【第58回 気象予報士試験 専門知識】問1 地上気象観測の最大風速・降水・薄曇・霧と煙霧をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第58回 気象予報士試験 専門知識 問1を解説します!

この問題は、気象庁が行っている地上気象観測について、最大風速・降水・天気の判定・大気現象の定義を確認する問題です。

一見すると暗記問題に見えますが、受験生がつまずきやすいのは、「言葉の定義が似ているもの」を混同してしまうところです。

特に、霧と煙霧はどちらも視程が悪くなる現象なので、視程だけで判断しがちです。しかし、この問題では「何が浮遊しているのか」まで正確に押さえる必要があります。

この問題で重要なポイント

  • 最大風速は、10分間平均風速の最大値である。
  • 最大瞬間風速は、3秒間平均風速の最大値である。
  • 降水は、雨だけでなく雪・あられ・ひょうなども含む。
  • 降水は「落下する現象」または「落下したもの」の総称である。
  • 薄曇は、全雲量が多くても上層雲が主体のときに判定される。
  • 霧は、ごく小さな水滴が浮遊し、水平視程が1km未満の現象である。
  • 煙霧は、水滴ではなく、乾いた微粒子などが浮遊して視程が悪くなる現象である。

■ 問題文

気象庁が行っている地上気象観測について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 最大風速は風速計の測定値を10分間平均した値の最大値であり、最大瞬間風速は風速計の測定値を3秒間平均した値の最大値である。

(b) 降水とは、大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体・固体およびそれらの併合による生成物、すなわち雨・雪・あられ・ひょうなどが落下する現象、又は落下したものの総称である。

(c) 天気を決める大気現象がなく、全雲量が9以上で、見かけ上の最多雲量が巻雲・巻積雲・巻層雲およびこれらの組み合わせによるとき、天気は薄曇である。

(d) 大気現象の霧と煙霧は、ともにごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1km未満のときが霧、1km以上のときが煙霧である。

選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a) 正
(b) 正
(c) 正
(d) 誤

■ 解き方の方針

この問題は、次の4つの定義を順番に確認すれば解けます。

最大風速

10分間平均風速の最大値

最大瞬間風速

3秒間平均風速の最大値

薄曇

全雲量9以上でも
上層雲が主体なら薄曇

霧と煙霧

霧は水滴
煙霧は乾いた微粒子

特に(d)は、文章の後半だけを見ると「視程1km未満が霧、1km以上が煙霧」と読めて正しそうに見えます。

しかし、前半の「霧と煙霧はともに水滴が浮遊する現象」という部分が誤りです。

■ (a) 最大風速と最大瞬間風速の定義

(a)は正しいです。

最大風速は、10分間平均風速の最大値です。

最大瞬間風速は、3秒間平均風速の最大値です。

最大風速と最大瞬間風速の違い

最大風速

10分間平均風速の最大値

最大瞬間風速

3秒間平均風速の最大値

ここで大事なのは、最大瞬間風速も「本当に一瞬の値」ではなく、3秒間の平均値であることです。

名前だけ見ると「瞬間=その瞬間の1点の値」と思ってしまいますが、観測上は3秒間平均で扱います。

したがって、(a)は正しいです。

■ (b) 降水の定義

(b)は正しいです。

降水とは、雨だけを指す言葉ではありません。

大気中の水蒸気が凝結したり、昇華してできた液体・固体が落下する現象、または落下したものの総称です。

そのため、降水には次のようなものが含まれます。

  • あられ
  • ひょう

降水のイメージ

大気中の水蒸気

凝結・昇華

液体・固体の粒

落下する

降水

受験生が間違えやすいのは、降水を「雨」とだけ考えてしまうことです。

専門知識では、液体降水だけでなく、固体降水も含むと押さえておきましょう。

したがって、(b)は正しいです。

■ (c) 薄曇の判定

(c)は正しいです。

天気を決める大気現象がなく、全雲量が9以上で、見かけ上の最多雲量が巻雲・巻積雲・巻層雲およびこれらの組み合わせによるとき、天気は薄曇とされます。

巻雲・巻積雲・巻層雲はいずれも上層雲です。

つまり、空の多くが雲に覆われていても、主体が上層雲で、空が比較的明るく透けて見えるような場合は、薄曇と判断されます。

ここが受験生のつまずきポイントです

全雲量が9以上と聞くと、「ほとんど雲に覆われているから曇り」と考えたくなります。

しかし、天気の判定では、雲量だけでなく、見かけ上どの雲が多いかも重要です。

全雲量9以上

すぐに曇りと決めない

見かけ上の最多雲量が
巻雲・巻積雲・巻層雲

薄曇

したがって、(c)は正しいです。

■ (d) 霧と煙霧の違い

(d)は誤りです。

霧は、ごく小さな水滴が大気中に浮遊し、水平視程が1km未満になる現象です。

ここまでは問題文の説明と合っています。

しかし、煙霧は霧と同じような水滴の現象ではありません。

煙霧は、乾いた微粒子などが大気中に浮遊して、視程が悪くなる現象です。

霧と煙霧の決定的な違い



ごく小さな水滴

湿った現象

煙霧

乾いた微粒子など

乾いた現象

問題文では、「霧と煙霧は、ともにごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象」と書かれています。

この部分が誤りです。

視程だけでなく、何が浮遊しているのかを見なければなりません。

したがって、(d)は誤りです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 最大風速は10分間平均風速、最大瞬間風速は3秒間平均風速の最大値である。
(b) 降水は雨だけでなく、雪・あられ・ひょうなどの液体・固体の落下現象を含む。
(c) 全雲量9以上でも、見かけ上の最多雲量が巻雲・巻積雲・巻層雲主体なら薄曇となる。
(d) 霧は水滴による現象だが、煙霧は乾いた微粒子などによる現象であり、水滴とは限らない。

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 最大瞬間風速を「本当の瞬間値」と思ってしまう

最大瞬間風速は、名前に「瞬間」とありますが、観測上は3秒間平均風速の最大値です。最大風速の10分平均とセットで覚えると混同しにくくなります。

2. 降水を「雨」だけだと思ってしまう

降水には、雪・あられ・ひょうなどの固体降水も含まれます。試験では「降水=雨」と限定して考えないことが重要です。

3. 全雲量9以上なら必ず曇りと判断してしまう

全雲量が多くても、見かけ上の最多雲量が上層雲主体なら薄曇です。雲量だけでなく、雲の種類まで確認しましょう。

4. 霧と煙霧を視程だけで区別してしまう

霧は水滴、煙霧は乾いた微粒子などによる現象です。視程の条件だけでなく、原因となる粒子の違いを押さえる必要があります。

5. 「霧=1km未満、煙霧=1km以上」だけで覚えてしまう

この覚え方だけだと、煙霧も水滴の現象だと誤解しやすくなります。霧と煙霧は、視程だけでなく現象の中身が違います。

■ まとめ

  • 最大風速は10分間平均風速の最大値である。
  • 最大瞬間風速は3秒間平均風速の最大値である。
  • 降水には雨・雪・あられ・ひょうなどが含まれる。
  • 薄曇は、全雲量9以上でも上層雲主体のときに判定される。
  • 霧は水滴が浮遊する現象である。
  • 煙霧は乾いた微粒子などが浮遊する現象である。
  • (a)正、(b)正、(c)正、(d)誤。

正解は①

この問題で必ず押さえたいこと

最大風速

10分間平均風速の最大値

最大瞬間風速

3秒間平均風速の最大値

降水

雨・雪・あられ・ひょう

液体も固体も含む

薄曇

全雲量9以上

上層雲が主体



水滴

煙霧

乾いた微粒子

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第58回 専門知識 問1の解説でした!

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