【第54回 気象予報士試験 一般知識】問6 太陽放射と地球放射をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問6を解説します!

この問題は、太陽放射・地球放射・雲の放射効果・大気の窓について問う問題です。

受験生がつまずきやすいのは、太陽放射は短波放射、地球放射は長波放射という基本を、各選択肢に当てはめられないところです。

特に(c)の「大気の窓」は、言葉の意味を逆に読んでしまいやすい頻出ひっかけです。

この問題で重要なポイント

  • 太陽放射は主に短波放射である。
  • 地球放射は主に赤外線の長波放射である。
  • 波長0.3μmより短い紫外線の大部分は、大気中で吸収される。
  • 雲は太陽放射を反射して地表を冷やす効果を持つ。
  • 雲は地表面からの赤外線を吸収・再放射して地表を暖める効果も持つ。
  • 大気の窓では、地球放射が大気に吸収されにくい。
  • 大気の窓以外では、地球放射は大気に吸収されやすい。

■ 問題文

太陽放射や地球放射について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 大気は、太陽放射のうち波長が0.3μmより短い紫外線の大部分を、地表面に達する前に吸収する。

(b) 雲は、太陽放射を反射し地表の冷却に寄与する一方で、地表面等からの赤外線を吸収し、自らの温度に応じた赤外線を射出することにより地表面を加熱する放射効果をあわせて持っている。

(c) 大気は、「大気の窓」と呼ばれる波長域以外では、地球放射をほとんど吸収しない。

選択肢 (a) (b) (c)

■ 解答

(a) 正
(b) 正
(c) 誤

■ 解き方の方針

この問題は、次の3つを押さえると解けます。

太陽放射

短波放射

短い紫外線は大気で吸収



太陽放射を反射して冷却

赤外線を吸収・再放射して加熱

大気の窓

地球放射が通り抜けやすい波長域

(c)は「大気の窓以外では吸収しない」としているので、意味が逆です。

■ 補足講義:太陽放射と地球放射の違い

まず、太陽放射と地球放射の違いを整理しましょう。

項目 太陽放射 地球放射
放射するもの 太陽 地球表面・大気・雲
主な波長 短波放射 長波放射
代表例 可視光・紫外線・近赤外線 赤外線
試験での見方 地球に入ってくるエネルギー 地球から出ていくエネルギー

ここで止まりやすいポイント

「赤外線」という言葉が出たら、基本的には地球放射や温室効果と結びつけます。

「紫外線」という言葉が出たら、太陽放射やオゾン・酸素による吸収と結びつけます。

■ (a) 波長0.3μmより短い紫外線は大気で吸収される?

(a)は正しいです。

太陽放射のうち、波長が0.3μmより短い紫外線の大部分は、地表面に届く前に大気中で吸収されます。

主に、成層圏のオゾンや上層大気の酸素分子などが関係します。

短波長紫外線の流れ

太陽から短波長紫外線

酸素・オゾンなどが吸収

地表面にはほとんど届かない

波長の短い紫外線はエネルギーが大きく、生物にとって有害です。

そのため、大気による吸収は地表環境を守る役割も持っています。

ここがひっかけ

「紫外線は全部地表に届く」と考えると誤りです。

特に短い波長の紫外線は、大気中で強く吸収されます。

したがって、(a)は正しいです。

■ (b) 雲は冷却効果と加熱効果の両方を持つ?

(b)は正しいです。

雲には、地表を冷やす効果と暖める効果の両方があります。

まず、雲は太陽放射を反射します。

太陽放射が地表に届きにくくなるため、これは地表を冷やす効果です。

雲が太陽放射を反射

地表に届く日射が減る

地表を冷やす

一方で、雲は地表面から出る赤外線を吸収し、自らの温度に応じて赤外線を再び射出します。

この一部が地表方向へ戻るため、地表を暖める効果もあります。

地表から赤外線

雲が吸収

雲が赤外線を再放射

地表方向にも戻る

地表を暖める

雲の効果 しくみ 地表への影響
冷却効果 太陽放射を反射する 地表に届く日射が減る
加熱効果 地表面からの赤外線を吸収・再放射する 地表面を暖める

ここで間違えやすい理由

「雲がある日は日差しが弱いから冷える」というイメージだけだと、雲の温室効果を見落とします。

雲は昼間は冷却、夜間は保温として働くことが多い、と考えると理解しやすいです。

したがって、(b)は正しいです。

■ (c) 大気の窓以外では地球放射をほとんど吸収しない?

(c)は誤りです。

大気の窓とは、地球放射の赤外線が大気に吸収されにくく、宇宙へ逃げやすい波長域のことです。

つまり、大気の窓では、地球放射は比較的よく通過します。

大気の窓の意味

大気の窓

赤外線が大気を通り抜けやすい

地球放射が宇宙へ出やすい

一方、大気の窓以外の波長域では、水蒸気や二酸化炭素などの温室効果ガスによって、地球放射は吸収されやすくなります。

問題文では、大気の窓以外では地球放射をほとんど吸収しないと述べています。

これは逆です。

ここが最大のひっかけ

「大気の窓」は、地球放射が通り抜けやすい波長域です。

問題文は「窓以外では吸収しない」としており、意味が反対になっています。

したがって、(c)は誤りです。

■ 補足講義:大気の窓をイメージで理解する

「大気の窓」という名前は、かなりわかりやすい名前です。

窓があると、外へ出入りしやすくなります。

それと同じで、大気の窓では、地表面から出た赤外線が大気に吸収されにくく、宇宙へ抜けやすくなります。

窓がある

外へ抜けやすい

大気の窓

赤外線が宇宙へ抜けやすい

逆に、大気の窓ではない波長域では、赤外線は水蒸気や二酸化炭素などに吸収されやすくなります。

波長域 地球放射の通りやすさ イメージ
大気の窓 通りやすい 宇宙へ逃げやすい
大気の窓以外 吸収されやすい 温室効果ガスに捕まりやすい

■ 選択肢確認表

選択肢 判定 理由
(a) 波長0.3μmより短い紫外線の大部分は、大気中で吸収されるため。
(b) 雲は太陽放射の反射による冷却効果と、赤外線の吸収・再放射による加熱効果の両方を持つため。
(c) 大気の窓では地球放射が吸収されにくく、窓以外では吸収されやすいため。

以上より、組み合わせは(a)正、(b)正、(c)誤です。

したがって、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 太陽放射と地球放射を混同する

太陽放射は主に短波放射、地球放射は主に赤外線の長波放射です。まずここを分けて考えましょう。

2. 紫外線はすべて地表に届くと思ってしまう

波長の短い紫外線は、大気中の酸素やオゾンなどに吸収され、地表にはほとんど届きません。

3. 雲の効果を冷却だけで覚えてしまう

雲は太陽放射を反射する一方で、地表面からの赤外線を吸収・再放射します。冷却効果と加熱効果の両方があります。

4. 大気の窓の意味を逆に読む

大気の窓は、地球放射が大気を通り抜けやすい波長域です。「窓=通り抜ける」と覚えると間違えにくいです。

5. 「大気の窓以外では吸収しない」という文に引っかかる

正しくは、大気の窓以外では地球放射は吸収されやすいです。問題文は逆のことを言っています。

6. 雲の夜間の保温効果を見落とす

曇った夜は冷え込みにくいことがあります。これは、雲が地表からの赤外線を吸収・再放射するためです。

■ まとめ

  • 波長0.3μmより短い紫外線の大部分は、大気中で吸収される。
  • 雲は太陽放射を反射して地表を冷やす。
  • 雲は地表面からの赤外線を吸収・再放射して地表を暖める。
  • 大気の窓では、地球放射が大気を通り抜けやすい。
  • 大気の窓以外では、地球放射は大気に吸収されやすい。

正解は②

この問題で必ず押さえたいこと

太陽放射

短波放射

短い紫外線は大気で吸収



太陽放射を反射

赤外線を吸収・再放射

大気の窓

地球放射が通り抜けやすい

大気の窓以外

地球放射は吸収されやすい

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 一般知識 問6の解説でした!

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