【第55回 気象予報士試験 一般知識】問15 災害対策基本法の基本理念をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第55回 気象予報士試験 一般知識 問15を解説します!

法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規

この問題は、災害対策基本法における災害対策の基本理念について、条文中の語句を選ぶ問題です。

受験生がつまずきやすいのは、「意味としては近そう」な言葉に引っ張られて、条文の正確な表現を外してしまうところです。

この問題で重要なポイント

  • 災害対策基本法の基本理念では「自然的特性」という表現が使われる。
  • 災害の発生は常に「想定する」と表現される。
  • 「前提とする」ではない。
  • 地域の防災活動では「自主防災組織」が重要。
  • 「消防団」と「自主防災組織」は別物。
  • 災害対策は「科学的知見」と「過去の災害の教訓」を踏まえて改善する。
  • 法規問題では、似た言葉のすり替えに注意する。

■ 問題文

災害対策基本法における災害対策の基本理念について述べた次の文章の空欄(a)〜(d)に入る語句の組み合わせとして適切なものを,下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

我が国の (a) に鑑み,人口,産業その他の社会経済情勢の変化を踏まえ,災害の発生を常に (b) とともに,災害が発生した場合における被害の最小化及びその迅速な回復を図ること。

国,地方公共団体及びその他の公共機関の適切な役割分担及び相互の連携協力を確保するとともに,これと併せて,住民一人一人が自ら行う防災活動及び (c) その他の地域における多様な主体が自発的に行う防災活動を促進すること。

災害に備えるための措置を適切に組み合わせて一体的に講ずること並びに科学的知見及び (d) を踏まえて絶えず改善を図ること。

選択肢 (a) (b) (c) (d)
将来の気候変動前提とする自主防災組織情報通信技術の発展
地勢その他の条件想定する消防団過去の災害の教訓
地勢その他の条件前提とする消防団情報通信技術の発展
自然的特性想定する自主防災組織過去の災害の教訓
自然的特性想定する消防団過去の災害の教訓

■ 解答

(a) 自然的特性
(b) 想定する
(c) 自主防災組織
(d) 過去の災害の教訓

■ 解き方の方針

この問題は、災害対策基本法の条文表現をどれだけ正確に覚えているかが問われています。

我が国の自然的特性

災害が起こりやすい国土条件

災害の発生

常に想定する

地域の防災活動

自主防災組織

改善の根拠

科学的知見

過去の災害の教訓

特に(c)は、消防団を選びたくなりますが、条文上は自主防災組織です。

■ (a) 我が国の何に鑑みるか

(a)には自然的特性が入ります。

日本は、地震、津波、台風、大雨、火山など、さまざまな自然災害が発生しやすい国です。

災害対策基本法の基本理念では、このような我が国の条件を自然的特性という言葉で表しています。

言葉のイメージ

日本の国土

地震・津波・台風・火山など
災害が起こりやすい

これを条文では

自然的特性

したがって、(a)は自然的特性です。

■ (b) 災害の発生を常にどうするか

(b)には想定するが入ります。

災害対策では、「災害は起こらないだろう」ではなく、常に起こり得るものとして備えることが大切です。

そのため、条文では「災害の発生を常に想定する」という表現になっています。

ここが法規問題のひっかけです

想定する

起こり得るものとして考える

前提とする

似ているが条文表現ではない

意味が近く見えても、法規問題では条文に沿った表現を選ぶ必要があります。

したがって、(b)は想定するです。

■ (c) 地域における自発的な防災活動の主体

(c)には自主防災組織が入ります。

災害対策基本法では、国や地方公共団体だけでなく、住民一人一人や地域の多様な主体による防災活動も重視されています。

この文脈で出てくるのが、地域住民が自発的に組織する自主防災組織です。

消防団との違いに注意

自主防災組織

地域住民による
自主的な防災組織

消防団

消防組織法に基づく
消防機関

どちらも地域防災に関係しますが、ここで入る語句は自主防災組織です。

したがって、(c)は自主防災組織です。

■ (d) 科学的知見と何を踏まえるか

(d)には過去の災害の教訓が入ります。

災害対策は、一度決めたら終わりではありません。

科学的知見に加えて、過去の災害で得られた教訓を踏まえ、絶えず改善していく必要があります。

災害対策の改善

科学的知見

過去の災害の教訓

災害対策を
絶えず改善

したがって、(d)は過去の災害の教訓です。

■ 選択肢確認表

空欄 答え 理由
(a) 自然的特性 我が国の災害が発生しやすい国土条件などを踏まえる表現。
(b) 想定する 災害の発生を常に起こり得るものとして考えるという趣旨。
(c) 自主防災組織 住民一人一人の防災活動と併せて、地域の自発的な防災活動を促進する主体。
(d) 過去の災害の教訓 科学的知見とともに、過去の災害から得た教訓を踏まえて改善を図る。

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 「地勢その他の条件」を選んでしまう

意味としては近そうですが、この条文で使われる表現は「自然的特性」です。法規では似た言い換えに注意しましょう。

2. 「前提とする」を選んでしまう

災害の発生については「常に想定する」という表現です。「前提とする」も意味は近いですが、条文表現としては不適切です。

3. 「消防団」を選んでしまう

消防団も地域防災に関係しますが、この文脈では住民による自発的な防災活動として「自主防災組織」が入ります。

4. 「情報通信技術の発展」を選んでしまう

近年の災害対策では重要そうに見えますが、条文では「科学的知見及び過去の災害の教訓」を踏まえるとされています。

■ まとめ

  • 我が国の「自然的特性」に鑑みる。
  • 災害の発生を常に「想定する」。
  • 住民の防災活動と併せて「自主防災組織」などの活動を促進する。
  • 科学的知見及び「過去の災害の教訓」を踏まえて改善を図る。
  • (a)自然的特性、(b)想定する、(c)自主防災組織、(d)過去の災害の教訓。

正解は④

この問題で必ず押さえたいこと

我が国の
自然的特性

災害の発生を
常に想定する

地域の防災活動

自主防災組織

科学的知見

過去の災害の教訓

絶えず改善

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第55回 一般知識 問15の解説でした!

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