【第54回 気象予報士試験 一般知識】問1 大気の鉛直構造をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問1を解説します!

この問題は、大気の鉛直構造(対流圏・成層圏・中間圏・熱圏)について理解しているかを問う基本問題です。

一見すると暗記問題に見えますが、実際は「なぜその層で気温が変化するのか」を理解していれば迷わず解けます。

受験生が特につまずきやすいのは、 電離層・オゾン層・熱圏・成層圏の位置関係です。

この問題で重要なポイント

  • 対流圏は放射と対流によって気温構造が決まる。
  • 成層圏はオゾンが紫外線を吸収して昇温する。
  • オゾン数密度が最大なのは成層圏下部(約25km付近)。
  • 熱圏では酸素・窒素が短波長の紫外線やX線を吸収する。
  • 電離層の大部分は熱圏に存在する。
  • 温度分布だけで各気層を判別できるようになることが重要。

■ 問題文

図は標準的な大気における気温の鉛直分布を示したものである。図のA~Dの矩形で示された高度における気層の特性について述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a) 気層Aでは,大気が波長の短い紫外線などを吸収して,高度が高いほど気温も高い。

(b) 電離層は紫外線の作用により形成され,その大部分は気層Bの中にある。

(c) 気層Cのオゾンの数密度は,大気層全体の中で最も大きい。

(d) 気層Dにおける気温の平均的な鉛直分布は,放射のバランスと対流による大気の鉛直混合および水蒸気の凝結過程によりほぼ決まる。

図
選択肢 (a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a) 正
(b) 誤
(c) 誤
(d) 正

■ 解き方の方針

この問題は、各気層で気温が変化する理由を理解しているかがポイントです。

対流圏

対流・放射で決まる

成層圏

オゾンが紫外線を吸収

熱圏

酸素・窒素が短波長紫外線・X線を吸収

この3つを押さえれば、(b)(c)の誤りにも気付けます。

■ 補足講義:大気の鉛直構造は必ず覚える!

熱圏(A)
↑ 気温上昇

中間圏(B)
↓ 気温低下

成層圏(C)
↑ オゾン吸収で気温上昇

対流圏(D)
↓ 高度とともに気温低下

■ (a) 熱圏では高度が高いほど気温が高い?

正しいです。

熱圏では酸素や窒素が短波長の紫外線やX線を吸収するため、高度が高いほど気温が上昇します。

ここで止まりやすいポイント

「オゾンが紫外線を吸収する」と混同してしまいがちですが、熱圏では主役は酸素・窒素です。

■ (b) 電離層は中間圏にある?

誤りです。

電離層は紫外線によって形成されますが、その大部分は熱圏に存在します。

名称 主な位置
オゾン層 成層圏
電離層 熱圏

ここがひっかけ

「紫外線」というキーワードだけで成層圏と結びつけると間違えます。

■ (c) 気層Cでオゾン数密度が最大?

誤りです。

オゾン数密度が最大なのは成層圏下部(約25km付近)です。

図のCは成層圏上部付近を示しているため、「最も大きい」という表現は誤りになります。

ここで間違えやすい理由

「成層圏=オゾン層」とだけ覚えていると、成層圏ならどこでも最大だと思ってしまいます。

■ (d) 対流圏の気温分布は放射と対流で決まる?

正しいです。

対流圏では、 放射による加熱・冷却だけでなく、 対流による鉛直混合や水蒸気の凝結に伴う潜熱放出によって平均的な気温分布が決まります。

対流圏の気温が決まる流れ

放射収支

対流混合

凝結潜熱

平均的な気温分布

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
(a) 熱圏では短波長紫外線やX線を吸収し気温が上昇する。
(b) 電離層の大部分は熱圏に存在する。
(c) オゾン数密度最大は約25km付近。
(d) 放射・対流・凝結潜熱で平均的な鉛直気温分布が決まる。

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

① 電離層とオゾン層を混同する

電離層は熱圏、オゾン層は成層圏です。

② 成層圏ならどこでもオゾンが最大と思ってしまう

最大なのは約25km付近だけです。

③ 熱圏の昇温理由をオゾンと覚えてしまう

熱圏では酸素・窒素が短波長放射を吸収します。

④ 気温変化だけ暗記して理由を覚えていない

「なぜ上昇・下降するのか」を理解すると応用問題にも対応できます。

⑤ 気層の並び順があいまい

対流圏→成層圏→中間圏→熱圏の順番は頻出です。

■ まとめ

  • 熱圏では短波長紫外線やX線を吸収して気温が上昇する。
  • 電離層の大部分は熱圏にある。
  • オゾン数密度最大は約25km付近。
  • 対流圏の気温分布は放射・対流・凝結潜熱で決まる。

正解は③

この問題で必ず押さえたいこと

対流圏

放射+対流+凝結潜熱

成層圏

オゾンが紫外線を吸収

熱圏

酸素・窒素が短波長放射を吸収

電離層

熱圏

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 一般知識 問1の解説でした!

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