【気象予報士試験】第6章 大気の運動|気圧傾度力・コリオリ力・地衡風・傾度風・渦度をゼロから学ぼう!

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【例題】

「大気の運動に関する説明として正しいものはどれか。
① 地衡風は気圧傾度力と摩擦力がつり合ったときに吹く風である
② コリオリ力は風速に比例し、赤道では最大となる
③ 北半球の地上付近の低気圧では、反時計回りに等圧線を横切るように風が中心に向かって吹く
④ 同じ気圧傾度力の条件下では、高気圧性の傾度風より低気圧性の傾度風のほうが風速が大きい」

今回は、地上・高層天気図の読み方から始まり、気圧傾度力・コリオリ力(転向力)の仕組み、地衡風・傾度風・旋衡風・地上付近の風の違い、温度風と暖気移流・寒気移流、大気境界層の構造、渦度(相対渦度・絶対渦度保存則)、収束・発散と天気の関係まで体系的に学びます。気象予報士試験では大気力学の基礎が毎回出題されます。各風の特徴とコリオリパラメータ・地衡風の計算式を確実に理解しましょう!

目次

  • 天気図の種類(地上天気図・高層天気図)
  • 気圧傾度・気圧傾度力
  • コリオリ力(転向力)とコリオリパラメータ
  • 地衡風(気圧傾度力=コリオリ力)
  • 傾度風(高気圧性・低気圧性)と旋衡風
  • 地上付近の風(摩擦力の影響)
  • 温度風・暖気移流・寒気移流
  • 大気境界層の構造
  • 渦度(相対渦度・絶対渦度保存則)
  • 収束・発散と天気の関係
  • 理解チェックテスト(5問)
  • 過去問チャレンジ(5問)

1. 天気図の種類(地上天気図・高層天気図)

天気図と気圧傾度力・コリオリ力の教育図

▲ 天気図の種類と気圧傾度力・コリオリパラメータの関係

  • 地上天気図(ASAS):高度一定(海抜0m)の面での気圧分布を示す。等圧線は4hPaごと。別名:等高度面天気図
  • 高層天気図(AUPQ):気圧一定の面での高度分布を示す。等高度線は60mごと(300hPaのみ120mごと)。別名:等圧面天気図
  • 使用される4種類の高層天気図:850hPa(約1500m)、700hPa(約3000m)、500hPa(約5500m)、300hPa(約9000m)
  • 高層天気図では等高度線の高い場所が気圧が高く、低い場所が気圧が低い
  • 気圧の尾根(リッジ):等高度線が南側に張り出している部分(高気圧の勢力が張り出している)
  • 気圧の谷(トラフ):等高度線が北側に張り出している部分(低気圧の勢力が張り出している)

【地上天気図と高層天気図の違い】

  • 地上天気図: 高度一定→等圧線が引かれる(地衡風計算式①使用:ΔP/Δn)
  • 高層天気図: 気圧一定→等高度線が引かれる(地衡風計算式②使用:ΔZ/Δn)

2. 気圧傾度・気圧傾度力

  • 気圧傾度:2地点間の気圧変化の割合。記号:ΔP/Δn(ΔP:気圧差、Δn:距離)
  • 等圧線に対して直角に交わる距離で測定する
  • 気圧傾度力:気圧差によって生じる「風の原動力」。気圧の高い側から低い側に向かってはたらく
  • 気圧傾度力の記号:−(1/ρ)(ΔP/Δn)(ρ:空気の密度)
  • 等圧線が密なほど気圧傾度が大きく風が強い(台風は中心に向かって等圧線が混んでいる)
  • 等圧線が疎なほど気圧傾度が小さく風は弱い(高気圧中心付近は等圧線がまばら)

💡 気圧傾度と気圧傾度力の関係

  • 気圧傾度が大きい → 気圧傾度力が大きい → 風が強い
  • 等圧線の密度を見れば水平方向の気圧傾度の大小がわかる
  • 高層天気図では等高度線の間隔で気圧傾度がわかる(高度差ΔZ/Δnで代用)

3. コリオリ力(転向力)とコリオリパラメータ

  • コリオリ力(転向力):地球の自転によって生じる「見かけの力」
  • 北半球:風の進行方向の直角右向きにはたらく(風を右に曲げる)
  • 南半球:風の進行方向の直角左向きにはたらく(風を左に曲げる)
  • 赤道ではコリオリ力が0(sin0°=0)
  • コリオリパラメータ(f):f = 2Ωsinφ(Ω:地球の自転角速度7.3×10⁻⁵s⁻¹、φ:緯度)
  • 北極(緯度90°)でコリオリパラメータ最大(2Ω)、赤道(緯度0°)で0
  • コリオリ力は風速に比例:風速が0のときコリオリ力も0
  • 風の進行方向を変えるはたらきはあるが、速度(風速の大きさ)は変えない
  • 天気図にのるような大きなスケールの風に対してはたらく(小スケールでは無視できる)

💡 コリオリパラメータの緯度依存性

  • 北極(φ=90°):f = 2Ω(最大)
  • 中緯度(φ=30°):f = 2Ω×(1/2) = Ω(中間)
  • 赤道(φ=0°):f = 0(最小)

→ 高緯度ほどコリオリ力が大きいため、同じ気圧傾度でも地衡風の風速は高緯度で小さくなる

4. 地衡風(気圧傾度力=コリオリ力)

地衡風・傾度風・地上付近の風・温度風の教育図

▲ 地衡風・傾度風・地上付近の風の特徴と温度風の概念

  • 地衡風:気圧傾度力とコリオリ力が等しい状態で等圧線に平行に吹く風(高度約1km以上の上空)
  • 北半球では気圧の低い側を左手に見て吹く(南半球では右手に見て吹く)
  • 地衡風の成立過程:吹き始め(気圧傾度力方向)→加速→コリオリ力増大→右に曲げられる→最終的に等圧線平行
  • 地上天気図での地衡風の風速式(①):V = −(1/fρ)(ΔP/Δn) ← 単位:ΔP→Pa、Δn→m
  • 高層天気図での地衡風の風速式(②):V = (g/f)(ΔZ/Δn) ← 単位:ΔZ→m、Δn→m

💡 地衡風の計算式の使い分け

  • 地上天気図(等高度面):気圧差ΔPがわかる → ①の式 V = (1/fρ)(ΔP/Δn)
  • 高層天気図(等圧面):高度差ΔZがわかる → ②の式 V = (g/f)(ΔZ/Δn)
  • 注意:ΔPの単位はhPa→Pa(×100)に、Δnの単位はkm→m(×1000)に変換してから計算

5. 傾度風(高気圧性・低気圧性)と旋衡風

高気圧性の傾度風

  • 等圧線が円形に引かれた高気圧の周りを吹く風
  • 北半球では低圧側(周囲)を左手に見て時計回りに吹く
  • 力のバランス:コリオリ力 = 気圧傾度力 + 遠心力(遠心力は外向き)
  • 同じ気圧傾度力の条件:地衡風よりコリオリ力が大きい → 風速が大きい

低気圧性の傾度風

  • 等圧線が円形に引かれた低気圧の周りを吹く風
  • 北半球では低圧側(中心)を左手に見て反時計回りに吹く
  • 力のバランス:コリオリ力 + 遠心力 = 気圧傾度力(遠心力は外向き)
  • 同じ気圧傾度力の条件:地衡風よりコリオリ力が小さい → 風速が小さい

旋衡風

  • 竜巻のような小スケールの低気圧に吹く風
  • コリオリ力がほとんどはたらかない(スケールが小さいため)
  • 力のバランス:気圧傾度力 = 遠心力
  • 北半球でも反時計回りが多いが、時計回りにも吹く

【同じ気圧傾度力のときの風速比較】

  • 高気圧性の傾度風 > 地衡風 > 低気圧性の傾度風
  • ただし実際は低気圧の風の方が強い(低気圧の方が気圧傾度力自体が大きいため)

6. 地上付近の風(摩擦力の影響)

  • 地上付近(高度約1km以下)では、気圧傾度力・コリオリ力に加えて摩擦力がはたらく
  • 摩擦力:風の進行方向と反対向きにはたらき、風速を弱める
  • 摩擦力により風速が弱まる → コリオリ力(風速に比例)も弱まる → 風が低圧側に曲げられる
  • 地上付近の風は等圧線を横切るように低圧側に向かって吹く
  • 等圧線との交差角:陸上30〜45度、海上15〜30度(海上の方が摩擦が小さい)
  • 北半球の高気圧:時計回りに中心から外向き(発散)→ 下降流 → 晴天
  • 北半球の低気圧:反時計回りに外から中心向き(収束)→ 上昇流 → 悪天
  • ボイス・バロットの法則:風を背にして立つと、北半球では左手前方に低気圧の中心がある

💡 地上付近の高気圧・低気圧の風の特徴

  • 高気圧(地上):時計回り+等圧線を横切り外側へ → 発散 → 上空から補う下降流 → 晴天
  • 低気圧(地上):反時計回り+等圧線を横切り内側へ → 収束 → 上空へ逃げる上昇流 → 悪天

7. 温度風・暖気移流・寒気移流

  • 温度風:実際に吹いている風ではなく、地衡風の鉛直シア(下層と上層の地衡風ベクトルの差)を表す
  • 温度風ベクトル = 上層の地衡風ベクトル − 下層の地衡風ベクトル
  • 温度風は層間の平均気温の等温線に平行に吹く
  • 北半球では温度風からみて右手に暖気側、左手に寒気側
  • 温度風の関係:水平温度差があると上空ほど風が強くなる(上空ほど気圧差が大きくなるため)
  • 暖気移流:風が下層から上層に向けて時計回りに変化(順転)→ 暖かい側から冷たい側に吹く
  • 寒気移流:風が下層から上層に向けて反時計回りに変化(逆転)→ 冷たい側から暖かい側に吹く
  • ホドグラフ:高度別の風向・風速をベクトルで表した図。850hPa→700hPa→500hPa→300hPaの変化で移流を判断

💡 暖気移流・寒気移流の判断方法

  • 風が高度とともに「時計回り」(順転):北半球では暖気移流
  • 風が高度とともに「反時計回り」(逆転):北半球では寒気移流
  • 等温線に沿って吹く風:移流なし

8. 大気境界層の構造

大気境界層・ボイスバロット法則・地衡風計算式の教育図

▲ 大気境界層の昼夜構造とボイス・バロットの法則・地衡風計算式まとめ

  • 大気境界層:地上から高度約1kmまでの空気の層(気圧で約900hPaまで)。摩擦力の影響を直接受ける
  • 自由大気:大気境界層より上の空気層

昼間(晴天時)の大気境界層(3層構造)

  • 接地層(最下層):地表面に直接接する層。地表面摩擦により下部ほど風速が弱い。絶対不安定な状態が続く
  • 対流混合層:接地層の上の層。対流(上下運動)により温位・風速・混合比がほぼ一定
  • 移行層(エントレインメント層):対流混合層の上層。自由大気の空気が対流混合層に取り込まれる

夜間(晴天時)の大気境界層(4層構造)

  • 接地層:地表面が冷えるため、接地逆転層が形成(下部ほど気温が低い安定成層)
  • 安定(夜間)境界層:逆転層に対応した安定な層
  • 混合層の名残:昼間の対流混合層の痕跡が残る層
  • 移行層:その上に続く層

9. 渦度(相対渦度・絶対渦度保存則)

渦度・収束発散・大気運動スケールの教育図

▲ 渦度の概念・収束発散と天気・大気運動のスケール区分

  • 渦度:回転の方向と強さの度合いを表す数値。単位:×10⁻⁵/s
  • 正渦度(+):反時計回りの渦 = 北半球では低気圧に対応
  • 負渦度(−):時計回りの渦 = 北半球では高気圧に対応
  • 相対渦度:地球表面上で観測される渦度(低気圧・高気圧・水平シアから生じる)
  • 惑星渦度:地球の自転による渦度。コリオリパラメータfと同じ(f = 2Ωsinφ)
  • 絶対渦度 = 相対渦度 + 惑星渦度(f)
  • 非発散層:500hPa面(高度約5500m)は収束・発散の影響が少なく、渦度の保存性が良い
  • 絶対渦度保存則:非発散層(500hPa)では絶対渦度が保存される
    • 低気圧が北に移動:惑星渦度増加 → 相対渦度減少(渦が弱まる)
    • 低気圧が南に移動:惑星渦度減少 → 相対渦度増加(渦が強まる)
  • 強風軸(ジェット気流の中心):正渦度と負渦度の境目(渦度0線)に対応
  • 収束があると渦度が増加、発散があると渦度が減少(角運動量保存則)

【渦度の計算式】

  • 渦度(ζ)= ΔV/ΔX − ΔU/ΔY(ΔV:南北風の東西変化、ΔU:東西風の南北変化)
  • 収束・発散 = −(ΔU/ΔX + ΔV/ΔY)
  • 風速の符号:西風・南風→+、東風・北風→−

10. 収束・発散と天気の関係

  • 収束:空気が集まる状態(方向収束・速度収束)
  • 発散:空気が離れる状態(方向発散・速度発散)
  • 下層収束 → 上昇流 → 上層発散 → 悪天(雲・降水)
  • 下層発散 → 下降流 → 上層収束 → 晴天(雲消滅)
  • 大気運動のスケール区分:
    • ミクロスケール(小規模):水平2km以下(竜巻・乱流・境界層内の乱れ)
    • メソスケール(中規模):水平2〜2000km(集中豪雨・台風・海陸風)
      • メソαスケール:200〜2000km
      • メソβスケール:20〜200km
      • メソγスケール:2〜20km
    • マクロスケール(大規模):水平2000km以上(高気圧・低気圧・プラネタリー波)
      • 総観規模:2000〜5000km(高気圧・低気圧・前線)
      • 惑星規模:数千km〜数万km(プラネタリー波)
  • 一般的に水平スケールが大きいほど時間スケール(寿命)も長い

11. 📋 理解チェックテスト(5問)

【問1】

コリオリ力について正しいものはどれか。
① コリオリ力は北半球では風の進行方向の直角左向きにはたらく
② コリオリ力は風速に無関係で一定の大きさではたらく
③ コリオリ力のコリオリパラメータは赤道で最大となる
④ コリオリ力は天気図にのるような大きなスケールの風にはたらくが、竜巻のような小スケールではほとんどはたらかない

💡 解答・解説

正解:④
①誤:北半球では直角右向き。②誤:風速に比例する。③誤:高緯度(北極)で最大、赤道で0。④正しい。

【問2】

地衡風について正しいものはどれか。
① 地衡風は高度約1km以下の地上付近でよく観測される
② 北半球の地衡風は気圧の低い側を右手に見て吹く
③ 地衡風の風速は、コリオリパラメータが大きい(高緯度)ほど大きくなる
④ 高層天気図では、等高度線の間隔が密なほど地衡風は強い

💡 解答・解説

正解:④
①誤:高度約1km以上の上空で吹く。②誤:低い側を左手に見て吹く。③誤:コリオリパラメータが大きいほど地衡風は小さくなる(分母が大きくなるため)。④正しい。

【問3】

地上付近の風について正しいものはどれか。
① 陸上では摩擦が大きいため、等圧線との交差角は海上より小さい
② 摩擦力により風速が弱まると、コリオリ力は増大する
③ 北半球の地上付近の低気圧では、反時計回りに等圧線を横切って中心に向かって風が吹く
④ ボイス・バロットの法則によると、風を背にして立つと右手前方に低気圧の中心がある

💡 解答・解説

正解:③
①誤:陸上の方が交差角は大きい(30〜45度)。②誤:摩擦で風速が弱まるとコリオリ力も小さくなる。③正しい。④誤:左手前方に低気圧の中心がある。

【問4】

温度風について正しいものはどれか。
① 温度風とは実際に大気中を吹いている風のことである
② 北半球において、風が下層から上層にかけて時計回りに変化していれば寒気移流がある
③ 温度風は層間の平均気温の等温線に平行に吹く
④ 水平温度差がない場合でも温度風は発生する

💡 解答・解説

正解:③
①誤:実際に吹いている風ではなく、地衡風の鉛直シアを表す。②誤:時計回り(順転)は暖気移流。③正しい。④誤:水平温度差がなければ温度風は発生しない。

【問5】

渦度について正しいものはどれか。
① 北半球では低気圧は負渦度、高気圧は正渦度に対応する
② 500hPa面は非発散層とよばれ、渦度の保存性が良い
③ 絶対渦度保存則によると、低気圧が北に移動すると渦が強まる
④ 収束があると渦度は減少する

💡 解答・解説

正解:②
①誤:北半球では低気圧が正渦度、高気圧が負渦度。②正しい。③誤:北に移動すると惑星渦度増加→相対渦度減少(渦は弱まる)。④誤:収束があると渦度は増加する。

12. 📋 過去問チャレンジ(5問)

【平成23年度第1回 専門知識 問4】

コリオリカについて述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a) コリオリ力は、北半球では風の進行方向の直角右向きに、南半球では直角左向きにはたらく。
(b) コリオリ力は、風速に比例する。
(c) コリオリ力は、風速の方向を変えるはたらきをもつが、風速の大きさ(速さ)を変えるはたらきはない。
(d) コリオリパラメータの値は、赤道で最大となり、高緯度になるほど小さくなる。

① (a)正(b)正(c)正(d)正
② (a)正(b)正(c)正(d)誤
③ (a)正(b)誤(c)正(d)誤
④ (a)誤(b)正(c)誤(d)正
⑤ (a)誤(b)誤(c)誤(d)正

💡 解答・解説

正解:②((a)正(b)正(c)正(d)誤)
(a)正:北半球では右向き、南半球では左向き。(b)正:コリオリ力fV(fはコリオリパラメータ、Vは風速)で風速に比例。(c)正:コリオリ力は力の向きを変えるだけで速さを変えない。(d)誤:コリオリパラメータは高緯度(北極)で最大、赤道で0となる。

【平成27年度第2回 専門知識 問4】

地衡風について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a) 地衡風は気圧傾度力とコリオリカカがつり合ったときに吹く風であり、北半球では気圧の低い側を左手に見るように吹く。
(b) 気圧傾度力が一定の場合、コリオリパラメータが大きいほど地衡風の風速は小さい。
(c) 地上天気図上の2点間の気圧差と距離から地衡風の風速を計算する場合、気圧差の単位にhPaを、距離の単位にkmをそのまま用いてよい。

① (a)正(b)正(c)正
② (a)正(b)正(c)誤
③ (a)正(b)誤(c)正
④ (a)誤(b)正(c)誤
⑤ (a)誤(b)誤(c)誤

💡 解答・解説

正解:②((a)正(b)正(c)誤)
(a)正:地衡風の定義通り。北半球では低い側を左手に見て吹く。(b)正:地衡風の式V=(1/fρ)(ΔP/Δn)の分母にfがあるため、fが大きいほどVは小さくなる。(c)誤:hPaをPa(×100)に、kmをm(×1000)に単位を変換してから計算する必要がある。

【平成26年度第1回 専門知識 問4】

傾度風について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a) 傾度風は、気圧傾度力・コリオリ力・遠心力の3つの力が傾度風平衡の状態にあるときに吹く風である。
(b) 北半球において、同じ気圧傾度力のもとでは、低気圧性の傾度風の風速は地衡風の風速より大きい。
(c) 旋衡風は、気圧傾度力と遠心力がつり合ったときに吹く風で、竜巻がその例である。竜巻はスケールが小さいためコリオリ力がほとんどはたらかず、北半球でも時計回り・反時計回りの両方に吹く。

① (a)正(b)正(c)正
② (a)正(b)正(c)誤
③ (a)正(b)誤(c)正
④ (a)誤(b)正(c)誤
⑤ (a)誤(b)誤(c)正

💡 解答・解説

正解:③((a)正(b)誤(c)正)
(a)正:傾度風は気圧傾度力・コリオリ力・遠心力の3力がつり合った状態で吹く。(b)誤:同じ気圧傾度力のもとでは、低気圧性傾度風のコリオリ力は地衡風より小さく、風速も小さい(高気圧性傾度風 > 地衡風 > 低気圧性傾度風)。(c)正:旋衡風は気圧傾度力と遠心力のバランスで、コリオリ力を無視できる竜巻がその典型例。

【平成25年度第2回 専門知識 問5】

温度風について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a) 温度風は、地衡風の鉛直シアを表したもので、実際に大気中を吹いている風ではない。
(b) 北半球において、ある気層内の下層と上層の地衡風の風向が高度とともに時計回りに変化(順転)しているとき、その気層内では暖気移流がある。
(c) 温度風は層間の平均気温の等温線に沿って吹くが、北半球では温度風から見て右手の方角に寒気側がある。
(d) 水平温度差が大きいほど、温度風は強くなる。

① (a)正(b)正(c)正(d)正
② (a)正(b)正(c)誤(d)正
③ (a)正(b)誤(c)正(d)誤
④ (a)誤(b)正(c)誤(d)正
⑤ (a)誤(b)誤(c)誤(d)誤

💡 解答・解説

正解:②((a)正(b)正(c)誤(d)正)
(a)正:温度風は地衡風の鉛直シアを表す仮想的な風。(b)正:順転(時計回り変化)は北半球では暖気移流。(c)誤:北半球では温度風の右手に暖気側、左手に寒気側がある。(d)正:水平温度差(温度傾度)が大きいほど温度風(地衡風の変化)は強くなる。

【平成28年度第1回 専門知識 問4】

大気の運動について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ。
(a) 大気境界層は地上から高度約1km程度の大気層であり、昼間(晴天時)は下から接地層・対流混合層・移行層に区分される。対流混合層内では対流によって温位・風速・混合比がほぼ一定となる。
(b) 北半球において、500hPa面での絶対渦度保存則によれば、等温線に沿って西から東に吹く地衡風が気圧の谷の西側(トラフ西側)では正渦度が増加し、谷の東側(トラフ東側)では正渦度が減少する。
(c) 下層で収束があると上昇流が発生し、悪天となりやすい。また、上層で発散が起きても同様に上昇流が発生するため、悪天となりやすい。

① (a)正(b)正(c)正
② (a)正(b)誤(c)正
③ (a)正(b)正(c)誤
④ (a)誤(b)正(c)正
⑤ (a)誤(b)誤(c)誤

💡 解答・解説

正解:①((a)正(b)正(c)正)
(a)正:大気境界層の3層構造(昼間)の説明は正しい。対流混合層では対流で均一化される。(b)正:気圧の谷の西側では南から北に向かう流れがあり高度が低下する(等高度線が北に曲がる)→南に移動→惑星渦度減少→相対渦度(正渦度)増加。東側では北から南に流れ→北に移動→惑星渦度増加→正渦度減少。(c)正:下層収束は上昇流を、上層発散も結果として上昇流を維持するため悪天となりやすい。

まとめ

重要項目一覧:

  • 天気図:地上(等高度面・等圧線4hPaごと)と高層(等圧面・等高度線60mごと)の2種類
  • 気圧傾度力:気圧の高い側から低い側へ。等圧線が密ほど大きい
  • コリオリ力:北半球では右向き、南半球では左向き。f=2Ωsinφ(赤道で0、北極で最大)
  • 地衡風:気圧傾度力=コリオリ力。北半球では低圧側を左手に見て吹く。高度約1km以上
  • 傾度風:高気圧性(コリオリ力=気圧傾度力+遠心力)・低気圧性(コリオリ力+遠心力=気圧傾度力)
  • 風速比較(同じ気圧傾度力):高気圧性傾度風 > 地衡風 > 低気圧性傾度風
  • 摩擦力:地上約1kmの風速を弱め、コリオリ力を間接的に弱め、風を低圧側に向ける
  • 等圧線交差角:陸上30〜45度、海上15〜30度
  • 温度風:地衡風の鉛直シア。順転→暖気移流、逆転→寒気移流(北半球)
  • 大気境界層(昼):接地層→対流混合層(温位・風速一定)→移行層(高度〜1km)
  • 正渦度:反時計回り(北半球の低気圧)、負渦度:時計回り(北半球の高気圧)
  • 絶対渦度保存則:500hPa非発散層で絶対渦度(相対渦度+f)が保存
  • 収束・発散:下層収束→上昇流→悪天、下層発散→下降流→晴天
  • ボイス・バロットの法則:風を背にして立つと左手前方に低気圧(北半球)

難易度:★★★★★(コリオリ力・地衡風の計算式・傾度風の力のバランスを完全に理解!渦度・温度風の概念は気象予報士試験の難所です。過去問を繰り返し解きましょう!)

この記事について

気象予報士試験の合格を目指す方のために、専門知識を初学者向けにわかりやすく解説しています。大気の運動は地衡風の計算・コリオリパラメータ・傾度風の力のバランスが最重要です。温度風・渦度の概念は難度が高いですが、過去問のパターンを理解すれば必ず得点できます!

【気象予報士試験講義No.17】大気の運動|気圧傾度力・コリオリ力・地衡風・傾度風・渦度をゼロから学ぼう!

どくりん


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