【第65回 気象予報士試験 一般知識】問1を徹底解説|成層圏オゾン・チャップマン機構・ブリューワー・ドブソン循環

こんにちは!今回は第65回 気象予報士試験 一般知識 問1を解説します!

今回の問題では、成層圏オゾンの生成メカニズムブリューワー・ドブソン循環オゾン全量の季節変化が問われています。

この問題で重要なポイント

  • オゾンは酸素分子 O₂ の光解離によって生成される
  • オゾン分布は太陽放射だけでは決まらない
  • ブリューワー・ドブソン循環による輸送が重要
  • 高緯度のオゾン全量は夏ではなく晩冬〜春に最大となる

■ 問題文

大気中のオゾンについて述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a) 成層圏では、酸素分子が紫外線を吸収して光解離し、そこで生じる酸素原子が他の酸素分子と結合することでオゾンが生成される。

(b) 成層圏のオゾンの空間分布やその季節変化は、太陽放射の強さの緯度分布やその季節変化では説明できる。

(c) 北半球の高緯度では、オゾン全量(地表から大気上端までの単位面積の気柱に含まれるオゾンの総量)は、太陽放射が極大となる夏に最も大きくなる。

(a) (b) (c)

解答

◇ (a) の判定

◇ 解説

(a)は、成層圏オゾンの生成過程について説明した文章です。

成層圏では、酸素分子 O₂ が紫外線を吸収して分解され、酸素原子 O が生成されます。

O₂ → O + O

その後、生成された酸素原子 O が別の酸素分子 O₂ と結合することで、オゾン O₃ が生成されます。

O + O₂ → O₃

ここがポイント!

この一連の反応は、チャップマン機構と呼ばれる成層圏オゾン生成の基本メカニズムです。

「酸素分子が紫外線で分解される → 酸素原子が酸素分子と結合する → オゾンができる」という流れで押さえましょう。

◇ (b) の判定

◇ 解説

(b)は、「成層圏のオゾン分布や季節変化は、太陽放射の強さだけで説明できる」としている点が誤りです。

たしかに、オゾンの生成には紫外線が関係します。

しかし、実際のオゾン分布は、太陽放射だけでなくブリューワー・ドブソン循環による輸送の影響を強く受けます。

ブリューワー・ドブソン循環とは?

低緯度で生成されたオゾンが、

  • 成層圏内で上昇し
  • 高緯度方向へ運ばれ
  • 高緯度で下降する

という成層圏の大循環です。

受験生がつまずきやすいポイント

「オゾンは紫外線で作られる」という知識だけで考えると、オゾン量は太陽放射の強さだけで決まると思ってしまいがちです。

しかし、実際には生成されたオゾンがどこへ運ばれるかも重要です。

そのため、オゾン分布は太陽放射だけでは説明できません。

◇ (c) の判定

◇ 解説

(c)では、「北半球高緯度のオゾン全量は、太陽放射が極大となる夏に最大となる」とされています。

しかし実際には、北半球高緯度のオゾン全量は晩冬〜春に最大となります。

ここで多くの受験生は、「紫外線が最も強い夏にオゾンも最大になるのでは?」と考えがちです。

しかし、高緯度のオゾン全量は、その場で作られる量だけでは決まりません。

冬の間、ブリューワー・ドブソン循環によって、低緯度で生成されたオゾンが高緯度へ運ばれ続けます。

その結果、春先にオゾンが蓄積し、オゾン全量が最大となります。

覚え方

生成 → 輸送 → 蓄積 → 春最大

「紫外線が強い夏に最大」ではなく、冬に運ばれて春にたまると覚えましょう。

この問題の最大の引っかけ

「オゾン生成には紫外線が必要」だからといって、「太陽放射が最大の夏にオゾン全量も最大」とは限りません。

成層圏オゾンでは、生成だけでなく、輸送蓄積をセットで考えることが重要です。

■ この問題で絶対覚えること

  • (a) 正:成層圏オゾンは酸素分子の光解離から生成される
  • (b) 誤:オゾン分布は太陽放射だけでは説明できない
  • (c) 誤:北半球高緯度のオゾン全量は夏ではなく晩冬〜春に最大

正解は③

「生成 → 輸送 → 蓄積 → 春最大」 で覚えよう!

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第65回 気象予報士試験 一般知識 問1の解説でした!

独学資格塾では、単なる模範解答だけでなく、「受験生がどこでつまずくのか?」を重視して解説しています。

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