【第57回 気象予報士試験 専門知識】問12 高解像度降水ナウキャストの250m解像度・利用データ・予測手法を解説
こんにちは!今回は第57回 気象予報士試験 専門知識 問12を解説します!
この問題は、気象庁の高解像度降水ナウキャストについて問う問題です。
ポイントは、どの範囲を何m解像度で予測するのか、そしてどの観測データを使っているのかです。
この問題で重要なポイント
- 高解像度降水ナウキャストは、1時間先までの降水を予測する。
- 予測前半30分は、陸上と海岸近くの海上で250m解像度となる。
- その他の海上では1km解像度で予測される。
- 降水域を立体的に解析するため、気象レーダーや雨量計だけでなく高層観測データも使う。
- ウィンドプロファイラやラジオゾンデのデータも利用される。
- 降水分布の3次元追跡手法が使われる。
- 気温・湿度などから雨粒の発生や落下を計算する手法も導入されている。
■ 問題文
気象庁の高解像度降水ナウキャストについて述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。 なお、高解像度降水ナウキャストは気象庁ホームページの「雨雲の動き」のページで提供されている。
(a) 高解像度化と速報性を両立するために、60分先までの予測期間のうち前半30分は、陸上と海岸近くの海上では250mの解像度により降水を予測し、その他の海上では1kmの解像度により降水を予測している。
(b) 降水域の内部を立体的に解析するために、気象ドップラーレーダーの観測データや雨量計のデータを利用しているが、ウィンドプロファイラやラジオゾンデの高層観測データは利用していない。
(c) 3次元的に降水分布を追跡する手法や、気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算する手法を導入している。
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 誤 | 正 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 |
| ⑤ | 誤 | 正 | 誤 |
■ 解答
②
(a) 正
(b) 誤
(c) 正
■ 解き方の方針
高解像度降水ナウキャストは、「短時間・高解像度・立体解析」がキーワードです。
高解像度降水ナウキャスト
↓
1時間先までの降水予測
↓
前半30分は特に高解像度
↓
陸上・海岸近くは250m
また、降水を立体的に見るためには、地上付近の雨量だけでなく、上空の風や大気の状態も重要になります。
■ (a) 前半30分は陸上・海岸近くで250m解像度?
(a)は正しいです。
高解像度降水ナウキャストでは、60分先までの降水を予測します。
このうち、予測前半30分については、陸上と海岸近くの海上で250m解像度の細かさで降水を予測します。
一方、その他の海上では1km解像度で予測されます。
解像度の整理
60分先まで予測
↓
前半30分
↓
陸上・海岸近くの海上:250m
その他の海上:1km
したがって、(a)は正しいです。
■ (b) ウィンドプロファイラやラジオゾンデは利用していない?
(b)は誤りです。
ここがこの問題のひっかけです。
高解像度降水ナウキャストでは、降水域の内部を立体的に解析するため、気象ドップラーレーダーや雨量計のデータを利用します。
しかし、それだけではありません。
上空の風や大気の状態を把握するために、ウィンドプロファイラやラジオゾンデの高層観測データも利用されます。
ここで止まりやすいポイント
「降水ナウキャストだから、レーダーと雨量計だけでしょ?」と考えると間違えます。
降水域を立体的に解析するには、上空の風や大気状態の情報も必要です。
利用データのイメージ
気象ドップラーレーダー
+
雨量計
+
ウィンドプロファイラ
+
ラジオゾンデ
↓
降水域を立体的に解析
したがって、「高層観測データは利用していない」という下線部は誤りです。
よって、(b)は誤りです。
■ (c) 3次元追跡や雨粒の発生・落下計算を導入?
(c)は正しいです。
高解像度降水ナウキャストでは、降水分布を単に平面的に移動させるだけではありません。
降水分布を3次元的に追跡する手法が用いられています。
また、気温や湿度などの分布をもとに、雨粒の発生や落下などを計算する手法も導入されています。
予測手法のイメージ
降水分布を3次元で追跡
↓
雨域の移動を予測
気温・湿度の分布
↓
雨粒の発生・落下を計算
↓
新たな降水の発生も考慮
したがって、(c)は正しいです。
■ 選択肢確認表
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 予測前半30分は、陸上と海岸近くの海上で250m、その他の海上で1km解像度により予測するため。 |
| (b) | 誤 | 降水域を立体的に解析するため、ウィンドプロファイラやラジオゾンデの高層観測データも利用しているため。 |
| (c) | 正 | 3次元的に降水分布を追跡する手法や、気温・湿度等に基づいて雨粒の発生・落下を計算する手法を導入しているため。 |
以上より、組み合わせは(a)正、(b)誤、(c)正です。
したがって、正解は②です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. 高解像度=全部250mだと思ってしまう
250m解像度になるのは、予測前半30分の陸上と海岸近くの海上です。その他の海上では1km解像度になります。
2. 60分先まで全部同じ解像度だと思ってしまう
前半30分と後半では扱いが異なります。高解像度と速報性を両立するための工夫です。
3. 降水ナウキャストはレーダーと雨量計だけで作ると思ってしまう
降水域の立体構造を把握するには、上空の風や大気の情報も必要です。そのため、ウィンドプロファイラやラジオゾンデも利用されます。
4. 降水域を単純に平行移動させるだけだと思ってしまう
高解像度降水ナウキャストでは、3次元的な追跡や、気温・湿度に基づく雨粒の発生・落下の計算も導入されています。
5. 「利用していない」という否定表現を見落とす
(b)は前半の「レーダーや雨量計を利用している」は正しいですが、後半の「高層観測データは利用していない」が誤りです。文末まで確認しましょう。
■ まとめ
- 高解像度降水ナウキャストは、1時間先までの降水を予測する。
- 予測前半30分は、陸上と海岸近くの海上で250m解像度となる。
- その他の海上では1km解像度で予測される。
- 気象ドップラーレーダーや雨量計だけでなく、高層観測データも利用される。
- ウィンドプロファイラやラジオゾンデも利用される。
- 3次元的な降水分布追跡や、雨粒の発生・落下を計算する手法が導入されている。
正解は②
この問題で必ず押さえたいこと
高解像度降水ナウキャスト
↓
60分先まで予測
↓
前半30分
↓
陸上・海岸近くは250m
降水域の立体解析
↓
レーダー・雨量計
+
ウィンドプロファイラ・ラジオゾンデ
予測手法
↓
3次元追跡
+
雨粒の発生・落下計算
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第57回 専門知識 問12の解説でした!
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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
