【第54回 気象予報士試験 一般知識】問2 湿潤空気中の乾燥空気の分圧をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問2を解説します!

この問題は、湿潤空気の中に含まれる水蒸気の分圧を求め、全体の気圧から差し引いて乾燥空気の分圧を求める問題です。

受験生が止まりやすいのは、いきなり乾燥空気の分圧を求めようとしてしまうところです。

この問題では、まず水蒸気の分圧を求めるのが先です。

この問題で重要なポイント

  • 湿潤空気の気圧は、乾燥空気の分圧と水蒸気の分圧の和である。
  • 乾燥空気の分圧 = 全体の気圧 − 水蒸気の分圧。
  • 相対湿度50%なので、水蒸気密度は飽和水蒸気密度の半分。
  • 27℃における飽和水蒸気密度は26g/m3
  • したがって実際の水蒸気密度は13g/m3
  • g/m3をkg/m3に直す必要がある。
  • 気体の状態方程式 p=ρRT を使って水蒸気圧を求める。
  • Paで出た値をhPaに直す。

■ 問題文

気温、気圧、相対湿度が、それぞれ27℃、1008hPa、50%の大気における、乾燥空気の分圧として最も適切なものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

ただし、水蒸気の気体定数を461J kg-1 K-1、27℃における飽和水蒸気密度を26g m-3とする。

選択肢 乾燥空気の分圧
1005hPa
1000hPa
995hPa
990hPa
985hPa

■ 解答

乾燥空気の分圧:990hPa

■ 解き方の方針

この問題は、次の順番で解くと迷いません。

相対湿度50%

実際の水蒸気密度を求める

p=ρRTで水蒸気圧を求める

全気圧から水蒸気圧を引く

つまり、いきなり乾燥空気の分圧を出すのではなく、まず水蒸気がどれだけ圧力を担当しているかを計算します。

■ 補足講義:湿潤空気の気圧は「分圧の足し算」

湿潤空気は、乾燥空気と水蒸気が混ざった空気です。

そのため、全体の気圧は次のように考えます。

全体の気圧

乾燥空気の分圧

水蒸気の分圧

今回求めたいのは乾燥空気の分圧です。

したがって、式を変形すると次のようになります。

乾燥空気の分圧

全体の気圧

水蒸気の分圧

つまり、この問題の本質は水蒸気の分圧を求められるかです。

■ Step1:相対湿度50%から水蒸気密度を求める

27℃における飽和水蒸気密度は、問題文より26g/m3です。

相対湿度は50%なので、実際に含まれている水蒸気の密度はその半分です。

26g/m3 × 0.50

13g/m3

ただし、気体の状態方程式では単位をkgで扱うので、

13g/m3

0.013kg/m3

と直します。

ここで止まりやすいポイント

26g/m3をそのまま式に入れると、答えが1000倍ずれてしまいます。

gをkgに直すことが、この問題の最重要ポイントです。

■ Step2:気体の状態方程式で水蒸気圧を求める

水蒸気について、気体の状態方程式を使います。

p = ρRT

p:水蒸気圧
ρ:水蒸気密度
R:水蒸気の気体定数
T:絶対温度

気温27℃は、絶対温度では約300Kです。

27℃

27 + 273

300K

したがって、

p = 0.013 × 461 × 300

= 1797.9Pa

約1800Paです。

■ Step3:PaをhPaに直す

ここで、問題の選択肢はhPaです。

1hPa = 100Paなので、

1800Pa

18hPa

つまり、水蒸気の分圧は約18hPaです。

ここがひっかけ

計算結果の1797.9を見て、そのままhPaだと思うと大きく間違えます。

p=ρRTで出る圧力の単位はPaです。

■ Step4:全気圧から水蒸気圧を引く

全体の気圧は1008hPaです。

水蒸気の分圧は約18hPaなので、乾燥空気の分圧は次のように求めます。

乾燥空気の分圧

1008hPa − 18hPa

= 990hPa

したがって、正解はです。

■ 補足講義:なぜ乾燥空気の分圧は全気圧より小さいのか

湿潤空気の中には、水蒸気が含まれています。

そのため、全体の気圧1008hPaのすべてを乾燥空気が担当しているわけではありません。

全体:1008hPa

水蒸気:約18hPa

残りが乾燥空気:約990hPa

このように、乾燥空気の分圧は全気圧から水蒸気の分だけ差し引いた値になります。

■ 計算の確認表

手順 内容 計算
1 実際の水蒸気密度 26 × 0.50 = 13g/m3
2 単位変換 13g/m3 = 0.013kg/m3
3 水蒸気圧 0.013 × 461 × 300 = 1797.9Pa
4 hPaへ変換 1797.9Pa ≒ 18hPa
5 乾燥空気の分圧 1008 − 18 = 990hPa

■ 選択肢確認表

選択肢 乾燥空気の分圧 判定 理由
1005hPa 水蒸気圧を約3hPaと小さく見積もった値。
1000hPa 水蒸気圧を約8hPaとした場合に近い値。
995hPa 水蒸気圧を約13hPaとした場合に近い値。
990hPa 水蒸気圧約18hPaを全気圧1008hPaから引いた値。
985hPa 水蒸気圧を大きく見積もりすぎている。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 乾燥空気の分圧をいきなり求めようとする

この問題では、先に求めるべきなのは水蒸気の分圧です。乾燥空気の分圧は、最後に全気圧から水蒸気圧を引いて求めます。

2. 相対湿度50%の意味を間違える

相対湿度50%とは、飽和水蒸気密度の半分だけ水蒸気が含まれているという意味です。26g/m3をそのまま使ってはいけません。

3. g/m3をkg/m3に直し忘れる

気体定数461J kg-1 K-1に合わせるため、水蒸気密度もkg/m3に直します。13g/m3は0.013kg/m3です。

4. ℃をKに直し忘れる

気体の状態方程式では絶対温度Kを使います。27℃は約300Kです。

5. PaとhPaの変換を忘れる

p=ρRTで出てくる圧力はPaです。選択肢はhPaなので、100で割る必要があります。

6. 水蒸気圧を足してしまう

乾燥空気の分圧を求めるときは、水蒸気圧を足すのではなく引きます。全気圧の中に水蒸気圧も含まれているからです。

■ まとめ

  • 湿潤空気の気圧は、乾燥空気の分圧と水蒸気の分圧の和である。
  • 相対湿度50%なので、水蒸気密度は26g/m3の半分で13g/m3
  • 13g/m3 = 0.013kg/m3
  • p=ρRTより、水蒸気圧は約1800Pa = 18hPa。
  • 乾燥空気の分圧は1008 − 18 = 990hPa。

正解は④

この問題で必ず押さえたいこと

相対湿度50%

26g/m3の半分

13g/m3

13g/m3

0.013kg/m3

p=ρRT

水蒸気圧 約18hPa

乾燥空気の分圧

1008 − 18

990hPa

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 一般知識 問2の解説でした!

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