【第54回 気象予報士試験 一般知識】問14 気象業務法の罰則をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問14を解説します!
法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規
この問題は、気象業務法に規定されている罰則が適用される事例について問う法規問題です。
受験生がつまずきやすいのは、「悪いことっぽいから全部罰則」と考えてしまうところです。
法規問題では、感覚ではなく、気象業務法で罰則の対象として定められている行為かどうかを判断する必要があります。
この問題で重要なポイント
- 気象庁が設置・運用する気象測器を正当な理由なく損壊すると、罰則の対象となる。
- 気象庁へ届け出て使用している測器も、公共性のある観測に使われている。
- 教育用の観測であっても、検定を受けていない気象測器を使うだけで直ちに罰則対象とは限らない。
- 気象庁職員が観測のために立ち入ろうとした場合、正当な理由なく拒むと罰則対象となる。
- 「検定を受けていない=必ず罰則」と短絡しない。
- 「正当な理由なく」があるかどうかに注意する。
- 気象業務法の罰則問題では、条文で罰則対象になる行為を正確に押さえる。
■ 問題文
気象業務法に規定する罰則が適用される事例について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) 地方公共団体が気象庁に届出をして使用している雨量計を、通行人が正当な理由がないのに壊した。
(b) ある小学校が、気象庁長官の検定を受けていない風速計を校庭に設置して毎日一定の時刻に観測し、その成果を教育のために利用していた。
(c) 気象庁長官の命を受け、私有地で観測を行おうとした気象庁職員の立ち入りを、土地所有者が正当な理由なく拒んだ。
| 選択肢 | (a) | (b) | (c) |
|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 正 | 誤 |
| ③ | 正 | 誤 | 正 |
| ④ | 誤 | 正 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 正 |
■ 解答
③
(a) 正
(b) 誤
(c) 正
■ 解き方の方針
この問題は、次の3つの行為が罰則対象になるかを見ます。
(a)
気象観測に使う測器を
正当な理由なく壊した
(b)
未検定の測器を
教育目的で使った
(c)
気象庁職員の観測のための立ち入りを
正当な理由なく拒んだ
(a)と(c)は罰則対象です。
一方、(b)は教育のための利用であり、気象業務法の罰則対象としては扱われません。
したがって、正解は③です。
■ 補足講義:気象業務法の罰則は「公共性を守るため」にある
気象観測や気象情報は、防災・交通・産業など、社会全体に関わる重要な情報です。
そのため、気象業務法では、観測を妨害したり、重要な気象測器を壊したりする行為に罰則を設けています。
罰則のイメージ
気象観測
↓
防災や社会活動に必要
↓
測器の損壊・観測妨害は重大
↓
罰則の対象
ただし、気象に関係していれば何でも罰則対象になるわけではありません。
問題文をよく読み、罰則の対象として法律に定められている行為かを判断することが大切です。
■ (a) 届出をして使用している雨量計を正当な理由なく壊した場合
(a)は正しいです。
地方公共団体が気象庁に届出をして使用している雨量計は、気象観測に用いられる重要な測器です。
これを通行人が正当な理由がないのに壊した場合、気象業務法の罰則が適用される事例に当たります。
(a)の判断
届出をして使用している雨量計
↓
気象観測に使う測器
↓
正当な理由なく損壊
↓
罰則対象
ここで重要なのは、単なる私物を壊した話ではなく、気象観測に用いられる測器を損壊している点です。
気象観測に支障を与えるため、罰則の対象になります。
ここがひっかけ
「地方公共団体の雨量計だから、気象庁の測器ではないのでは?」と迷いやすいです。
しかし、気象庁に届出をして使用している気象測器であり、正当な理由なく壊せば罰則対象になります。
したがって、(a)は正しいです。
■ (b) 未検定の風速計を小学校が教育目的で使った場合
(b)は誤りです。
この文では、小学校が気象庁長官の検定を受けていない風速計を校庭に設置し、毎日観測して、その成果を教育のために利用しています。
ここで重要なのは、教育のための利用であることです。
(b)の判断
未検定の風速計
↓
小学校の校庭に設置
↓
教育のために利用
↓
罰則対象ではない
気象業務法では、一定の目的で気象観測を行う場合、検定を受けた気象測器を使うことが求められる場面があります。
しかし、教育目的で観測し、その成果を教育のために利用している場合まで、直ちに罰則対象となるわけではありません。
ここで間違えやすい理由
「検定を受けていない風速計」と聞くと、すぐに違法・罰則と判断したくなります。
しかし、問題文では教育のために利用している点が重要です。
未検定の測器を教育目的で使っただけでは、この問題の罰則対象にはなりません。
したがって、(b)は誤りです。
■ (c) 気象庁職員の観測のための立ち入りを正当な理由なく拒んだ場合
(c)は正しいです。
気象庁長官の命を受けた気象庁職員は、必要な場合に、観測のために土地へ立ち入ることがあります。
この立ち入りを、土地所有者が正当な理由なく拒んだ場合、気象業務法の罰則が適用される事例に当たります。
(c)の判断
気象庁長官の命を受けた職員
↓
観測のために立ち入り
↓
土地所有者が正当な理由なく拒む
↓
罰則対象
気象観測は、防災や公共の安全に関わる重要な業務です。
そのため、正当な理由なく観測のための立ち入りを妨げる行為は、罰則の対象になります。
ここがひっかけ
「私有地だから、所有者が自由に拒否できるのでは?」と思いやすいです。
しかし、気象庁長官の命を受けた職員が観測のために立ち入ろうとしている場合、正当な理由なく拒むと罰則対象になります。
したがって、(c)は正しいです。
■ 補足講義:「正当な理由なく」に注目する
法規問題では、正当な理由なくという言葉が非常に重要です。
正当な理由がある場合と、正当な理由がない場合では、判断が変わることがあります。
読み取りのコツ
正当な理由なく
↓
違法性・罰則の判断で重要
正当な理由がある
↓
直ちに罰則とは限らない
今回の(a)と(c)では、どちらも「正当な理由なく」という条件があります。
そのため、気象測器の損壊や観測のための立ち入り拒否が、罰則対象として判断されます。
■ 補足講義:未検定の気象測器はいつ問題になるのか
(b)で出てくる「気象庁長官の検定を受けていない風速計」は、いかにも罰則対象に見えます。
しかし、試験では何のために観測しているかを確認することが大切です。
| 観測の目的 | 判断のイメージ |
|---|---|
| 防災・公共目的・証明などで用いる観測 | 検定済み測器が問題になりやすい |
| 教育のための観測 | この問題では罰則対象ではない |
試験での注意
「未検定の測器」という言葉だけで即アウトと判断しないことが大切です。
必ず、観測の目的と罰則の対象として問われているかを確認しましょう。
■ 選択肢確認表
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | 気象庁に届出をして使用している雨量計を、正当な理由なく壊した場合は罰則対象となるため。 |
| (b) | 誤 | 未検定の風速計であっても、小学校が教育目的で観測し、その成果を教育に利用する場合は罰則対象ではないため。 |
| (c) | 正 | 気象庁職員の観測のための立ち入りを、正当な理由なく拒んだ場合は罰則対象となるため。 |
以上より、組み合わせは(a)正、(b)誤、(c)正です。
したがって、正解は③です。
■ 受験生がつまずくポイント
1. 「悪そうな行為」は全部罰則対象だと思ってしまう
法規問題では、感覚ではなく、法律上罰則が適用される行為かどうかを見ます。
2. 地方公共団体の測器だから対象外だと思ってしまう
気象庁に届出をして使用している雨量計を正当な理由なく壊した場合は、罰則対象になります。
3. 未検定の測器はすべて罰則だと考えてしまう
教育目的で利用している場合まで、直ちに罰則対象になるわけではありません。観測目的を確認しましょう。
4. 「教育のため」という条件を読み飛ばす
(b)は、校庭に設置して毎日観測しているため本格的に見えますが、成果を教育のために利用している点が重要です。
5. 私有地なら立ち入りを拒否できると思ってしまう
私有地であっても、気象庁長官の命を受けた職員が観測のために立ち入ろうとしている場合、正当な理由なく拒むと罰則対象になります。
6. 「正当な理由なく」を軽く見てしまう
(a)と(c)では、この表現が罰則対象の判断に大きく関わります。法規問題では必ず注目しましょう。
■ まとめ
- 気象庁に届出をして使用している雨量計を正当な理由なく壊すと罰則対象となる。
- 未検定の風速計を小学校が教育目的で使う場合は、この問題では罰則対象ではない。
- 気象庁職員の観測のための立ち入りを正当な理由なく拒むと罰則対象となる。
- 法規問題では、「正当な理由なく」「教育のため」などの条件を丁寧に読む。
正解は③
この問題で必ず押さえたいこと
気象測器を正当な理由なく損壊
↓
罰則対象
未検定測器
+
教育目的
↓
この問題では罰則対象ではない
観測のための立ち入りを
正当な理由なく拒否
↓
罰則対象
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第54回 一般知識 問14の解説でした!
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