【第56回 気象予報士試験 専門知識】問12 雷ナウキャストの発表条件・予測・活動度をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第56回 気象予報士試験 専門知識 問12を解説します!

この問題は、気象庁が発表している雷ナウキャストについて、発表のタイミング、予測方法、活動度の意味を問う問題です。

受験生がつまずきやすいのは、「雷ナウキャストは雷が発生してから発表される」と思ってしまうところです。

雷ナウキャストは、すでに落雷がある場所だけでなく、今後落雷の可能性がある場所も含めて、雷の激しさや可能性を示す情報です。

この問題で重要なポイント

  • 雷ナウキャストは、雷の激しさや雷の可能性を示す情報である。
  • 解析は1km格子単位で行われる。
  • 予測は1時間先まで行われる。
  • 10分ごとに更新される。
  • 雷が確認されたときだけ発表されるわけではない。
  • 移動予測だけでなく、雷雲の盛衰傾向も統計的手法である程度予測する。
  • 予測途中で新たに発生する雷雲までは予測できない。
  • 活動度1〜4の4段階で表される。
  • 活動度2〜4は、すでに積乱雲が発生し、いつ落雷があってもおかしくない状況である。

■ 問題文

気象庁が発表している雷ナウキャストについて述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 雷ナウキャストは、雷監視システムで雷の発生が確認されたときに発表され、雷の発生状況の解析と1時間先までの推移を予報する。

(b) 雷雲の移動予測のほか、盛衰傾向は統計的手法によりある程度予測しているが、予測時刻の途中で新たに発生する雷雲は予測できない。

(c) 雷の激しさや雷の可能性は活動度1〜4の4つの階級で表される。活動度2〜4は、既に積乱雲が発生しており、いつ落雷があってもおかしくない状況を表す。

選択肢 (a) (b) (c)

■ 解答

(a) 誤
(b) 正
(c) 正

■ 解き方の方針

この問題は、雷ナウキャストを「落雷が起きた後だけの情報」ではなく、「落雷の可能性も含めた短時間予測情報」として理解しているかがポイントです。

雷ナウキャスト

現在の雷の発生状況を解析

今後1時間先まで予測

雷の激しさ・可能性を表示

本番では、次の3点を確認すると解きやすいです。

  • 雷が発生したときだけ発表されるのか。
  • 雷雲の移動だけでなく、盛衰も考慮するのか。
  • 活動度1〜4の意味を正しく理解しているか。

■ 補足講義:雷ナウキャストとは

雷ナウキャストは、雷の発生状況や雷の可能性を短時間で把握するための情報です。

特徴を整理すると、次のようになります。

項目 内容
対象 雷の激しさ・雷の可能性
解析単位 1km格子
予測時間 1時間先まで
更新間隔 10分ごと
階級 活動度1〜4

「ナウキャスト」という名前の通り、長期予報ではなく、今から近い時間の変化を細かく見る情報です。

■ (a) 雷が確認されたときに発表される?

(a)は誤りです。

雷ナウキャストは、雷監視システムで雷の発生が確認されたときだけ発表されるものではありません。

現在雷が発生していなくても、今後落雷の可能性がある場合には、その可能性を活動度として示します。

ここがひっかけ

「雷ナウキャスト=雷が発生してから出る情報」と考えると間違えます。

雷ナウキャストは、雷の発生状況だけでなく、雷の可能性も示します。

雷ナウキャストの考え方

雷が発生している場所

これから雷の可能性がある場所

活動度で表示

問題文の後半にある「雷の発生状況の解析と1時間先までの推移を予報する」という部分は正しい内容です。

しかし、前半の「雷の発生が確認されたときに発表され」という部分が誤りです。

前半正誤混在タイプに注意

(a)は、文の後半だけ見ると正しく感じます。

しかし、前半の「雷の発生が確認されたときに発表」が誤りです。 試験では、文章を最後まで読むだけでなく、前半と後半を分けて確認することが大切です。

したがって、(a)は誤りです。

■ (b) 雷雲の移動と盛衰を予測するが、新規発生は予測できない?

(b)は正しいです。

雷ナウキャストでは、雷雲がどの方向へ移動するかを予測します。

また、単に現在の雷雲をそのまま移動させるだけでなく、雷雲が強まるのか弱まるのかという盛衰傾向も、統計的手法によりある程度予測します。

雷ナウキャストの予測イメージ

現在の雷雲

移動方向を予測

盛衰傾向を統計的に予測

1時間先までの雷の可能性

ただし、予測時刻の途中で新しく発生する雷雲までは予測できません。

これは、雷雲の発生が非常に局地的で、時間変化も急であるためです。

ここで止まりやすいポイント

「雷ナウキャストなら雷を全部予測できる」と考えると危険です。

雷ナウキャストは、現在の解析をもとにした短時間予測であり、途中で新たに発生する雷雲までは予測できない点を押さえましょう。

したがって、(b)は正しいです。

■ (c) 活動度2〜4はいつ落雷があってもおかしくない?

(c)は正しいです。

雷ナウキャストでは、雷の激しさや雷の可能性を活動度1〜4の4つの階級で表します。

活動度 意味のイメージ
活動度1 雷の可能性がある
活動度2 雷が発生している、または落雷の可能性が高まっている
活動度3 やや激しい雷
活動度4 激しい雷

活動度2〜4は、すでに積乱雲が発生しており、いつ落雷があってもおかしくない状況を表します。

活動度の覚え方

活動度1

雷の可能性あり

活動度2〜4

積乱雲が発生

いつ落雷があってもおかしくない

ここでは、活動度1と活動度2以上の違いを押さえることが重要です。

ここがひっかけ

活動度1は「すでに落雷がある」という意味ではありません。

一方、活動度2〜4は、すでに積乱雲が発生しており、落雷の危険が高い段階です。

したがって、(c)は正しいです。

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
(a) 雷ナウキャストは雷の発生が確認されたときだけ発表されるものではなく、雷の可能性も示すため。
(b) 雷雲の移動予測に加えて、盛衰傾向も統計的手法である程度予測するが、途中で新たに発生する雷雲までは予測できないため。
(c) 雷の激しさや可能性は活動度1〜4で表され、活動度2〜4は積乱雲が発生し、いつ落雷があってもおかしくない状況を示すため。

以上より、組み合わせは(a)誤、(b)正、(c)正です。

したがって、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 雷ナウキャストを「雷が発生してから出る情報」と思ってしまう

雷ナウキャストは、雷が発生した場所だけでなく、今後雷の可能性がある場所も示します。(a)はこの点を狙ったひっかけです。

2. 活動度1と活動度2以上の違いがあいまいになる

活動度1は雷の可能性がある段階です。活動度2〜4は、すでに積乱雲が発生しており、いつ落雷があってもおかしくない状況です。

3. ナウキャストを万能な予報だと思ってしまう

雷ナウキャストは短時間予測として有効ですが、予測途中で新たに発生する雷雲までは予測できません。局地的・急発達する現象には限界があります。

4. 「移動予測」と「盛衰予測」を分けて理解していない

雷雲がどこへ動くかだけでなく、強まるか弱まるかも統計的手法である程度予測します。ただし、新規発生までは予測できない点とセットで押さえましょう。

5. 文の一部だけを読んで正誤判定してしまう

(a)は後半の「1時間先までの推移を予報する」は正しい内容ですが、前半の「雷の発生が確認されたときに発表」が誤りです。文全体を分解して判断しましょう。

■ まとめ

  • 雷ナウキャストは、雷の激しさや雷の可能性を示す情報である。
  • 雷が発生したときだけ発表されるわけではない。
  • 1時間先までの推移を予測する。
  • 雷雲の移動だけでなく、盛衰傾向も統計的手法である程度予測する。
  • 途中で新たに発生する雷雲までは予測できない。
  • 活動度2〜4は、いつ落雷があってもおかしくない状況を表す。

正解は③

この問題で必ず押さえたいこと

雷ナウキャスト

雷の発生状況

雷の可能性

1時間先まで予測

予測できるもの

雷雲の移動

盛衰傾向

予測できないもの

途中で新たに発生する雷雲

活動度2〜4

積乱雲が発生

いつ落雷があってもおかしくない

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第56回 専門知識 問12の解説でした!

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