方向にのびる「トランスバースライン」であると判断される。

(d)領域Dには、この時期に北太平洋からオホーツク海にかけて広く分布する移流霧と呼ばれる霧が存在するとみられる。

図
選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a)正
(b)誤
(c)誤
(d)正

■ 解き方の方針

衛星画像問題では、まず赤外画像と可視画像の役割を分けます。

赤外画像

雲頂温度を見る

白いほど雲頂が高い

可視画像

太陽光の反射を見る

白いほど厚い雲・反射の強い雲

この問題では、Aは積乱雲、Bはバルジ、Cはトランスバースラインかどうか、Dは移流霧かどうかを判断します。

■ (a)領域Aは発達した積乱雲を含むか

(a)は正しいです。

領域Aは、日本の南海上に西南西から東北東へ連なる雲列です。

赤外画像でも可視画像でも白く見える部分があり、雲頂が高く、雲も厚いことがわかります。

積乱雲の見え方

赤外画像で白い

雲頂が高い

可視画像で白い

雲が厚い

両方で白い

発達した対流雲・積乱雲の可能性

したがって、領域Aには発達した積乱雲が含まれていると判断できます。

■ (b)バルジは最盛期を示すか

(b)は誤りです。

領域Bでは、雲域の北側が寒気側へ凸状に膨らむバルジがみられます。

バルジは温帯低気圧の発達に伴って現れやすい雲形です。

ただし、バルジが示すのは一般に発達期です。

バルジの覚え方

雲域が寒気側へ膨らむ

暖気が北へ持ち上げられる

低気圧が発達中

発達期

問題文では「最盛期」としているため誤りです。

■ (c)領域Cはトランスバースラインか

(c)は誤りです。

トランスバースラインとは、上層の強風軸付近で、上層風にほぼ直交するように並ぶ筋状の雲です。

しかし、領域Cの筋状の上層雲は、問題文のようにトランスバースラインと判断するのは適切ではありません。

トランスバースラインのポイント

上層の強風軸付近

上層風にほぼ直交

細かい筋状雲が並ぶ

衛星画像問題では、「筋状に見える雲=すべてトランスバースライン」と考えると誤答します。

領域Cでは、雲の位置や形状から、トランスバースラインとする判断は不適切です。

■ (d)領域Dには移流霧が存在するとみられるか

(d)は正しいです。

領域Dは、北太平洋からオホーツク海にかけて広がる雲域です。

この時期は、暖かく湿った空気が冷たい海面上に流れ込むことで、海上に移流霧が発生しやすくなります。

移流霧の発生イメージ

暖かく湿った空気

冷たい海面上へ移動

下層が冷やされる

水蒸気が凝結

移流霧

霧や下層雲は、赤外画像では雲頂温度が地表・海面温度に近いため暗く見えやすく、可視画像では太陽光を反射して白っぽく見えることがあります。

したがって、領域Dには移流霧が存在するとみられ、(d)は正しいです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 赤外画像・可視画像ともに白く、発達した対流雲を含む雲列と判断できる
(b) バルジは低気圧の発達期を示すもので、最盛期とするのは不適切
(c) 筋状雲を直ちにトランスバースラインと判断するのは不適切
(d) 北太平洋〜オホーツク海では、この時期に移流霧が広く分布しやすい

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 赤外画像と可視画像の読み方を混同する

赤外画像は雲頂温度、可視画像は太陽光の反射を見ます。

同じ「白い」でも意味が違うので注意しましょう。

2. バルジを最盛期と覚えてしまう

バルジは低気圧が発達している段階で現れやすい雲形です。

「雲域が寒気側へ膨らむ=発達中」と覚えると判断しやすいです。

3. 筋状雲をすべてトランスバースラインと判断する

トランスバースラインは、上層風との向きの関係が重要です。

単に筋状に見えるだけでは、トランスバースラインとは判断できません。

4. 霧は衛星画像で見えないと思ってしまう

霧や下層雲は、赤外画像では目立ちにくい一方、可視画像では白っぽく確認できることがあります。

赤外画像と可視画像を組み合わせて判断することが大切です。

■ まとめ

  • 領域Aは発達した積乱雲を含む雲列と判断できる
  • 領域Bのバルジは低気圧の発達期を示す
  • 領域Cをトランスバースラインと判断するのは不適切
  • 領域Dには移流霧が存在するとみられる
  • 赤外画像と可視画像の役割を分けて読むことが重要

正解は③

(a)正
(b)誤
(c)誤
(d)正

この問題で必ず押さえたいこと

赤外画像

雲頂高度を見る

可視画像

雲の厚さ・反射を見る

バルジ

低気圧の発達期

冷たい海面+暖湿気

移流霧

衛星画像問題では、雲の白さだけで判断せず、赤外画像と可視画像をセットで読むことが大切です。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第61回 専門知識 問8の解説でした!

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